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オフ会に行った
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俺たちの週末は、相変わらず電気街から始まっていた。
雑多な看板と、人の波と、どこか懐かしいような電子音。歩き慣れたはずの通りを、今日はいつもよりゆっくりと進んでいく。
「ねえ、見て……」
突然モサカワが立ち止まり、ショーケースを指差した。
そこには復刻版のフィギュアが、所狭しと並べられていたんだ。
目を輝かせるその横顔は、付き合い始めた頃よりも、ほんの少しだけ自信に満ちているようにも見えていた。
「これ、前に話してたやつだろ?」
「うん。……覚えててくれたんだ」
そう笑う顔を見て、胸の奥がきゅんと鳴る。
最近、モサカワはよく笑っていた。
それも、周囲を気にせずに。
店員に話しかけられても、以前みたいにおどおどしない。
俺の袖をくいと引っ張って、小声で助けを求めるようなことも減っていた。
決して、それが悪いわけじゃない。むしろ嬉しいはずなのに。
――それなのに、なんでだろうな。
並んで歩くその肩が、ほんの少しだけ遠くにあるように感じていた。
昼は、いつもの安いファミレスで済ませていた。
ドリンクバーを往復しながら、モサカワは新作アニメの話をしていした。
「今度さ、……オフ会があるんだけど、よかったら一緒に来ない?」
「オフ会?」
「うん。同じ作品が好きな人たちの集まりっていうのかな……。みんな、いい人ばかりだよ?」
その言葉に、胸が一瞬ざわついた。
俺が知らない、モサカワ側の世界があるということに。
「あの!無理なら、べつに……いいんだ……」
そう言ってすぐに取り消すところも、変わらない癖だった。
「……考えとく」
そう返すと、彼はほっとしたように頷いた。
***
オフ会当日、俺は約束より十分早く会場の前に立っていた。
小さな貸しスペースの入口には、作品名が印刷された簡易ポスターが貼られていた。
見覚えのあるキャラのシルエットを眺めながら、やけにそわそわとしてモサカワが来るのを待っていた。
「……浮いてんな、俺」
ガラスに映るこの姿は、相変わらずだった。
焼けた肌に、痛んだ金髪、腰履きのボトム。
電気街では見慣れたはずの格好なのに、ここではやけに異物感があるように思える。
「ごめん、待った?」
後ろから聞こえた声に振り向くと、モサカワがいた。
そしていつもと違うその姿に、俺は驚く。
今日は、いつものネルシャツじゃなかったんだ。無地のシャツに、シンプルなジャケット。その髪も、少しだけ小綺麗に整えていたんだ。
「……なんか今日、ちゃんとしてんな」
「えっ……?そ、そうかな……」
照れたように笑うその顔を見て、胸が少しだけずきりと痛む。
それは、俺の知らない顔だった。
会場に入ると、すでに数人が集まっていた。
年齢も見た目もバラバラだけれど、共通しているのは、みんな穏やかな顔をして引くくらい早口で何か呪文のような言葉を語っていた。
モサカワは、すぐさま誰かに声をかけられていく。
「こんにちは、久々の参加ですね!」
「はい。今日は、その……彼氏も一緒で……」
その紹介のされ方に、俺は、少しだけ救われたような気がしていた。
でも次の瞬間、俺は曖昧に笑うことしかできなくなる。
「これが噂の……!彼氏さん、思ってたより普通ですね」
「もっと、怖い人かと思ってましたよ」
もちろん、その声に何も悪気はかったけれど。
「あー……、ども」
適当に返しながら、心の奥で何かが腑に落ちなかった。
モサカワも、その輪の中に加わって楽しそうに語っていく。
設定の解釈、好きなシーン、声優の演技。
俺が聞き慣れたあの語りを、他の誰かと共有している。
――俺、いなくてもいいんじゃねーのか?
