ワンナイトラブは副団長と

狭山雪菜

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出会い2

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そのまま連れて行かれたのは

怪しい雰囲気の3階建の建物の一室だった

室内に居たのは、40代ぐらいの厚化粧をした真っ赤なドレスを着たマダムだった
私を見るなり、汚い子ね
と言い
執務机の前に置かれた簡易な椅子に座らされ、私は声をあげる間もなく
「205号室のダンナだよ
えらく昂っているからたんまり可愛がってもらいな」

私を連れ去った男に鍵を渡し、また腕を引っ張られた


そのまま木の板で205号室と書かれた安っぽい扉を開け、ダミ声の男は
「へへっダンナお待たせいたしました」
と中にぐいぐい押され
パタンと扉が閉まり、鍵が掛かった




はっと我に返り、どんどんと扉を叩いても
うんともすんともいわない




「諦めなよ」
と落ち着いた柔らかい男性の声が聞こえ振り向いたら

茶色の髪が襟足まであり瞳は髪の色と同じ茶色で、白いYシャツに濃紺のズボンを履き茶色のブーツの
優しい笑顔のハズなのに目が全く笑っていない男がそこに立っていた


「?!!」


何も言わせる事のできないオーラに圧倒され声が潰されたみたいに出ない

声も出さず固まる私に
おやっ?と片眉を上げ、ゆっくりと近づき
宝物を扱うみたいに頬に触れ、私の銀髪を一房掴み口元へ持っていき、ちゅっと軽くキスをする

「…銀髪に赤い目…希望通りだ、ありがとうございます」と仕草は丁寧で敬語なのに肉食動物に捕まったうさぎの気持ちになる

ふるふる震えていると、ああ汚れているね洗おう
と背中に手を置きお風呂場へ誘導しようとする

はっとして我に返り
「何か人違いじゃないですか!?
私はココに来たことも、何をするのかも分からないのです!私はっ…」
と名前を言おうとして、止める
今ココで名前を言えば、フォスター家の醜聞だ
父も無事にはすまないだろう
と、ならばこの方を説得して出してもらった方がいいかもしれない


そんな事を考えていると、男性は
「…そうだね、別々のお風呂じゃなくて一度お互いスッキリしてから一緒に入ろうか」
と、意味不明な事を言って私を抱き上げたのだった



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