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「どうでしょう?」
「いやあ~~~ん! すっごく綺麗!」
ウェディングドレス姿で振り返る私に、満面の笑みを向けてくれる、キャンベル侯爵夫人。
「よかったです。なかなかフィッティングに来れなくて、すいません」
「そんなの気にしないでちょうだい! クロエちゃん、忙しかったんだから、仕方ないわよ! さて……次はこっちの試してみましょうか? あと6着あるけど、大丈夫? 疲れてない?」
「……はい」
本当に嬉しそうな顔。その中でも、私への気遣いを忘れない姿に……心があたたかくなる。
お手伝いをしますと申し出てくれた式場のスタッフさんに『私がやります』と申し出た母は、試着室のカーテンをしめてから、私の背中のファスナーに、手を掛ける。
「本当に嬉しいわぁ~っ。あの小さかったクロエちゃんの、花嫁姿が見れる日が来るなんて!」
「……こんなに長い間、お待たせしてしまって、申し訳ないです」
ティリアンが警察職員として一人前になったら、籍を入れる。
その約束だったのに……何かと理由を付けては、先延ばしにしてしまった。
「なぁに言ってるの! 今の時代、結婚適齢期なんて無いわよ。それに、お仕事で充実しているクロエちゃんを見るのも嬉しかったわ! 要はね、あなたが幸せならなんだっていいのよ! 結婚してもしなくても……その相手が、ティリアンじゃなくても」
ハッとして、含みのある言い方をする夫人を、鏡越しに見る。
「侯爵夫人……」
「お母さん、でしょ? お母さんね、なんとな~く、分かってたのよ。クロエちゃんのティリアンへの気持ちは家族としてのものなんだろうな~って。それでも、お父さんが盛り上がっちゃってたものだから……結婚の話を止められなくて、ごめんなさいね?」
局長に就任して以来、忙しくてちっとも実家には帰ってなかったのに。それでも、私の心を透かし見る事が出来ている母に、驚いてしまう。……と、同時に、大きな罪悪感が襲ってきて。
「違うんです、大丈夫。私はちゃんとティリアンの妻になります」
「そうすれば、私達に恩返しできるから? ずっとそばにいられるから? ん~、でもそれ、実はお母さん的に微妙なのよね」
若い女子学生のように人差し指を口元にあて、首をひねる母。目を瞬かせてしまう。
「微妙……というと?」
「だって、ティリアンは私の息子じゃない? で、クロエちゃんは私の娘じゃない? お母さん的にはさ、姉と弟が結婚するみたいで、ちょっと変な感じなのよ。だから……クロエちゃんに他にいい人がいるなら、むしろその方がすっきりっていうか……」
「……お母さん……でも……」
戸惑う私に構う事無く、母はドレスを私の足元までおろし、代わりに元来ていた服を差し出してくれた。
「そんなわけで、はい! 行ってらっしゃい、クロエちゃん! お母さん達に遠慮する必要なんて少しもないんだから」
綺麗に畳まれた、私の服。
母を亡くして、毎日泣いていたあの頃……。
私のお母さんは、お母さんだけだと……憎まれ口をたたいて、拒絶した日々。
そんな毎日でも、私の部屋のベッドの上には……いつも綺麗に畳まれた服が、置かれていた。
「お母さんは……どうして、貴族の奥方様なのに……私の服を、毎日洗って、乾かして、畳んでくれたんですか? お手伝いさんに……任せたりせずに」
「ええ? そんなの、昔の事すぎて覚えてないけど……そうしたら、クロエちゃんのお母さんになれると思ったのかしら? ふふ、私、可愛いでしょう?」
そう言って、飾り気なく笑う母を……私は、抱きしめた。
「お母さん……っ、ありがとう……お母さんがお母さんになってくれて……私は……本当に……っ」
「やだ! そんな事言われると、お母さんまで泣けて来ちゃう! 今日のマスカラ、安いやつだから、勘弁してちょうだいよ~」
声を出して笑いながら、母もまた、私を強く抱きしめてくれた。
来ているのはペチコートだけなのに……不思議と、少しも寒くなかった。
「行ってきます!」
服を着て、カーテンを開けると……そこにはティリアンが立っていて。
「……ティリアン」
「クロエ……ごめん。母さんとの会話、聞こえちゃって……」
気まずそうに、指先で頬をかく。いつもの、穏やかな笑みを携えながら。
「ティリアン、ごめんなさい、私、やっぱり……」
「いや、俺こそごめん! 実は俺も母さんと一緒で……ちょっと微妙だなって思ってたところで……」
「はい?」
顔の前で、拝むように両掌を会わせる婚約者に、驚いてしまう。
「クロエとは夫婦っていうよりも……家族として過ごしていきたいっていうか……だから、もし間に合うなら、フレンともう一度話してみたらどうかな?」
「……ティリアン……」
少し困ったような、笑顔。本当に……本当に?
