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第5章 屑肉と化した女戦士は魔王討伐の夢を見るか

#10 鬼畜たちの宴⑤

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 マリウスはとてつもない飢餓感に襲われていた。

 それこそ、身を削るような、とでも形容すべきだろうか。

 マリウスを衝き動かしているのは、ルビイを抱きたいという渇望である。

 ルビイたちが王都を不在にしている間も、マリウスのストレスは徐々に高まっていた。
 
 何度もルビイとサトに調教され、完全にふたりの性奴隷と化したマリウスは、どうやらふたりからの愛撫を定期的に受けないと、精神が不安定になってしまうらしいのだ。

 それでも軍略会議などが続き、忙しさに紛れてなんとか正気を保っていたマリウスだったが、今日の午後、轟天号が王都に帰還して、変わり果てたルビイの姿をひと目見たとたん、理性のタガがはずれてしまったのである。

 機械知性体に蹂躙され、無残な姿と化したルビイは、マリウスの脳裏にあの時の鮮烈な記憶を喚起したのだった。

 ルビイが発つ前日の夜、淫夢魔に憑依され、義手と義足を外した生まれたままの姿のルビイを凌辱した、あの夜の記憶を…。

 手足のない、達磨女を抱きたい。

 マリウスはその一念で、病院の廊下をさ迷い歩いている。

 あの時はサトに邪魔されたが、今度こそ、思う存分、手足のないルビイを辱め、凌辱したい…。

 その穢れた欲望が、愛情から来ているのか、あるいは単なる本能なのか、マリウスにはわからない。

 ルビイ生きていようがが死んでいようが、そんなことはもうどうでもよかった。

 とにかくあの素晴らしい奇形の肉体が腐敗して滅びるまでに、思いを遂げないと…。

 病院の北翼にさしかかると、胸の鼓動が激しくなった。

 もうすぐだ。

 もう少しで、ルビイを抱ける。

 貴族風の豪奢なコートの下は、全裸である。

 これ以上ないほど勃起した性器の先が、厚いコートの裏地に触れるたびに、疼くような快感がこみあげてくる。

 最後の廊下の角を曲がった時だった。

 マリウスは、ルビイの病室の扉が開いていることに気づき、雷に打たれたようにその場で足を止めた。

 気のせいか、中から肉と肉がぶつかり合う乾いた音が聞こえてくる。

 誰か、いるのか?

 まさか、私より先に、誰かがルビイを…?

 一瞬、嫉妬で目の前が赤くなった。

 許せない。

 ルビイは私のものなのだ。

 いや、違う。

 私が、ルビイの所有物なのだ。

 肉の爆ぜるような音に、男のうめき声が混じる。

 もう、間違いなかった。

 誰かがルビイを犯しながら、愉悦の声を上げているのだ。
 
「誰だ」

 病室に滑り込み、後ろ手に扉を閉めると、マリウスは声を押し殺して誰何した。

 オレンジ色の薄暗い照明の下、ぼんやりと中の様子が見えてくる。

 中央のベッドのそばに全裸の男が立ち、トルソのようなルビイの胴体を抱え上げ、腰に打ちつけている。

 その男の横顔を見るなり、マリウスはかすれた声でうめいた。

「父上…?」
 

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