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2章 1人目の夫との出会い

探し求めていた番  side:アルフォンス

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ふと気になった新規のダンジョンに調査の名目で入る。


普段なら正直入らないだろう低級と予測されるダンジョンだが、今回は入った方が良いと何かが訴えて来ているようだった。


「本当に1人でいいのか?」


「ああ、この報酬じゃおまえと2人で受けたら赤字もいいとこだろ?」


「確かにそうだけどよぉ…」


「お前は他ので稼いどいてくれよ」


渋る友人を宥め、次の日の朝、日が登り始める時間には街をでた。
今回の調査対象のダンジョンまで歩いて3時間ほどだという話だ。
稼ごうと思うと泊まり必須の距離になる。


1人の移動だったので身体強化を使って1時間程で到着した。


マッピングのスキルでダンジョン内の地図を作りながら進んでいく。


「ふぅ…ここまでは初級のダンジョンって感じだな。ここまで辿りつける実力のあるヤツらにはちょうど良いレベルか……?」


途中のセーフティエリアで休憩を取りつつ、どう報告するか考える。



「っし、とりあえず行ける所まで行くか」


そしてまたどんどんと進んでいく。

階層によって環境の違うタイプのダンジョンのようで、下級の冒険者達にとっては準備が大変そうだ。



そしてたどり着いたボス部屋。
1度中を覗く。


「ボスが見えねぇ…ちっ…入ってみるしかないか」


外からボスが確認出来れば良かったのだか、それが出来なかったため慎重にボス部屋に入る。


入った途端に飛んでくる攻撃に内心焦る。


「ほぅ、今の攻撃を避けるか。少しは楽しめそうだな」


なんでこのレベルの魔物がここにいるんだ!!
くそっ…なんとかこの部屋から出る隙が作れるか…?


「ぐっ……ぁ……」


次々とくる攻撃を防ぐのが精一杯で隙を作ることが出来ず、どんどん体力を削られていく。


くそっ、初級だとなめすぎたか!


窮地を打開する術も無いまま殺られる!と思ったら影魔法で拘束された。


「???……な、んで……?」


「主が貴様を所望だ、少し静かにしていろ」


「あるじ…?、ぐっ……」


聞きたいことはあるが、話すと傷に響く…


しばらく待ったあと拘束されたまま別の部屋へと移動させられる。


そこは応接間のようで質の良いソファセットが置いてある。


ダンジョンの中だよな?


そんな疑問が浮かぶが体力を消耗しすぎて思考がまとまらない。


ふと甘く爽やかな香りが香ってきた。
誰?と顔をあげようとしたところで声が聞こえてきた。
いつの間にか人が増えていたようだ。


「ノエル?その人もソファに座らせて?」


その人を見て確信した。
俺の番だ。


「ひゅっ…ゲホッゴホッゴホッ…え?…番?俺の…」


驚きすぎて空気が変な所に入って咽る。


「やっぱり番みたいだね。というか、ノエル…治療してないの?」


「主に危害を加える可能性があるのに治療なんかするわけなかろう。」


「あ、はい。ねぇ、冒険者のあなた。私に危害を加えないって約束してくれる?約束してくれるならポーションをあげる。」


番に危害なんか加えるわけがない。
ああ、抱きしめたい、
なんで俺は拘束されているんだ…


「ゴホッ…番に危害なんか加えない。約束する。」


「そう…ノエル、これ飲ませてあげて彼をソファに座らせて」


ポーションをもらいソファに座る、拘束されたまま…。
貧血でフラフラするが、先程までに比べるとかなり楽になった。


それから番紋を確認されて名を聞かれる。


「アル……アルフォンス・ユースティアだ。アルと呼んで欲しい。」


「アル…ね、わかった。じゃあ…とりあえず傷が癒えたら帰ってもらってもいいかな?」


え……番のそのひと言で固まってしまう。
番と離れる?
そんなこと出来るわけがない。
今までどれだけ探したと思ってるんだ……

いろいろ番に言いたいことはあるが、俺が言えたのはひと言だけだった。


「……お…俺は帰らないぞ!!」






「……………………え?」


なんでそんなに驚くんだ。












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