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友人とのお茶会1

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憩いの丘でのデートから3ヶ月



ヴィン様にキツく抱きしめられ濃密な空間が霧散した日から3ヶ月経った



あの後いつもの様に手を繋ぎ散策し、休憩した時もぴったりとくっつきサンドイッチを食べ
軽くお話をして馬車に乗り帰った


なんの変化もないかといえば嘘になる


あの日からヴィン様は軽いキス以上の事をしてくださらなくなった
城のお茶会もお茶を飲み話し、中庭を見て触れるだけのキス
四阿でもぴったりくっつくが、軽いキスや膝の上に乗らせくれない

一度恥を忍んで、…膝に乗っても良いですか?

と問いかけても、
すまない
と低い声で断られてしまったのだ


それからというものヴィン様との間に壁ができたと感じてしまって絶賛反省中だ



ーーだって私が拒否してしまったから



しょうがないわ…だって………だって


あの晩から夜になると苦しくて切なくなる日が増えた



濃密な時間
幸せな2人だけの世界
お互い触れ合い、絡み、浅ましく求めても求められても誰も咎める者は居なく
2人しか居なかった世界




全てが完璧だった………あの晩







彼さえ…ヴィン様が居れば何にもいらないのに



なのに…夜になってもヴィン様は居ない




私の側に居ない




低い声で私を愛する彼が昼も夜も居ないのだ

黒い短髪の…黒い鋭い眼差しで私の心をを離さない彼が居ないのだ

涙も出ない………だって私のせいだから


私が彼を拒んだから






****************



冬が近づいてきた、夜になるとまるで私を拒絶するように真っ暗な冬が来るのだ






「アンナ嬢って、絶対に再来年の社会デビューでは男性陣の視線を独り占めするわね、本当完璧な淑女になって羨ましいわ」



定期的に行われる16歳からの年の近い子達のお茶会では、主に情報収集を学ぶ場だ
勿論、気の合うご令嬢もいるが…今日は来春社交デビューをする国の政を仕切る大臣の令嬢のお茶会に呼ばれた


彼女は、エリザベス・フォスター
銀髪と赤い目の17歳

彼女は初めて会った時から変わらず思ったことをはっきりと言ってしまうので、他のご令嬢から敬遠されているのだが私は裏表のない素直なご令嬢で大好きになってしまったのだ



そんな友人のお茶会も久しぶりでヴィン様との婚約以前はよく招待されていたのだけど、もうすぐ社交デビューで準備に忙しくしていて最近では手紙のやり取りだけだった


今は私と彼女の2人だけだ


「…で?どうなの?婚約者とは上手く言っているの?」
強気な口調とは、裏腹に彼女の瞳が心配そうに揺れている


「…えっ…と…ちょっと距離を…感じています」


彼女に嘘をついてもどうせバレてしまうので
素直に言うと、彼女の顔に怒りが現れた


「まぁ!酷いことをされたのかしら!手紙では仲良くしていると書いてあったから安心していたのだけど!」


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