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カイルが帰ってこない
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カイルが国から帰ってこない。
「正式に皇太子を交代するためと、いくつかの書類の整理などで行ってくるね」
そう言って、一週間に旅立って行った。
ずっと馬車での移動ではなく、国まで大神殿から転移門で移動して行ったから、もう帰って来ても良さそうなのに……
プロポーズされてから数週間、ずっと側にいてくれていたから、なんだか寂しい。
それに、夫達のまとめ役みたいなポジションなので、いないと少し不安だ。
カイルは、私があまり多くの夫を望んでいない事を、神官長に説明して交渉してくれたらしい。
(選ばれた夫達がアプローチをあまりしていない人物達だったことと、ここで結婚に関してこの世界での常識を押し付けたら、私が結婚自体に嫌悪感が出ると説明して、半ば脅したみたいだけど)
「自分たちが防波堤となるから、周りからの人数を増やせっていう圧力は気にしないでね。それから、ユリアーナの世界では、結婚前に付き合う期間があると言っていたから、夫婦間のこともユリアーナの気持ちを待つよ」
そう言って、安心させてくれた。
夫達で何故かカイル主催の、話し合いを定期的にしているみたいだし。
(内容については、あまり教えてくれない)
そんなカイルがいないと、少し心細い。
周りも、自然とカイルのことを第一夫だと思っているらしく、むしろカイルがいない今、聖女の私にアプローチを! と考える男性が数人いたらしく、ルーカス達も心なしかピリピリしている気がする。
私はリリーに聞いてみた。
「リリー、今大丈夫?」
「あら、ユリアーナどうしたの?」
呼びかけた瞬間、辺りが明るく光り、リリーが姿を表してくれた。
「カイルが国から帰って来なくて……何かトラブルとかあったりしたかな?」
私が聞くと、リリーは空間を見つめ、何かを探っているようだった。
「トラブルというか……女性に囲まれているわね」
「えぇーっ!? 何? どういうこと?」
「どうやら、皇太子の交代を周知させるために出した、式典への招待状が勘違いされたみたいね。正式に皇帝になるカイルの妃になろうと、国内だけじゃなくて、近隣からも集まっているみたいだわ」
リリーは契約者の私が大事で、他の人自体に興味はない。
「蹴散らせてすぐに帰って来れない上、ユリアーナを心配させるなんてダメな男ね」
そのうち帰って来るわよ、みたいな感じで終わってしまった。
けれど、私としては気になってしまって仕方がない!!
「明日、ルーカス達にカイルの国に行けないか相談してみる!」
私がそう息巻いていると、
「そう? 他の国に行っても、呼んでくれればすぐに行けるからね」
そう言って、戻っていってしまった。
翌朝、私はルーカスに相談したい事があると伝えたら、クラウスとエイデンを集めてくれた。
私は、リリーからの話を伝え、心配だからカイルの国に行きたいと相談した。
「うーん……連れて行ってあげたいのですが……とりあえず、神官長に話をしてみましょう」
ルーカスがそう言ってくれた。
私はこの世界に来てから、他の国には神殿に行くときしか出ていない。毎回の警備も厳重だ。
おそらく、私が急に行きたいと言っても、許可が出るまで数日間かかるかもしれないと、ルーカス達も思案顔だ。
結果、やはり神官長からは、数日お待ちくださいと連絡が来てしまった。
私は我慢が出来ず、ルーカス達と神官長の部屋まで行った。
そこで、お忍びで行くこと、カイルの様子を見たら、あまり滞在せずに帰って来ることを伝え、最後にリリーに来てもらってリリーからの一声もあり、許可を得た。
「正式に皇太子を交代するためと、いくつかの書類の整理などで行ってくるね」
そう言って、一週間に旅立って行った。
ずっと馬車での移動ではなく、国まで大神殿から転移門で移動して行ったから、もう帰って来ても良さそうなのに……
プロポーズされてから数週間、ずっと側にいてくれていたから、なんだか寂しい。
それに、夫達のまとめ役みたいなポジションなので、いないと少し不安だ。
カイルは、私があまり多くの夫を望んでいない事を、神官長に説明して交渉してくれたらしい。
(選ばれた夫達がアプローチをあまりしていない人物達だったことと、ここで結婚に関してこの世界での常識を押し付けたら、私が結婚自体に嫌悪感が出ると説明して、半ば脅したみたいだけど)
「自分たちが防波堤となるから、周りからの人数を増やせっていう圧力は気にしないでね。それから、ユリアーナの世界では、結婚前に付き合う期間があると言っていたから、夫婦間のこともユリアーナの気持ちを待つよ」
そう言って、安心させてくれた。
夫達で何故かカイル主催の、話し合いを定期的にしているみたいだし。
(内容については、あまり教えてくれない)
そんなカイルがいないと、少し心細い。
周りも、自然とカイルのことを第一夫だと思っているらしく、むしろカイルがいない今、聖女の私にアプローチを! と考える男性が数人いたらしく、ルーカス達も心なしかピリピリしている気がする。
私はリリーに聞いてみた。
「リリー、今大丈夫?」
「あら、ユリアーナどうしたの?」
呼びかけた瞬間、辺りが明るく光り、リリーが姿を表してくれた。
「カイルが国から帰って来なくて……何かトラブルとかあったりしたかな?」
私が聞くと、リリーは空間を見つめ、何かを探っているようだった。
「トラブルというか……女性に囲まれているわね」
「えぇーっ!? 何? どういうこと?」
「どうやら、皇太子の交代を周知させるために出した、式典への招待状が勘違いされたみたいね。正式に皇帝になるカイルの妃になろうと、国内だけじゃなくて、近隣からも集まっているみたいだわ」
リリーは契約者の私が大事で、他の人自体に興味はない。
「蹴散らせてすぐに帰って来れない上、ユリアーナを心配させるなんてダメな男ね」
そのうち帰って来るわよ、みたいな感じで終わってしまった。
けれど、私としては気になってしまって仕方がない!!
「明日、ルーカス達にカイルの国に行けないか相談してみる!」
私がそう息巻いていると、
「そう? 他の国に行っても、呼んでくれればすぐに行けるからね」
そう言って、戻っていってしまった。
翌朝、私はルーカスに相談したい事があると伝えたら、クラウスとエイデンを集めてくれた。
私は、リリーからの話を伝え、心配だからカイルの国に行きたいと相談した。
「うーん……連れて行ってあげたいのですが……とりあえず、神官長に話をしてみましょう」
ルーカスがそう言ってくれた。
私はこの世界に来てから、他の国には神殿に行くときしか出ていない。毎回の警備も厳重だ。
おそらく、私が急に行きたいと言っても、許可が出るまで数日間かかるかもしれないと、ルーカス達も思案顔だ。
結果、やはり神官長からは、数日お待ちくださいと連絡が来てしまった。
私は我慢が出来ず、ルーカス達と神官長の部屋まで行った。
そこで、お忍びで行くこと、カイルの様子を見たら、あまり滞在せずに帰って来ることを伝え、最後にリリーに来てもらってリリーからの一声もあり、許可を得た。
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