勿忘草は、ノスタルジアな潤愛に乱れ咲く

奏多

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3.ブーゲンビリアは、あなたしか見えないと咽び泣く

苦渋の決断

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 ゆらりと静かに立ち上がった真宮は、その長身で街灯を背にした。
 闇が広がった瞬間、香乃は怖じ気づいたように、じりと後退する。

 真宮の表情が闇に消え、彼がなにを考えているのかわからず、怖い。
 ただひたすら怖い。
 まるで闇の中で、ひたひたと忍び寄る足音のように。

 心臓がばくばくし、気の利いた台詞のひとつも出てこない。
 香乃は逃げだそうとした。
 逃げなければいけないと思った。

 だが――。

「駄目です、行かせません」

 真宮が、香乃の手首を掴むと、後ろから香乃を抱きしめた。

「俺から離れるな」

 強い語調に、香乃の身体が痺れて縛される。
 それは拘束というよりは、あまりに切ない懇願で。

「ど、どうしてここに……」

 ようやく出て来た言葉は、彼の言葉を受けたものではなかった。
 真宮の直情からそらすように、香乃は震えた声を発する。

 真宮が、熱い。
 真宮に触れられた身体が、熱い。
 服を着ているのに、熱くてたまらない。

「真宮の……力を使いました」
「使いましたって……」

(真宮HD、怖! 真宮SKストーキングスって名前を変えた方がいいんじゃ?)

「そうでもしないと、あなたが永遠に俺の前から姿を消しそうな気がして」
「……っ」
「あのアレンジメント、あれは別れのものだったんでしょう? 金曜日は行かないと、俺に抱かれる気はないと……だから、あなたは舞台から下りて代役をたてた。違いますか?」

 ああ、聡いひとは本当に嫌だ。
 どんな苦渋の決心も、彼が言えば簡単なものに思えてくる。

「おわかりなら、わざわざご足労頂いたところで……」
「……本当にあなたは頑固ですね」
「あなたほどではないかと思うんですが」
「いいえ。俺以上です」

 そんな会話をしながら、香乃は巻き付けられた真宮の手を外そうとしているのだが、外せない。
 意固地になって、手の甲を抓ったり足を踏みつけたりしてみたが、それでも無理だ。
 むしろ抱擁がきつくなっている気がする。

(く……。護身術に長けた彼を振り切る術はないのかしら)

「あなたがいなくなるくらいなら、あなたを抱かなくてもいい」

 ずきんと、胸の奥が痛む。

「だから、俺の傍にいて欲しい。俺だけを見ていて欲しい」

 鼻の奥が熱くつんとなる。
 厳重に封じたはずなのに、簡単に込み上げてくる想いに……泣き出しそうだ。
 別れのアレンジメントを渡したのに、なにひとつ消化出来ていない。
 九年前のことのように、すっきりとなどなっていなかった。

 現在進行形で、やはり香乃の心は真宮に向けて息づいているのだ。
 渦巻く想いが、ただ荒れ狂って苦しいだけで。

「総支配人、わたしは恋人がいるんです。彼と別れる気はありません……」

(お願いだから帰って。もう現れないで)

 ワタシヲウバッテ。
 アナタトフタリダケノセカイニツレテイッテ。
 
「ブーゲンビリアの花言葉」

 不意に真宮が言う。

「『あなたしか見えない』」

 心臓をぎゅっと鷲づかみにされたような衝撃が、香乃を襲う。

(知っていたの? 勿忘草は想像ついても、大体、花言葉自体を……知らないんじゃ……)

 そう。
 香乃が忍ばせた、赤いブーゲンビリアの花言葉は『あなたしか見えない』。

 暴かれてしまった。
 香乃の秘やかな想いが、彼に。

「ぐ、偶然です。それにあれはわたしが作ったんじゃ……」
「あなたは、アレンジメントをする時に、花言葉で伝えたい花を一輪だけ挿す。しかも傷がつかないようにと、ブーゲンビリアの棘を抜いていました」
「ど、どうしてあなたが花言葉だけではなく、わたしのアレンジを……」

 香乃は思わず自分が作ったのだと、認めてしまった。
 はっとした香乃の肩に、うしろから真宮の顔が埋められる。
 耳元に熱い息を感じて、香乃の身体が熱く蕩けそうになった。