そんな考えが、頭をよぎった。
でも、同じような男たちと楽しそうに笑うモサカワは、どんなオタクの中でも一番輝いているように見えていた。
帰り道、駅までの間は妙に静かだった。
さっきまであんなに楽しそうにしていたのに、モサカワはやけに大人しくしていた。
「今日は、その……楽しかった?」
「おー」
「本当?でも、ちょっと退屈だったよね?」
「別に?」
即答したつもりだった。
けれど、その声は自分でも分かるくらいに素っ気なかったんだ。
「あの……無理させてたなら、ごめん」
「……無理とかじゃねーよ」
立ち止まって、その顔を見る。
「たださ。俺、ああいうとこじゃ浮くし。いても意味ないんじゃないかって、ちょっと思った」
素直にそう伝えれば、モサカワは息を呑んだ。
「……そんな。君がいないと、意味がないよ」
その声は、いつもよりずっと弱くて。
それが、なぜだか胸に刺さっていく。
ろくな返事ができないまま、俺はただ駅のホームに立っていた。
電車の音に紛れて、言えなかった言葉だけが残る。
――俺のほうが、置いていかれるのが怖かったんだ。
そう気づいたときには、もう遅かった。
***
それから三日、俺たちは、ほとんど連絡を取らなかった。
もちろん、メッセージを送れば既読はつく。でも、その返事が短かかった。
『うん』
『大丈夫』
『気にしないで』
こんなこと、前なら考えられないことだった
モサカワはいつも、どうでもいい報告まで長文で送ってきていたのに。
スマホを伏せて、天井を見上げる。
綺麗に掃除したはずの部屋は、やけに広くて落ち着かなかった。
――俺が、あいつを追い詰めた。
わかってる。でも、どう言えばいいのか分からなかった。
俺がこれまで強がらずにいられたのは、モサカワに怖がられていないっていう前提があったからだ。
それが崩れた瞬間に、俺は昔の癖みたいに、ついつい棘のある言葉を選んでしまった。
夜になって、覚悟を決めてそのメッセージを送っていた。
『今から、そっち行ってもいい?』
返事は、すぐにきた。
『いいよ』
短すぎるその文字に、胸が締めつけられていく。
インターホンを押してから、少し遅れてドアが開く。
「悪いな、急に」
「こ、こんばんは……」
モサカワは、部屋着のまま立っていた。
目の下に、うっすら黒いクマがあった。
「……本当に、悪い」
それしか、今の俺には言えなかった。
部屋に入っても、いつものアニメは流れていなかった。
作りかけのプラモデルも机の上に放置されたままで、その沈黙が耐えきれなくて、俺は大きく口を開く。
「俺さ……」
喉が、やたらと渇く。
「お前の世界、ちゃんと尊重してるつもりだった」
モサカワは、黙って俺の言葉を聞いていた。
「でも、あの時思ったんだ。俺、いなくてもいいんじゃねぇかって」
その瞬間、彼の肩が小さく揺れた。
「そんなこと思わせちゃったなら……、その……ごめん」
声が、震えていた。
「違う」
俺は、力強く首を振った。
「そう思わせたのは、俺自身だ」
言わなきゃいけないことは、ずっとわかっていた。だけど、勇気がなかっただけなんだ。
「あの日楽しそうにしてるの見てさ、俺はずっと勘違いをしてたんだって、やっと気づいた。……怖かったんだ。俺だけが、お前の世界なんだって……信じてたから」
情けなく、声が掠れた。
それでも、俺はモサカワを抱きしめてこう伝えた。
「俺さ……。好きになったら、一途なんだよ。あんな楽しそうな顔、誰にも見せたくない」
モサカワが、腕の中で小さく笑った。
「……ずるいな」
「えっ?」
「僕はずっと……。僕だけが、君のことが大好きで……その、君のほうが余裕があると思っていたんだ」
思わず胸が、熱くなる。
そしてモサカワは、顔を赤くして笑っていた。
「その……。君が来なくなったらさ、好きなアニメも、プラモも……。全部、色が薄くなったように思えたんだ。君が隣にいないと、ちっとも嬉しくない」
気づけば、俺はキスをしていた。
いつものやつじゃなくて、何度も、軽いキスを。
ただ純粋に、好きだという気持ちを伝えたかったんだ。
「好きだ。誰よりも……、大好きなんだ」
そう伝えれば、照れたように笑っていた。
