6 / 39
6
しおりを挟む
しかし村まではここから半日も歩かないといけないと言われました。
基本的にほとんど屋敷の外に出ない生活を送らされていた私は体力には自信がありません。もう少し長くかかるかもしれませんね。
ひたすら山道を歩き続けると少し日が暮れて来ました。重かった水も結構減ってしまい、食料もあと一回食べれば無くなってしまいます。半日あれば着くということだったのですが、もしこのまま遭難してしまったら食べるものも飲むものもありません。ちょっと不安になってきました。
もう少し歩くと暗くなるまでにと焦って無理をしたせいで、足がふらついてきました。しかも、既に辺りは真っ暗なのに結局村には辿り着きませんでした。
それからどのくらい歩いたでしょうか。すっかり足が棒のようになってしまい、これ以上は歩けそうにありません。そう思った矢先、私は拳くらいの石を誤って踏んでそのまま転んでしまいました。
しゃがむと、足首がズキズキします。どうやら捻ってしまったようです。
こんな時は指輪に頼りましょう。今日はまだ使っていないので。
実はマジックアイテムと思われるお母様の形見の指輪は、一日に一回だけ治癒魔法のような効果を発揮してくれるのです。以前から叩かれた痛みが引くことが分かっていたのでいろいろと試してみたところ、あまり時間が経っていないと効果を発揮しないことがわかりました。
検証のためとはいえ一日に二度ぶたれるのは辛いものがありましたけど。
そんな大けがをしたことはないので、どのくらいの治癒効果があるのかはわかりません。
あと、指輪を使った後は痛みは引くのですが凄い疲労感に襲われます。
案の定、指輪を使うと足首の痛みは引きましたが眠たくなってしまいました。
仕方ないので少し休むことにして目を閉じました。
私がまどろみ始めたころ、何かの足音が聞こえてきました。起きなくてはと思うのですが、歩き続けて疲労困憊だった身体は思うように言うことを聞きません。
「パパ!ママ!あんなところに人が倒れてるよ!」
子供の声がして小さな足音が近づいてきます。
「こらこらノーラ!危ないから近づいちゃいけません」
「えー?でも凄く奇麗なお姉ちゃんだよ?」
「あらほんとねえ。こんなところで何してるのかしら」
親子連れと思われる三人が私を松明で照らしてのぞき込んでいます。
この辺りの村の住人でしょうか。だとしたら何とか連れて行ってもらわないと。
「助けて……」
疲れていて思わず出た一言はそれだけでした。
「助けてほしいって!お父さん助けてあげてよ!」
「えー?なんだかトラブルに巻き込まれそうなんだけど」
「あなた、子供の手前それは格好悪いわ。運んであげましょうよ」
私は親子連れの男に抱き上げられましたが、ここで意識が途切れてしまいました。
基本的にほとんど屋敷の外に出ない生活を送らされていた私は体力には自信がありません。もう少し長くかかるかもしれませんね。
ひたすら山道を歩き続けると少し日が暮れて来ました。重かった水も結構減ってしまい、食料もあと一回食べれば無くなってしまいます。半日あれば着くということだったのですが、もしこのまま遭難してしまったら食べるものも飲むものもありません。ちょっと不安になってきました。
もう少し歩くと暗くなるまでにと焦って無理をしたせいで、足がふらついてきました。しかも、既に辺りは真っ暗なのに結局村には辿り着きませんでした。
それからどのくらい歩いたでしょうか。すっかり足が棒のようになってしまい、これ以上は歩けそうにありません。そう思った矢先、私は拳くらいの石を誤って踏んでそのまま転んでしまいました。
しゃがむと、足首がズキズキします。どうやら捻ってしまったようです。
こんな時は指輪に頼りましょう。今日はまだ使っていないので。
実はマジックアイテムと思われるお母様の形見の指輪は、一日に一回だけ治癒魔法のような効果を発揮してくれるのです。以前から叩かれた痛みが引くことが分かっていたのでいろいろと試してみたところ、あまり時間が経っていないと効果を発揮しないことがわかりました。
検証のためとはいえ一日に二度ぶたれるのは辛いものがありましたけど。
