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17.形状記憶を呼び起こしたいなど烏滸がましいね。

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「やだっ、離して」
「絶対に嫌だ」

 言葉だけの抵抗など、何も意味がなかった。奥の方からじんじんと痺れだす熱のせいで、ジェリアの手足など蚊蜻蛉並の力しか出ない。
 駄目だ。こんなにも、体はエリオードを求めてしまっている。かつての愛し合った記憶が、エリオードを純粋に欲していた。

「ジェリア、愛してる」
「やだ……」

 額に口づけられ、またそこから熱。泣いてしまいそうにすらなる。
 エリオードはより木々が深まっている地点までジェリアを運ぶと、そっと草地に降ろした。頬を赤く染め息を荒げているジェリアを、エリオードは心底愛おしそうに眺める。そのまま、覆い被さった。

「エリオード、駄目。本当に」
「大丈夫、ここは全然人が来ないから」
「そういう意味じゃっ、あっ」

 エリオードの手が、ジェリアの細い首に触れる。そのまま、耳元へと指を這わせた。それだけで達してしまいそうな程の、電撃。瞳に涙を浮かべるジェリアに「可愛い」と囁きながら、エリオードは空いた手でジェリアの腰に触れた。そのまま指をつっと……下腹部に這わせ、服越しに子宮を押した。

「っ!」

 直接的な刺激ではない。しかしそれはジェリアを今から犯すというれっきとした予告であり、その予感はジェリアの脳を一気に撃った。エリオードはジェリアの唇に軽く口づけてから、服越しに両手でジェリアの胸元に触れた。そして、鷲掴みにする。

「あ、あっ」
「前は全然触れなかったからっ……、今日はいっぱい可愛がるからな」
「やめ、ああっ」

 エリオードの手から溢れる程の大きな乳房を、エリオードは何度も揉み込む。しかし力強くはなく、ただなぞる延長のような仕草だ。どこかもどかしさすら感じて、ジェリアは固く目をつむる。
 そして、先端に触れた。

「ああっ!」
「はは、待ってた?」

 エリオードの指先が、一枚の布越しに先端を細かく擦りだす。その唐突な刺激に、ジェリアは泣きだしそうになっていた。

「エリオード、やだっ、やめてっ」
「駄目」

 エリオードはジェリアの着ているワンピースを襟からずらし、開いた胸元から手を入れ片方の乳房をぼろん、と露出させる。真っ白な肌に、先端は杏に赤みをさしたかのように充血していた。

「やば……久々」
「やめ、見ないでっ」

 手で覆いたいのに、瞬時にエリオードに両手首を掴まれた。彼は荒い息のまま、ジェリアの胸元を凝視していた。そして、そのまま。

「ひゃ、う」

 エリオードの舌が、ジェリアの先端に触れる。かと思えば、彼は我慢の糸が切れたのか一気に乳房ごと口に含んだ。こそばゆいぬめりが、全身まで這ってくる。

「や、あう、それっ」
「乳首好きだもんな、ジェリア。可愛い」

 まるで愛でるかのように舌で転がしながら、エリオードは囁く。ぼた、とエリオードの唾液がジェリアの谷間にこぼれた。その感触すら、もはや刺激だった。
 舌で乳房を突いては揺らし、汚す。ジェリアの先端は吸われてすらいないもう片方まで疼きだしていた。エリオードはもう片方の乳房も襟から露わにさせると、そちらも口に含んだ。

「あっ、ああっ……」
「他の男とは、してないよなっ……?」
「し、てなっ」

 エリオードと別れてからは、確かに一切無かった。しかしその答えは、エリオードを大変喜ばせてしまったらしい。

「ジェリアみたいな美人が、言い寄られないわけないだろ。断り続けてたのか? 俺のために」

 首を振る。単に機会が無かっただけだ。それでもエリオードは勝手に勘違いしたのか「俺もだよ」と囁いてきた。そんなわけ、ないだろうに。
 手首を解放された。しかしそれは自由にされただけではなかった。彼の両手は乳房に移動し、ジェリアの双丘をむにゅりと寄せると……両方の先端を、一気に口に含んだ。

「やっ、だめだめっ、それ」
「ん、んんっ……あー、しあわせ……んっ」

 勃起した小さな先端がエリオードの舌によってこねくりまわされていく。口で先端をしっかり離さないように吸いながら、片手でジェリアの口を塞いだ。漏れだす声の予防なら、もう手遅れだろうに。
 エリオードの腰は、ゆさゆさと勝手に揺れていた。きっと……入ってきたくて仕方ないのだろう。駄目だ、これでは前回と同じになる。

「ん、んんっ……!」
「おいしい、ジェリア。ずっと変わらないな」

 耳を甘噛みされながら囁かれ、力を抜き取られていく。そしてやっと気づいた。エリオードの手が、ジェリアの下着にかかっている。止める前に、引き剥がされた。

「はは、びしょびしょ」
「み、見ちゃやだっ」

 ほんの小さな隙間から生まれた声など、簡単に無視された。彼は器用にジェリアの両膝の裏を片手で押し上げながら、露出された秘部をじっくり眺める。柔らかな陰毛はわずかしか生えていないせいで、割れ目が完全に露出してしまっている。
 エリオードは「声、我慢出来るな?」と囁くと、ジェリアの口から手を離した。そのまま両手でそれぞれの足を掴み、ジェリアの足を完全に開かせる。割れ目がより広がって……ジェリアの膣口が、わずかに開けた。