「すみません。俺……ある程度の花言葉を知っています」
「はい!?」

 花言葉を知らないから、だからホテルの花を見てくれと、そう言ったではないか。

「姑息な手段を使いました。あなたとの接点が欲しくて……」

 そう言うと、真宮の力が無くなり、ずるりと香乃に身体を凭れさせてくる。

「総支配人?」

 熱い。
 確かに真宮は、最初から熱かった。

 それは自分も発熱しているからだと思っていた香乃は、力が緩んだ隙に身体の向きを変え、真宮の額に手をあてる。

「熱っ! 凄い高熱出しているじゃないですか! いつからいたんですか、ここに!」
「七時……」
「今十一時過ぎですよ!?」

 香乃の口調が段々ときつくなってしまう。

(救急車を呼ぶ? でも……待っている間に身体を外気にあてたらますます悪いわ。とにかく身体を暖めて、そこから判断しても……)

「早く……会いたかったんです」

 切ないその声に、香乃の心が甘く痺れる。
 だが香乃は、振り切るように声を荒げた。

「……っ、わたしが今夜も実家に泊まっていたらどうしてたんですか、あなたは!」
「泊まりません」
「なぜ、断言出来るんです!」
「……牧瀬さんに、難問、押しつけました。裏方で、あなたも残業して仕事をするはずだから。そんな状態では会社からは遠い実家には帰らないと思って……」

 つまり、残業をしていると見越したから、七時からいたのだ。
 ……香乃にとって残業帰りは十時過ぎになることが多いが、それはあえて黙っておいた。

「実家まで調べたんですか!?」
「名刺を……もらった、ので……」

 真宮はふらりと身体を傾かせ、香乃がそれを支えた。

「すみません。頭がぼうっとして、おかしなことを口走りそうなので、また明日の朝、出直してきます……」

(出直されても困るけれど、その状態で帰る!?)

 タクシーに乗せたところで、彼は行き先を言えるだろうか。
 タクシーに香乃も乗り込むのも手だが、目の前は彼女の家がある。
 そう、彼がすぐに身体を休められる場所が、すぐそこにあるのだ。
 
 煩悶の末に、香乃は聞いてみた。

「総支配人は今、真宮の実家にお暮らしに?」
「いいえ……。ひとりで……」
「だったら看病してくれそうな方は?」
「いません……し、いりません。寝れば治ります……。それに……ちゃんと寒さも感じるから、大した熱ではないんだと……」
「それは高熱のための寒気です!」

 彼が家に戻れたところで、彼が倒れていても気づいてくれる人間がいないようだ。
 さらに……今日は寒い。玄関のドアを開けれなくて、外で寝込んでしまっていたら、確実に悪化してしまう。

 そうした恐れがあることをわかっていて、「お大事に。ではさようなら」と背を向けられるだろうか。

(く~!!)

「河原崎支配人はまだホテルに?」
「俺の代理を……」

(ああ、七時からここにいるとなれば、支配人が仕事をしているのか。だったら彼に、余計な心配はかけられない……)

 ホテルに帰すのも忍ばれる。
 となれば、選択肢はひとつだ。
 背を向けた男を家に入れたくないけれど、どうしても高熱を出している病人を放置出来ない。

 仕事の打ち合わせを兼ねた飲み会とはいえ、ビールを飲んで陽気に雑談もして無駄に時間をロスしてきたのだから余計、熱が出るまで待たせてしまった真宮への罪悪感が募るのだ。
 たとえ、予期せぬ待ち伏せだとしても。

「わたしに掴まって」
「蓮見、さん……?」
「とりあえずうちで暖まって下さい。解熱剤もあるので」
「だ、大丈夫。ひとりで帰れます」

 なぜか真宮は渋った。

「どうやって!」
「駅から電車で……」

 真宮の御曹司は、例えば実家から迎えにこさせるということは考えないのだろうか。
 随分と庶民的だと思いながら、香乃は冷然と言う。

「駅まで二十分かかりますけど」
「……。それくらい……」

 僅かな逡巡を見せて、病人が元気ぶる。

「無理ですって。夜風は身体に障りますから、早く」
「しかし、夜分遅くに女性のお宅にお邪魔するのは……」

 妙な遠慮を見せる真宮に、香乃は怒鳴った。

「四時間も堂々と待ち伏せしておいて、今さら邪魔もなにもありません!」
「しかし俺も男で……理性というものが……」

(渋る理由ってそれ!?)

