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翌日ヴィオラは、エリックからもらった髪飾りをつけて学園に行った。

 
ヴィオラとフローラは、次の授業を受けるため教室を移動していた。


フローラは、歩いている廊下横の教室をチラッとみて

 
「あら、ヴィオラのその髪飾りとてもお似合いよ!」

 
「え?あぁ、これ?昨日フローラとデートしたときに、お兄様が買ってくれたんでしょ?」

 
「そうよ!エリック様が一目見て俺のヴィーに絶対に似合う!と言って買ったのよ。最近のヴィーは元気がないから心配だって言ってたわ」


「ふふっ。買ってるところが想像がつくわ。昨日暗い気持ちで帰ったから、お兄様からいただいたときはとても嬉しかったわ!」

 

「エリック様は本当にヴィオラに優しくて妬けるわね。ふふっ」

 

ヴィオラは気づいていないが、フローラの視線の先にはアレクサンダーがいて、ヴィオラを見ている。

 

 

(さ、次はフランツ様の番ですわよ)

 

 

フローラはアレクサンダーの後ろに控えているフランツにパチッとウィンクをした。

 

 

 

そのまま二人が歩いていると

 

 「ヴィオラ様!!」

 

 二人が振り向いたら、ピンク頭のソフィアが走って来た。

 

「あなたは……「ソフィアです」

 
「ちょっとあなた「私ずっとヴィオラ様とお話ししたいと思っていたんです」

 

 

「「……」」

 

二人は、ぽかんと口をあけて何も言えなかった。

 

 
ヒロイン強烈ね……なんでもありなのね。

 

 「……私に話したいこととはなんでしょう」

 
「アレクサンダー様のことですよ!」

 
殿下じゃなくアレクサンダー様、ね……

 
「アレクサンダー様が悩んでいましたよ。昔からいつも子ども扱いしてからかってくるからすごく嫌だって」

 
「そう……アレク様が「そう、アレク様がです!」

 
え?今この子アレク様って言った??

 

「うんざりしているって。もう婚約も解消したいとも言っていましたよ」

 

「……」
 

 「もう解放してあげてください。ずっと悩んでいて可哀想です」

 

 「……」

 

「あ!次の授業始まっちゃう!解消のこと宜しくお願いしますね!では、失礼します」

 

ソフィアはくるっと向きを変え、自分の教室へ走って戻っていった。

 

 

「とんでもない子だったわね……でも良い働きしてくれたわ」

 

フローラのその言葉はヴィオラには届いていなかった。

 

 

アレク様は、やっぱり婚約解消したいと思っているんだわ。

そう……

 

 「ヴィオラ!私たちも間に合わないわ。急ぐわよ」

 

 ヴィオラとフローラは歩き出した。

 

 
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