そんな大けがをしたことはないので、どのくらいの治癒効果があるのかはわかりません。
あと、指輪を使った後は痛みは引くのですが凄い疲労感に襲われます。
案の定、指輪を使うと足首の痛みは引きましたが眠たくなってしまいました。
仕方ないので少し休むことにして目を閉じました。
私がまどろみ始めたころ、何かの足音が聞こえてきました。起きなくてはと思うのですが、歩き続けて疲労困憊だった身体は思うように言うことを聞きません。
「パパ!ママ!あんなところに人が倒れてるよ!」
子供の声がして小さな足音が近づいてきます。
「こらこらノーラ!危ないから近づいちゃいけません」
「えー?でも凄く奇麗なお姉ちゃんだよ?」
「あらほんとねえ。こんなところで何してるのかしら」
親子連れと思われる三人が私を松明で照らしてのぞき込んでいます。
この辺りの村の住人でしょうか。だとしたら何とか連れて行ってもらわないと。
「助けて……」
疲れていて思わず出た一言はそれだけでした。
「助けてほしいって!お父さん助けてあげてよ!」
「えー?なんだかトラブルに巻き込まれそうなんだけど」
「あなた、子供の手前それは格好悪いわ。運んであげましょうよ」
私は親子連れの男に抱き上げられましたが、ここで意識が途切れてしまいました。
16
あなたにおすすめの小説
私の妹は確かに聖女ですけど、私は女神本人ですわよ?
みおな
ファンタジー
私の妹は、聖女と呼ばれている。
妖精たちから魔法を授けられた者たちと違い、女神から魔法を授けられた者、それが聖女だ。
聖女は一世代にひとりしか現れない。
だから、私の婚約者である第二王子は声高らかに宣言する。
「ここに、ユースティティアとの婚約を破棄し、聖女フロラリアとの婚約を宣言する!」
あらあら。私はかまいませんけど、私が何者かご存知なのかしら?
それに妹フロラリアはシスコンですわよ?
この国、滅びないとよろしいわね?
義妹がやらかして申し訳ありません!
荒瀬ヤヒロ
恋愛
公爵令息エリオットはある日、男爵家の義姉妹の会話を耳にする。
何かを企んでいるらしい義妹。義妹をたしなめる義姉。
何をやらかすつもりか知らないが、泳がせてみて楽しもうと考えるが、男爵家の義妹は誰も予想できなかった行動に出て―――
義妹の脅迫!義姉の土下座!そして冴え渡るタックル!
果たしてエリオットは王太子とその婚約者、そして義妹を諫めようとする男爵令嬢を守ることができるのか?
王家を追放された落ちこぼれ聖女は、小さな村で鍛冶屋の妻候補になります
cotonoha garden
恋愛
「聖女失格です。王家にも国にも、あなたはもう必要ありません」——そう告げられた日、リーネは王女でいることさえ許されなくなりました。
聖女としても王女としても半人前。婚約者の王太子には冷たく切り捨てられ、居場所を失った彼女がたどり着いたのは、森と鉄の匂いが混ざる辺境の小さな村。
そこで出会ったのは、無骨で無口なくせに、さりげなく怪我の手当てをしてくれる鍛冶屋ユリウス。
村の事情から「書類上の仮妻」として迎えられたリーネは、鍛冶場の雑用や村人の看病をこなしながら、少しずつ「誰かに必要とされる感覚」を取り戻していきます。
かつては「落ちこぼれ聖女」とさげすまれた力が、今度は村の子どもたちの笑顔を守るために使われる。
そんな新しい日々の中で、ぶっきらぼうな鍛冶屋の優しさや、村人たちのさりげない気遣いが、冷え切っていたリーネの心をゆっくりと溶かしていきます。
やがて、国難を前に王都から使者が訪れ、「再び聖女として戻ってこい」と告げられたとき——
リーネが選ぶのは、きらびやかな王宮か、それとも鉄音の響く小さな家か。
理不尽な追放と婚約破棄から始まる物語は、
「大切にされなかった記憶」を持つ読者に寄り添いながら、
自分で選び取った居場所と、静かであたたかな愛へとたどり着く物語です。
【完結】捨てられた聖女は王子の愛鳥を無自覚な聖なる力で助けました〜ごはんを貰ったら聖なる力が覚醒。私を捨てた方は聖女の仕組みを知らないようで
よどら文鳥
恋愛