胸の内側が、申し訳ない位に期待で膨らんだ。
「わかりましたっ、ありがとうございます!」
軽くハグをしてから、私は駆け出した。
前より、早く走れない。あの時……私の魔力の半分以上を、フレンに渡してしまった。私はもう……最強ではなくなってしまったのだ。
「今の私でも……いいのでしょうか……」
息を弾ませながらエレベーターを待っている間、不安になって、呟く。
彼は、私が最強だから……魅かれたのかもしれない。
誰からも頼られる局長だから、自分だけのものにしたくなったのかもしれない。
だから……こうなった私にはもう……。
胸の鼓動が早くなる。それは、足りない力で疾走したからなのか、まだ来ないエレベーターに、焦燥感が募っているせいなのか。……きっと、そのどちらでもない。
「あ……っ、荷物……っ」
うるさい左胸のあたりを押さえた時、手持ち無沙汰に気付いた。
慌てていたせいで、バッグを試着室に忘れてきてしまったのだ。
「ああもう……っ」
急いで、来た道を引き返す。
着の身着のままで、フレンの元に駆け付ける方がドラマティックなのかもしれないけれど……普通に、不便だ。スマホも財布も……リップも、無いのは。
「ごめんなさいっ、私、忘れ物を……っ」
試着室に駆けこもうとした私は、ハッとして口をつぐんだ。
中で話す、ティリアンと母の声が聞こえたのだ。
「ティリアン……あなた、本当に良い男になったわね」
「……いやいや。母さんこそ……。俺とクロエが結婚すれば、ずっとクロエのそばにいられたのに……ごめんな」
「謝る事なんてないわよ。息子が歯を食いしばって、長年思い続けた女の子を送り出そうとしてるのに、お母さんが駄々こねたらおかしいじゃない」
優しい声で紡がれる会話に、胸が締め付けられたように、痛む。
「ありがとう……でも……クロエ、大丈夫かな? あいつとうまくいったら、遠慮して、うちに帰りにくくなったりしないかな……」
「なぁに言ってるの! そうならないよう、私達はずっと家族! ずっと一緒! ずっと愛してる! って伝え続けるのが、私達の役目じゃないの!」
そう言う、母の笑い声が聞こえた瞬間に……もう、たまらなくなって。
「お母さん……! ティリアン!」
「え!? クロエちゃん!?」
私は勢いよく、二人に抱きついた。
「クロエ……!? え!? やっぱり俺を……!?」
「それは違うの、ごめんなさいティリアン!」
一瞬瞳を輝かせたティリアンの希望を、容赦なく打ち砕く私に……母は、声を挙げて笑った。
「あはは! もう! クロエちゃん相変わらず天然!」
「お母さん、ありがとう……っ、ティリアン、ありがとう……! 大好きです! 二人共、お父さんも、本当に本当に大好き……私の自慢の家族です!」
天国のお母さんの愛情と魔力が、私を生み……もう一人のお母さんと、お父さんと、ティリアンのぬくもりが……今の私を作った。
「俺も同じ気持ちだよ。クロエ……ありがとう。母さんも……俺とクロエの母さんでいてくれて、ありがとう……」
「もう! うう……だから今日、安いマスカラなんだってばぁあ~……!」
私達は、その後しばらくの間……抱き合って、泣き続けた。
頬を伝う涙がこんなにも温かく感じるのは、生まれて初めてで……そのぬくもりは、私にありのままの私で、彼の元へ向かう勇気をくれた。
「いやあ~~~ん! すっごく綺麗!」
ウェディングドレス姿で振り返る私に、満面の笑みを向けてくれる、キャンベル侯爵夫人。
「よかったです。なかなかフィッティングに来れなくて、すいません」
「そんなの気にしないでちょうだい! クロエちゃん、忙しかったんだから、仕方ないわよ! さて……次はこっちの試してみましょうか? あと6着あるけど、大丈夫? 疲れてない?」
「……はい」
本当に嬉しそうな顔。その中でも、私への気遣いを忘れない姿に……心があたたかくなる。
お手伝いをしますと申し出てくれた式場のスタッフさんに『私がやります』と申し出た母は、試着室のカーテンをしめてから、私の背中のファスナーに、手を掛ける。