「やらしい……やらし過ぎる、すごい……」

 羞恥で泣きそうになるが、もはやどうする事も出来なかった。未だに余韻の残る快感のせいで、体に力が全然入らない。声を上げる事すらかなわなかった。
 エリオードは口元をジェリアの秘部に近付けると、舌を伸ばした。何をされるのか理解し、咄嗟に足を閉じようとするが手遅れだった。彼の舌が、ジェリアの陰核に触れた。

「っ!!」

 声にすらならなかった。エリオードの舌は、一瞬にしてジェリアの膨らんだ陰核にまとわりつく。そのまま、奥から手前へ、手前から奥へ、とまるで磨くかのように彼はねぶり回す。

「はっ、はっ、ああっ」

 必死に声を抑えるジェリアよりも、エリオードの喘ぎの方から響く程だった。
 しっかり充血して膨らみきった陰核を味わい尽くしたのか、彼は舌を入り口に沿わせる。そして、そのまま。

「ひゃうっ!」

 ずぶり、と彼の舌が入り込んできた。その刺激があまりにも強すぎて、全身の筋肉が硬直する。そんなジェリアの太股に跡がつく程の強さで指を食い込ませながら、エリオードはジェリアの内部を掻き回していく。そんな彼の腰は、相変わらず揺れていた。
 ジェリアは襲いかかってくる快楽の波に声を上げてしまいそうになるのを必死に耐えながら、ぷるぷると震えていた。舌の動きは時折止まるものの、その度にエリオードがづるるる、と愛液をすする下品な音が聞こえてくる。

「すご……めちゃくちゃ濡れて、あー……美味いよ……」

 口の端から涎を垂らしながら、エリオードは呟いてくる。そんな彼をぽろぽろ涙をこぼしながら見つめていると、彼は幸せそうに笑った。

「満足出来た?」

 とんでもない、意地悪だ。
 エリオードの舌で下半身はとろけきっていて、もう簡単には動けない。しかし、まだ……届いていない。それをきっと彼も分かっている。そして彼自身も限界のはずだ。膨らみが見える。
 そしてジェリアも、負けてしまった。

「……すぐに、終わらせてっ……」

 せめてもの悪足掻きだった。
 エリオードから一瞬表情が消えた。と言うよりは、移行しただけだった。その瞳は完全に野獣のものと化していた。
 彼は勢いよく跳ねさせながら、その雄を飛び出させる。そして、ジェリアの反応を見るよりも先に突き刺した。

「~~~~っ!!!」

 子宮が喜んでいるのが分かる。口をぱくぱくさせ酸素を欲しがるジェリアの口に、エリオードは涎を落とした。彼は、震えてはいても一切腰を動かさない。

「は、あっ、あっ」

 動かされてすらいないのに、その存在感だけで膣から快感が襲ってくる。エリオードは息を荒げたまま、ジェリアを無言で見下ろしていた。それが何故だか分からず、ジェリアは「エリオード……?」と呟く。すると。

「ジェリア、愛してる」

 そうとだけ囁いて、一気に奥に。その予想していなかった刺激に、声を上げてしまう。

「愛してる愛してる愛してるっ、あっあっあっあっ! はあ、すごっ! きつすぎっ」
「や、ああっ、だめ、急にっ」

 痛みとは違う、それでも火傷してしまいそうな熱。

「ほら、今ので思い出したろ? 俺の形っ、あっ、ああっ! この間は形、最初のに戻ってたもんなっ?」
「そ、そんな事っ」

 エリオードは突きながらジェリアの乳房を鷲掴みし、涎をぼたぼたと垂らしていた。その本能に突き動かされている様子は、本当に獣だった。

「分かってる、ずーっと誰ともしてなかったんだろ? 俺のこれっ、ずっと待ってたんだろっ?」

 違う、と否定出来なかった。そうだ、欲しがっていた。愛している男に、犯されたかった。
 封じ込めていたはずなのに、無理矢理こじ開けられる。

「あーっ気持ちいいよジェリア……俺専用の体だからなっ、俺だけだからなっ……これからもずっと、ずっと……!」
「やあ、あっあっ、深い、あああっ!」
「好きだ、っ好きだジェリア!」

 エリオードの腰がどんどん速くなる。ただでさえ顔に似合わず凶悪な大きさなのに、そんなに突き込まれてしまっては。ジェリアの愛液をぐちゃぐちゃと掻き混ぜながら、内部をとにかく擦り上げる。

「ほら、キスしてっキスキス」
「んっ」

 唇を重ね合わせながら、エリオードは尚奥に突き込まれる。正直ジェリアの理性は、限界だった。
 意識するよりも早く、逃げ場の無い快感が脳を沸騰させる。全身の筋肉が一気に硬直した。そして、それを受けてエリオードも声を漏らす。

「あ、イく!」

 エリオードは悔しそうな顔をしながら、ジェリアから肉棒を引き抜いた。そのまま、地面に白濁をまき散らす。今までに無い程の量だった。
 息を整えながら、エリオードはジェリアを見た。ジェリアは荒い息のまま、火照った顔でとろけきっていた。
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