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#30 奇妙な潜伏生活②
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1932年、満州国を隠れ蓑にして、ひそかに建国されたという裏の政府、腸詰帝国。
その腸詰帝国が、下部組織の人肉厨房を窓口にして、社会に混乱を引き起こすために、改造人間ならぬ、培養人間たちを各地に送り込んでいる。
そして、培養人間の開発者のひとり、大神佐平に連れられて人肉厨房のラボを脱走した少女、天津紗英こそが、彼らと戦い、殲滅する能力を有しているー。
韮崎と名乗る老刑事の話をまとめると、だいたいこんなところになるのだが、正直、単なるニートに過ぎない明にはピンとこなかった。
それより、まだ若い男性である明にとっての目下の大問題は、紗英との共同生活である。
ふたりに与えられたのは、2DKのマンションの部屋。
その狭い空間で、見ず知らずの少女と、一緒に暮らさねばならないのだ。
複雑な思いで部屋の中を見回しながら、明は思った。
これは・・・チャンスなのか?
30代突入目前に、童貞を捨てる大チャンス・・・。
あるいは、地獄の始まりなのか?
紗英は客観的に見ても、ふるいつきたくなるほどの美少女だ。
しかも、こんなこと、本人の前では口が裂けても言えないのだが、身体がエロい。
エロ過ぎる。
おまけに露出狂ではないかと疑いたくなるほどのファッションセンスの持ち主で、ムチムチの太腿を曝け出すマイクロミニしか穿かないときている。
その紗英に、目の前をうろうろされ、なのに、手を触れることも許されぬとしたら・・・。
俺はもう、発狂するしかないのではないか?
さあ、どっちだ?
だが、その明の疑念は、数秒で解消された。
「いい部屋だね」
勇気をもって話しかけたその時。
打てば響くように、紗英が答えたのである。
「あたしはこっちの部屋を使うから、あんたはそっちね。ああ、それから、先に言っとくけど、いい? 一緒に住むからと言って、勘違いしないで。馴れ馴れしく話しかけてきたりしたら、ゼッタイ、殺すから」
その腸詰帝国が、下部組織の人肉厨房を窓口にして、社会に混乱を引き起こすために、改造人間ならぬ、培養人間たちを各地に送り込んでいる。
そして、培養人間の開発者のひとり、大神佐平に連れられて人肉厨房のラボを脱走した少女、天津紗英こそが、彼らと戦い、殲滅する能力を有しているー。
韮崎と名乗る老刑事の話をまとめると、だいたいこんなところになるのだが、正直、単なるニートに過ぎない明にはピンとこなかった。
それより、まだ若い男性である明にとっての目下の大問題は、紗英との共同生活である。
ふたりに与えられたのは、2DKのマンションの部屋。
その狭い空間で、見ず知らずの少女と、一緒に暮らさねばならないのだ。
複雑な思いで部屋の中を見回しながら、明は思った。
これは・・・チャンスなのか?
30代突入目前に、童貞を捨てる大チャンス・・・。
あるいは、地獄の始まりなのか?
紗英は客観的に見ても、ふるいつきたくなるほどの美少女だ。
しかも、こんなこと、本人の前では口が裂けても言えないのだが、身体がエロい。
エロ過ぎる。
おまけに露出狂ではないかと疑いたくなるほどのファッションセンスの持ち主で、ムチムチの太腿を曝け出すマイクロミニしか穿かないときている。
その紗英に、目の前をうろうろされ、なのに、手を触れることも許されぬとしたら・・・。
俺はもう、発狂するしかないのではないか?
さあ、どっちだ?
だが、その明の疑念は、数秒で解消された。
「いい部屋だね」
勇気をもって話しかけたその時。
打てば響くように、紗英が答えたのである。
「あたしはこっちの部屋を使うから、あんたはそっちね。ああ、それから、先に言っとくけど、いい? 一緒に住むからと言って、勘違いしないで。馴れ馴れしく話しかけてきたりしたら、ゼッタイ、殺すから」
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