ルリナは物心からついたころから公爵邸の庭、主にゴミ捨て場で生活させられていた。
ルリナを産んだと同時に公爵夫人は息絶えてしまったため、公爵は別の女と再婚した。
再婚相手との間に産まれたシャインを公爵令嬢の長女にしたかったがため、公爵はルリナのことが邪魔で追放させたかったのだ。
そのために姑息な手段を使ってルリナをハメていた。
だが、ルリナには聖女としての力が眠っている可能性があった。
その可能性のためにかろうじて生かしていたが、十四歳になっても聖女の力を確認できず。
ついに公爵家から追放させる最終段階に入った。
それは交流会でルリナが大恥をかいて貴族界からもルリナは貴族として人としてダメ人間だと思わせること。
公爵の思惑通りに進んだかのように見えたが、ルリナは交流会の途中で庭にある森の中へ逃げてから自体が変わる。
気絶していた白文鳥を発見。
ルリナが白文鳥を心配していたところにニルワーム第三王子がやってきて……。
聖女追放 ~私が去ったあとは病で国は大変なことになっているでしょう~
白横町ねる
ファンタジー
聖女エリスは民の幸福を日々祈っていたが、ある日突然、王子から解任を告げられる。
王子の説得もままならないまま、国を追い出されてしまうエリス。
彼女は亡命のため、鞄一つで遠い隣国へ向かうのだった……。
#表紙絵は、もふ様に描いていただきました。
#エブリスタにて連載しました。
金喰い虫ですって!? 婚約破棄&追放された用済み聖女は、実は妖精の愛し子でした ~田舎に帰って妖精さんたちと幸せに暮らします~
アトハ
ファンタジー
「貴様はもう用済みだ。『聖女』などという迷信に踊らされて大損だった。どこへでも行くが良い」
突然の宣告で、国外追放。国のため、必死で毎日祈りを捧げたのに、その仕打ちはあんまりでではありませんか!
魔法技術が進んだ今、妖精への祈りという不確かな力を行使する聖女は国にとっての『金喰い虫』とのことですが。
「これから大災厄が来るのにね~」
「ばかな国だね~。自ら聖女様を手放そうなんて~」
妖精の声が聞こえる私は、知っています。
この国には、間もなく前代未聞の災厄が訪れるということを。
もう国のことなんて知りません。
追放したのはそっちです!
故郷に戻ってゆっくりさせてもらいますからね!
※ 他の小説サイト様にも投稿しています
【完結】 私を忌み嫌って義妹を贔屓したいのなら、家を出て行くのでお好きにしてください
ゆうき
恋愛
苦しむ民を救う使命を持つ、国のお抱えの聖女でありながら、悪魔の子と呼ばれて忌み嫌われている者が持つ、赤い目を持っているせいで、民に恐れられ、陰口を叩かれ、家族には忌み嫌われて劣悪な環境に置かれている少女、サーシャはある日、義妹が屋敷にやってきたことをきっかけに、聖女の座と婚約者を義妹に奪われてしまった。
義父は義妹を贔屓し、なにを言っても聞き入れてもらえない。これでは聖女としての使命も、幼い頃にとある男の子と交わした誓いも果たせない……そう思ったサーシャは、誰にも言わずに外の世界に飛び出した。
外の世界に出てから間もなく、サーシャも知っている、とある家からの捜索願が出されていたことを知ったサーシャは、急いでその家に向かうと、その家のご子息様に迎えられた。
彼とは何度か社交界で顔を合わせていたが、なぜかサーシャにだけは冷たかった。なのに、出会うなりサーシャのことを抱きしめて、衝撃の一言を口にする。
「おお、サーシャ! 我が愛しの人よ!」
――これは一人の少女が、溺愛されながらも、聖女の使命と大切な人との誓いを果たすために奮闘しながら、愛を育む物語。
⭐︎小説家になろう様にも投稿されています⭐︎
裏切られた氷の聖女は、その後、幸せな夢を見続ける
しげむろ ゆうき
恋愛
2022年4月27日修正
セシリア・シルフィードは氷の聖女として勇者パーティーに入り仲間と共に魔王と戦い勝利する。
だが、帰ってきたセシリアをパーティーメンバーは残酷な仕打で……
因果応報ストーリー
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる