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どうしたらいいかわからない

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『十八時半受付開始だから、駅前待ち合わせね。くれぐれも、ジャージで来ないでよ』

「わかってるってば」

魚月の釘を刺すかの言いように、リカは苦笑いをしつつも冷や汗をかく。

リカは普段仕事には動きやすい格好で行っている。それは仕事柄ということもあるのだが、脱ぎ着しやすい服の方が楽なのだ。
以前合コンに誘われて仕事帰りにそのまま行ってしまったことがある。その日の服装はジャージ。
合コン出席者全員をキョトンとさせた出来事を、奈月は毎回のように指摘するのだ。

明日は早番だけれど一度家に帰って着替える余裕はなさそうだ。
となると、職場へ綺麗めな服を着ていくことになるのだが……。

(……なんか面倒くさい)

街コンは初めてだ。
出会いがないと嘆いていたリカを、「一度参加してみない?」と魚月が誘ったのだ。
その時は二つ返事で了承したのだが、今はなんだか行くのが憚れる。後ろめたいような気持ちになる。
それもこれも、やはり今朝の航太のことがあるからで――。

リカはブンブンと首を横に振る。

出会いはほしいと思っていた。
スポーツジムで働いていると全然出会いがなく、ジムのお客さんと知り合ってもバツイチだったり年齢が高めだったりとどうもパッとしない。

年齢的にそろそろ結婚する同級生も増えてくる中、彼氏すらいないのはなんだか寂しい。
リカだって普通に恋愛して結婚を夢見ているのだから。

リカはクローゼットを開ける。
高校、大学のときはそれなりに流行にも敏感でおしゃれに気をつかっていたけれど、社会人になってからはめっきり減ってしまった。

毎日Tシャツ&ハーフパンツで働き、プール教室があるときは化粧も落とす。
仕事が終わって家に帰るだけならおしゃれをする必要がなくなってしまったのだ。

(うーん、たまにはスカートでも履く?)

リカはしばらく履いていなかったスカートを手に取り姿見に映す。

――リカちゃん、可愛い

航太ならきっとそう言ってくれるに違いない。
そう考えて、リカは慌てて頭を振る。
なぜそこで航太が出てくるのか。

「あーもう、しっかりしろ、私ぃ~」

リカは自分の頭をポカポカと叩いた。

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