「そんな元気があるなら、むしろびっくりです。こんな熱なら、頭痛も、全身の関節だってギシギシと痛いでしょうに」
「それほどでは……」

 どう見ても、辛そうだ。
 汗を吹き出して、碧眼が虚ろになりかけている。
 必死に正気を保って、元気ぶっているとしか香乃には見えない。

「それに、こっちだってこんな非常事態でもなければ、強制送還してますよ。あなた、ホテルに革命を起こす総支配人で、真宮の御曹司だってわかっていますか!?」

 すると真宮は小さく笑った。

「なにがおかしいんですか!」
「いえ……、勝手に来た俺のことで……真剣に必死になってくれているあなたが、可愛いなって」

 熱のせいで怠そうに、しかしそれが甘さを際立たせる。

(ときめくな、わたし!)

「放り出されたいんですか!? 帰りますよ、あなたを突き飛ばして!」
「いえ……お言葉に甘えさせて頂きます。正直、話すのもしんどくて……」
「当然でしょう!」

 真宮を支えながら、よろよろと香乃は歩く。

(なにが嬉しくて、決別した相手を家に連れ込まないといけないんだろう……)
 
 真宮をエレベーターに乗せ、香乃が複雑な思いのまま乱れた呼吸を整えていると、再び真宮が笑った。

「今度はなんで笑うんですか!?」

 ついつい、喧嘩腰に訊ねてしまう。

「いえ……。待っていてよかったなと……。あなたが俺と向き合ってくれているから……」

 どうして彼は、こんなに苦しげな中でそんなことを言うのだろう。
 熱に朦朧としながら、どうして香乃のことばかり考えるのだろう。

――誰もが、真宮穂積の腹の底を読めないと。父親ですら。

 ……どうして、わかりやすいほどに好意を伝える彼に、嬉しいと思ってはいけないのだろう。

「……っ、これであなたに万が一のことがあれば、わたし、河原崎支配人にどんな目に遭うかわかりませんから!」

 すると真宮は急に顔から笑みを消して、低く物騒なことを呟いた。

「……俺の許可なく勝手に距離を縮めている。奴をシメとこう」
「シメなくてもいいです! どうして支配人には凶暴なんですか!」

 なんとか会話で意識を保たせて、エレベーターを降りた香乃は、鍵を開けて1LDKの自室に運ぶ。

 本人は歩いているつもりなのだろうが、自力で立てれていない状態のため、香乃は肩で息をしながらずりずりと引き摺り、ベッドの上に横たえた。
 なんとか背広を脱がし、ネクタイを緩めて取り去る。
 ベルトもとった方がいいだろうが、そこまでは勘弁だ。
 荒い呼吸をしている真宮は苦しげな表情で、香乃を見つめていた。

 香乃は自宅にある救急セットを取り出すと、まずは電子体温計を真宮の口に差し込んだ。
 二度エラーとなり、三度目は三十九度八分という表示だった。
 あまりの熱の高さに、香乃は卒倒しかける。
 この温度でまだ悪寒があるのなら、熱はもっと高くなるかもしれない。
 
「氷……氷作っていたっけ」

 氷は大分前に作っていたものしかなく、しかも小さくなって変な匂いがしていたが、仕方がない。
 水枕の中に水と共に流し込み、タオルで巻いて真宮の頭の下に入れた。
 そして市販の解熱剤を、コップに入れた水と共に用意し、真宮の上体を少し起こすようにして飲ませようとした。

「総支配人、お薬です。これを飲んだら寝ていいですからね」

 真宮が熱に蕩けた顔を香乃に向けた。

 汗ばんだ肌と髪。
 とろりとした勿忘草の双眸。
 口から漏れる、乱れた吐息。

 真宮のすべてが扇情的で、香乃はたまらない気分になってくる。

(勘違いするな、わたしの身体! 錯覚、錯覚!)

「総支配人、あーんをして下さい」

 しかし彼は口を開かず、朦朧とした顔のまま、香乃を見つめるだけだ。

「お口を開けてください」

 彼の唇は開かない。
 仕方がなく香乃が身を乗り出すようにして、唇に指を軽く突っ込み、薬を落とそうとした瞬間だった。
 真宮の震えた声がした。

「……飲みたくない」

(お子ちゃまか!)

「熱が高いんです! ほら、あーん」
「飲めば、熱が下がれば、あなたはきっと……すぐに帰れと言う」

 勿忘草色の瞳は潤み、切なげにぎゅっと細められた。

「あなたはまた、俺に背を向けようと……するんでしょう?」

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