「本当に嬉しいわぁ~っ。あの小さかったクロエちゃんの、花嫁姿が見れる日が来るなんて!」
「……こんなに長い間、お待たせしてしまって、申し訳ないです」
ティリアンが警察職員として一人前になったら、籍を入れる。
その約束だったのに……何かと理由を付けては、先延ばしにしてしまった。
「なぁに言ってるの! 今の時代、結婚適齢期なんて無いわよ。それに、お仕事で充実しているクロエちゃんを見るのも嬉しかったわ! 要はね、あなたが幸せならなんだっていいのよ! 結婚してもしなくても……その相手が、ティリアンじゃなくても」
ハッとして、含みのある言い方をする夫人を、鏡越しに見る。
「侯爵夫人……」
「お母さん、でしょ? お母さんね、なんとな~く、分かってたのよ。クロエちゃんのティリアンへの気持ちは家族としてのものなんだろうな~って。それでも、お父さんが盛り上がっちゃってたものだから……結婚の話を止められなくて、ごめんなさいね?」
局長に就任して以来、忙しくてちっとも実家には帰ってなかったのに。それでも、私の心を透かし見る事が出来ている母に、驚いてしまう。……と、同時に、大きな罪悪感が襲ってきて。
「違うんです、大丈夫。私はちゃんとティリアンの妻になります」
「そうすれば、私達に恩返しできるから? ずっとそばにいられるから? ん~、でもそれ、実はお母さん的に微妙なのよね」
若い女子学生のように人差し指を口元にあて、首をひねる母。目を瞬かせてしまう。
「微妙……というと?」
「だって、ティリアンは私の息子じゃない? で、クロエちゃんは私の娘じゃない? お母さん的にはさ、姉と弟が結婚するみたいで、ちょっと変な感じなのよ。だから……クロエちゃんに他にいい人がいるなら、むしろその方がすっきりっていうか……」
「……お母さん……でも……」
戸惑う私に構う事無く、母はドレスを私の足元までおろし、代わりに元来ていた服を差し出してくれた。
「そんなわけで、はい! 行ってらっしゃい、クロエちゃん! お母さん達に遠慮する必要なんて少しもないんだから」
綺麗に畳まれた、私の服。
母を亡くして、毎日泣いていたあの頃……。
私のお母さんは、お母さんだけだと……憎まれ口をたたいて、拒絶した日々。
そんな毎日でも、私の部屋のベッドの上には……いつも綺麗に畳まれた服が、置かれていた。
「お母さんは……どうして、貴族の奥方様なのに……私の服を、毎日洗って、乾かして、畳んでくれたんですか? お手伝いさんに……任せたりせずに」
「ええ? そんなの、昔の事すぎて覚えてないけど……そうしたら、クロエちゃんのお母さんになれると思ったのかしら? ふふ、私、可愛いでしょう?」
そう言って、飾り気なく笑う母を……私は、抱きしめた。
「お母さん……っ、ありがとう……お母さんがお母さんになってくれて……私は……本当に……っ」
「やだ! そんな事言われると、お母さんまで泣けて来ちゃう! 今日のマスカラ、安いやつだから、勘弁してちょうだいよ~」
声を出して笑いながら、母もまた、私を強く抱きしめてくれた。
来ているのはペチコートだけなのに……不思議と、少しも寒くなかった。
「行ってきます!」
服を着て、カーテンを開けると……そこにはティリアンが立っていて。
「……ティリアン」
「クロエ……ごめん。母さんとの会話、聞こえちゃって……」
気まずそうに、指先で頬をかく。いつもの、穏やかな笑みを携えながら。
「ティリアン、ごめんなさい、私、やっぱり……」
「いや、俺こそごめん! 実は俺も母さんと一緒で……ちょっと微妙だなって思ってたところで……」
「はい?」
顔の前で、拝むように両掌を会わせる婚約者に、驚いてしまう。
「クロエとは夫婦っていうよりも……家族として過ごしていきたいっていうか……だから、もし間に合うなら、フレンともう一度話してみたらどうかな?」
「……ティリアン……」
少し困ったような、笑顔。本当に……本当に?
