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どうしたらいいかわからない

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「どうかした?」

「あ、ううん。今回は私、やめとこうかな」

「うん、無理に付き合う必要ないもんね」

魚月は無理強いをしない。いつもリカの気持ちを尊重してくれるため、長く友人として付き合っていられるのかもしれない。

「私さ、先輩に告白されてさ……」

「は?!」

魚月は持っていたタブレットを落としそうになり慌てて抱え直す。

「ん?」

「ん?じゃなーい! なんでそういうことをもっと早く言わないのよ」

「え、だって……」

「だってじゃないわよ。もう、そんなことなら街コンなんてキャンセルしたのに」

「いやいや、出会いは大事でしょ? いいご縁があるといいねって魚月も言ってたじゃん」

「そんなご縁よりもリカの話の方が興味あるし。よし、今から飲みに行こう。その話、詳しく聞かせてもらおうか」

「ええー……」

「ほら、行くよ」

魚月も出会いを求めて街コンに参加したはずなのに、リカの思いがけない告白により思考がすべてそちらへ持っていかれた。
ガツガツと男を探すよりも、親友の恋バナのほうが面白くて仕方ないのだ。

「いやー、いつの間にそんな話になってたわけ?」

「まだここ数日の話なのよ」

魚月に引きずられるように居酒屋へ連れ込まれたリカは、ビール片手にフライドポテトをモシャモシャと口に放り込む。

先ほどの街コンでオレンジジュース片手に猫をかぶりながらお喋りしていたのとは違って、ずいぶん気楽なものだ。

「で、先輩って誰?」

「職場の先輩なんだけどね……」

「ちょっと待って。職場の先輩って、上司とは違うの?」

「あ、一応上司に当たる人」

「上司なのに先輩って呼ぶんだ? 根っからの体育会系だねぇ」

「同じ大学出身で……って、もしかして変?」

「ううん、いいと思うよ。てか、同じ大学? 私も知ってる人?」

「知らないと思う。入学と卒業がちょうど入れ違いなの。ジムでバイトしてたときに同じ大学って判明して、それで先輩って呼んでる」

「そんな前からの知り合い?」

「一応……」

考えてみれば大学一年のときにバイト先で航太と出会い、すでに六年が経とうとしている。
ずっと先輩としてしか見てこなかったため、今さら別の見方ができないでいる――と、リカは思う。
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