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一章 出会いと魔女の本領発揮『憤怒』
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「あら、大工さん、騎士さん。おはようございます。」
「あだっ!!…お、おはよう、魔女さん!」
「っっ!!早いな。おはよう。」
いつしか、私は、みんなから魔女と呼ばれるようになった。魔法なんて使えないわよ?と言うと、大工さんは変な顔をし、騎士さんはそういうつもりでは、と言った。
「騎士さん、大工さん。アップルパイを作ったの。いかが?」
バックから、可愛く袋で包んだアップルパイを取り出す。今朝、庭でとれた、金色のリンゴを使ったのだ。異世界って、金色のリンゴもあるのね。作りすぎたから、おすそわけということだ。
「いっ、いただこうっ!」
「お、おれは…」
(人から貰ったものは食べたくないタイプなのかしら。)
騎士さんは即答してくれたが、大工さんは迷っていたようだから、バックに戻そうとすると、はっとしたような顔で、手をつかまれ、貰うッ、といわれた。
「あら、無理しなくてもいいんですよ?」
無理して食べて、嫌われても嫌だし、と思いにっこりと笑うと、どんなものでも、あなたから貰ったものは食べてやる、と悲痛に満ちた顔で言われた。
「……そ、そう。じゃあ、どうぞ。私の用事は、これだけ。お仕事、頑張ってくださいね。」
必死すぎて引いた何て言えない。
あの森の、美しい夜の魔女は、また町へと降りてきた。アーサーは、あれから、夜の魔女は、本当に魔女だった、と不思議なことを言う。黒い、炎の猫をみただとか、彼女が一瞬で消えただとか。ハッ、とあのときは鼻で嗤ってやったが、あながち間違いではないかもしれない。
「なんだ、これは…!」
足音もなしに近づいた彼女から貰ったものは、食べると傷がなおるという不思議なアップルパイだった。
「おい、ヴィンス…!これ、黄金果実じゃないか!?」
アーサーが見せつける、アップルパイの断面は、黄金の汁が滴っている。
「なっ…それはっ!?伝説じゃないのか!?別名、癒しのリンコウ、食べたもののからだの傷や怪我を直し、丈夫にするという、かつての王族や貴族、商人や海賊さえも探し求めたという…。」
「だから言っただろ!?あの人、本物の魔女だったんだよ!あの人、もしや、夫は天使とか悪魔とか、神じゃないのか!?それだったら、もう勝ち目ないんだけどよ!もし普通の男だったら、寝とろうとか考えてたのに!」
「……お前、そんなこと考えていたのか?」
若干幼なじみの思考に引きながら、本当に神だったら、等と考えてしまう。しかし神だってなんでもいい。ほしいのは、夫の中で一番ではなく、彼女の近くにいれる資格だ。それならば、何番目でもいい、なんて考えてしまうほど愛おしい。
手元のアップルパイから滴り落ちる金の雫をなめとり、森へと目を向ける。鋭く光る目には、逃すきなどない、とはっきりと宣言されていた。ああそうだ、神が夫となることを邪魔するならば、彼女を縛り付けてしまおう。魔法封じの札を買い取り、鎖で縛り、ベッドに寝かせ襲ってしまおう。神を近づかせなければいい話だ。そして、子を作ったしまえば、彼女の夫となれるだろう。強姦は犯罪だ。死罪という、もっとも重い罪となる。罰を受けると知らなくても、そもそも、普通の男は、そんなことを考えない。そんなことを考えてしまうほど。
「…魅了されてしまったのだな。」
「……こっわ。」
考えていることがわかったのか、アーサーにドンびかれた。
「あだっ!!…お、おはよう、魔女さん!」
「っっ!!早いな。おはよう。」
いつしか、私は、みんなから魔女と呼ばれるようになった。魔法なんて使えないわよ?と言うと、大工さんは変な顔をし、騎士さんはそういうつもりでは、と言った。
「騎士さん、大工さん。アップルパイを作ったの。いかが?」
バックから、可愛く袋で包んだアップルパイを取り出す。今朝、庭でとれた、金色のリンゴを使ったのだ。異世界って、金色のリンゴもあるのね。作りすぎたから、おすそわけということだ。
「いっ、いただこうっ!」
「お、おれは…」
(人から貰ったものは食べたくないタイプなのかしら。)
騎士さんは即答してくれたが、大工さんは迷っていたようだから、バックに戻そうとすると、はっとしたような顔で、手をつかまれ、貰うッ、といわれた。
「あら、無理しなくてもいいんですよ?」
無理して食べて、嫌われても嫌だし、と思いにっこりと笑うと、どんなものでも、あなたから貰ったものは食べてやる、と悲痛に満ちた顔で言われた。
「……そ、そう。じゃあ、どうぞ。私の用事は、これだけ。お仕事、頑張ってくださいね。」
必死すぎて引いた何て言えない。
あの森の、美しい夜の魔女は、また町へと降りてきた。アーサーは、あれから、夜の魔女は、本当に魔女だった、と不思議なことを言う。黒い、炎の猫をみただとか、彼女が一瞬で消えただとか。ハッ、とあのときは鼻で嗤ってやったが、あながち間違いではないかもしれない。
「なんだ、これは…!」
足音もなしに近づいた彼女から貰ったものは、食べると傷がなおるという不思議なアップルパイだった。
「おい、ヴィンス…!これ、黄金果実じゃないか!?」
アーサーが見せつける、アップルパイの断面は、黄金の汁が滴っている。
「なっ…それはっ!?伝説じゃないのか!?別名、癒しのリンコウ、食べたもののからだの傷や怪我を直し、丈夫にするという、かつての王族や貴族、商人や海賊さえも探し求めたという…。」
「だから言っただろ!?あの人、本物の魔女だったんだよ!あの人、もしや、夫は天使とか悪魔とか、神じゃないのか!?それだったら、もう勝ち目ないんだけどよ!もし普通の男だったら、寝とろうとか考えてたのに!」
「……お前、そんなこと考えていたのか?」
若干幼なじみの思考に引きながら、本当に神だったら、等と考えてしまう。しかし神だってなんでもいい。ほしいのは、夫の中で一番ではなく、彼女の近くにいれる資格だ。それならば、何番目でもいい、なんて考えてしまうほど愛おしい。
手元のアップルパイから滴り落ちる金の雫をなめとり、森へと目を向ける。鋭く光る目には、逃すきなどない、とはっきりと宣言されていた。ああそうだ、神が夫となることを邪魔するならば、彼女を縛り付けてしまおう。魔法封じの札を買い取り、鎖で縛り、ベッドに寝かせ襲ってしまおう。神を近づかせなければいい話だ。そして、子を作ったしまえば、彼女の夫となれるだろう。強姦は犯罪だ。死罪という、もっとも重い罪となる。罰を受けると知らなくても、そもそも、普通の男は、そんなことを考えない。そんなことを考えてしまうほど。
「…魅了されてしまったのだな。」
「……こっわ。」
考えていることがわかったのか、アーサーにドンびかれた。
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