胸の内側が、申し訳ない位に期待で膨らんだ。
「わかりましたっ、ありがとうございます!」
軽くハグをしてから、私は駆け出した。
前より、早く走れない。あの時……私の魔力の半分以上を、フレンに渡してしまった。私はもう……最強ではなくなってしまったのだ。
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息を弾ませながらエレベーターを待っている間、不安になって、呟く。
彼は、私が最強だから……魅かれたのかもしれない。
誰からも頼られる局長だから、自分だけのものにしたくなったのかもしれない。
だから……こうなった私にはもう……。
胸の鼓動が早くなる。それは、足りない力で疾走したからなのか、まだ来ないエレベーターに、焦燥感が募っているせいなのか。……きっと、そのどちらでもない。
「あ……っ、荷物……っ」
うるさい左胸のあたりを押さえた時、手持ち無沙汰に気付いた。
慌てていたせいで、バッグを試着室に忘れてきてしまったのだ。
「ああもう……っ」
急いで、来た道を引き返す。
着の身着のままで、フレンの元に駆け付ける方がドラマティックなのかもしれないけれど……普通に、不便だ。スマホも財布も……リップも、無いのは。
「ごめんなさいっ、私、忘れ物を……っ」
試着室に駆けこもうとした私は、ハッとして口をつぐんだ。
中で話す、ティリアンと母の声が聞こえたのだ。
「ティリアン……あなた、本当に良い男になったわね」
「……いやいや。母さんこそ……。俺とクロエが結婚すれば、ずっとクロエのそばにいられたのに……ごめんな」
「謝る事なんてないわよ。息子が歯を食いしばって、長年思い続けた女の子を送り出そうとしてるのに、お母さんが駄々こねたらおかしいじゃない」
優しい声で紡がれる会話に、胸が締め付けられたように、痛む。
「ありがとう……でも……クロエ、大丈夫かな? あいつとうまくいったら、遠慮して、うちに帰りにくくなったりしないかな……」
「なぁに言ってるの! そうならないよう、私達はずっと家族! ずっと一緒! ずっと愛してる! って伝え続けるのが、私達の役目じゃないの!」
そう言う、母の笑い声が聞こえた瞬間に……もう、たまらなくなって。
「お母さん……! ティリアン!」
「え!? クロエちゃん!?」
私は勢いよく、二人に抱きついた。
「クロエ……!? え!? やっぱり俺を……!?」
「それは違うの、ごめんなさいティリアン!」
一瞬瞳を輝かせたティリアンの希望を、容赦なく打ち砕く私に……母は、声を挙げて笑った。
「あはは! もう! クロエちゃん相変わらず天然!」
「お母さん、ありがとう……っ、ティリアン、ありがとう……! 大好きです! 二人共、お父さんも、本当に本当に大好き……私の自慢の家族です!」
天国のお母さんの愛情と魔力が、私を生み……もう一人のお母さんと、お父さんと、ティリアンのぬくもりが……今の私を作った。
「俺も同じ気持ちだよ。クロエ……ありがとう。母さんも……俺とクロエの母さんでいてくれて、ありがとう……」
「もう! うう……だから今日、安いマスカラなんだってばぁあ~……!」
私達は、その後しばらくの間……抱き合って、泣き続けた。
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