転生令嬢は年下の婚約者を可愛がる

青井陸

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放課後、私はクラスメイトに

「先生から資料室に来てほしいと伝言を預かった」と言われたので何も考えずに資料室へ向かった。

 

 

考えると先生って誰?とかなんでわざわざ資料室に?とかおかしいことに気が付くのに、今私は部屋に入ってしまった。

そして、部屋に入った途端、カチャリと外から鍵をかけられてしまった。ガチャガチャ内鍵をまわしてみるが壊れているのかドアを開けることができない。

おまけに電気もつかない。

 

あれよね、乙女ゲームだったらヒロインが悪役令嬢や取り巻きに閉じ込められるパターンよね?……私は悪役令嬢ポジみたいだけれど……

誰に閉じ込められたのかしら……

 

ヴィオラはふぅーっとため息をつきこの部屋唯一の小さな窓を見る。

 

 

この国の冬って日が沈むのが早いのよね…もう外が暗いみたい。

この部屋に閉じ込められるなんて最悪ね。

朝まで誰にも気が付いてもらえないのかしら……

 

 

ヴィオラがこの部屋をすぐにでることができないと諦め床に座り込んだ、その時

 

 

「……誰だ?」

 

 

……え、……この声って

 

 

「……アレク様?」

 

 「……あぁ。……ヴィオラか?」

 

 

ちょうど雲に隠れていたのか月明かりが窓から差し込んだ。

 

 

 

うわ!久しぶりの間近でアレク様!!暗闇からのアレク様!!かっこよすぎる!

……え、待って。今私アレク様と2人きり??

 

 
ヴィオラは平常心をなんとか保って口を開いた。

 

 

「アレク様……どうしてここに?」

 
アレクサンダーはムッとした顔をした。

 
「俺はフランツにここで待つように言われたんだ」

 

 

フランツ様が……?へー……

 

って、アレク様、電気つかないのにここで大人しく言われた通り待ってたの?

おばか……可愛いんだけど!!

 

「……ヴィオラは何でここに?」
 

「私は……クラスメイトから先生が資料室に来てほしいと伝えてくれと頼まれたと言われましたので」

 
「……おかしいと思わなかったのか?」


「……えぇ。部屋に入ってから気がつきましたわ」

 
「……フランツか」

 
「そうですね、フランツ様だけではないと思いますが」

 
「……そうだな」

 
主犯は確実に王妃様だわ……

はぁー……どうしよう……

 

───────────
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