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第一章

お風呂にいれられてます①

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「身体が大丈夫なら、風呂に入って朝食にしようか」

 言われて、自分が空腹なのを思い出した。途端にお腹が鳴ってしまう。
 は、恥ずかしい!ハインリヒ様、笑ってるし!
 
 慌てて立ち上がろうとして、ぎょっとする。脚がガクガクして、へなへなとベッドの端に座り込んでしまった。
 ……これ、いわゆる、ヤりすぎて、腰に力が入らない…ってやつ…?
 
 ふわりと身体が持ち上がった。ハインリヒ様に抱き上げられて、また顔が真っ赤になってしまう。  

「ハインリヒさま…っ、大丈夫です、大丈夫ですからっ…時間掛ければなんとかっ…」

 だから下ろしてー。全裸でお姫様だっこはどうなの!?
 だけど、全く気にしてないのか、大股で歩き出してしまう。

「無理をさせたからな。すぐに慣れる」
 慣れる、って何?お姫様だっこ!?それとも…っ。少なくとも底なし絶倫様のお相手は身に余りますっ。

 抵抗しようにも力が入らないので、大人しく運ばれるがままだ。
 ベッドのある部屋の隣に浴室があって、中に入るとびっくりした。
 
 脱衣所には、いろいろな化粧品?が置かれていた。全部綺麗な形のガラス瓶に入っていて、多分そうだと思う。
 もっとびっくりしたのは浴室で、ちゃんとシャワーはあるし、浴槽はニ、三人は入れそうな大きさだ。脱衣所にドアがあったからそこはトイレだろうか。
 舐めてた。森でハインリヒ様が戦ったのは剣だったから、異世界は現代みたいに科学は発達してなくて、もっとこう、中世のヨーロッパ世界を想像しちゃってた。
 
 ハインリヒ様が洗い場まで移動して、私をシャワーのところで下ろしてくれる。足腰が立たないので座っている状態だ。あー、情けない。

「あ…自分でやります…」さすがに公爵と呼ばれている人にさせるわけにはいかないよね…。 
 でも、公爵はシャワーの湯温を調節して、石鹸を手に取ると泡立て始める。
「いいから任せなさい」

 そう言われて、たちまち私は薔薇の香りの泡まみれになった。全身触られたけど、手慣れ過ぎてて恥ずかしいと思う暇がない。
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