あれから、俺たちはしばらく何も言わずに座っていた。
部屋の空気は、少しずつ元に戻っていくようでもあったんだ。
モサカワが、そっと口を開く。
「……ね、今日はさ」
「おー」
「アニメ、観よ」
いつもなら当たり前の一言が、やけに大事なもののように聞こえていた。
再生ボタンを押せば、懐かしいオープニングが流れ出す。
彼は自然な動きで、俺の隣にちょこんと座った。
肩が触れる、さりげない距離。
俺の隣に、モサカワがいる。それだけで、嬉しかった。
「このシーン、さ……」
控えめに語り出す声は、いつもの調子に戻っていた。
俺は、ちゃんとその言葉を聞いていた。
わからないところは、わからないままでいい。それでも、隣で同じ画面を見ることに意味があるんだと俺は初めて思えていた。
エンドロールが流れ終わったあと、モサカワは俺を見上げてこう言った。
「……次は、君の番だよ」
「俺?」
「君の好きなもの、……いろいろ教えて?」
俺は、一瞬だけ考えて肩をすくめた。
「べつに、大したもんねーぞ?」
「いいよ。それが、知りたいんだ。好きな人のことは、なんでも知りたい」
その目は真っ直ぐで、何の迷いもなかったんだ。
結局その夜は、俺たちは何もしなかった。
でも、それでもいいと思えていた。お互い疲れていたし、同じベッドで静かに眠った。
朝がきて、モサカワは俺を見送ってくれていた。
「また、電気街行くか?」
俺がそう聞くと、モサカワは力強く頷いた。
「うん!でも、次はさ……。君の行きたい店にも、寄ろうよ」
「……おー」
「君のこと、なんでも知りたいんだ」
その言葉に、胸の奥がじんわりと温かくなる。
次のデートを楽しみに、俺は上機嫌で家に帰った。
そして、モサカワでも入れそうな店を、いくつか探した
雑多な看板と、人の波と、どこか懐かしいような電子音。歩き慣れたはずの通りを、今日はいつもよりゆっくりと進んでいく。
「ねえ、見て……」
突然モサカワが立ち止まり、ショーケースを指差した。
そこには復刻版のフィギュアが、所狭しと並べられていたんだ。
目を輝かせるその横顔は、付き合い始めた頃よりも、ほんの少しだけ自信に満ちているようにも見えていた。
「これ、前に話してたやつだろ?」
「うん。……覚えててくれたんだ」
そう笑う顔を見て、胸の奥がきゅんと鳴る。
最近、モサカワはよく笑っていた。
それも、周囲を気にせずに。
店員に話しかけられても、以前みたいにおどおどしない。
俺の袖をくいと引っ張って、小声で助けを求めるようなことも減っていた。
決して、それが悪いわけじゃない。むしろ嬉しいはずなのに。
――それなのに、なんでだろうな。
並んで歩くその肩が、ほんの少しだけ遠くにあるように感じていた。
昼は、いつもの安いファミレスで済ませていた。
ドリンクバーを往復しながら、モサカワは新作アニメの話をしていした。
「今度さ、……オフ会があるんだけど、よかったら一緒に来ない?」
「オフ会?」
「うん。同じ作品が好きな人たちの集まりっていうのかな……。みんな、いい人ばかりだよ?」
その言葉に、胸が一瞬ざわついた。
俺が知らない、モサカワ側の世界があるということに。
「あの!無理なら、べつに……いいんだ……」
そう言ってすぐに取り消すところも、変わらない癖だった。
「……考えとく」
そう返すと、彼はほっとしたように頷いた。
***
オフ会当日、俺は約束より十分早く会場の前に立っていた。
小さな貸しスペースの入口には、作品名が印刷された簡易ポスターが貼られていた。
見覚えのあるキャラのシルエットを眺めながら、やけにそわそわとしてモサカワが来るのを待っていた。
「……浮いてんな、俺」
ガラスに映るこの姿は、相変わらずだった。
焼けた肌に、痛んだ金髪、腰履きのボトム。
電気街では見慣れたはずの格好なのに、ここではやけに異物感があるように思える。
「ごめん、待った?」
後ろから聞こえた声に振り向くと、モサカワがいた。
そしていつもと違うその姿に、俺は驚く。
今日は、いつものネルシャツじゃなかったんだ。無地のシャツに、シンプルなジャケット。その髪も、少しだけ小綺麗に整えていたんだ。
「……なんか今日、ちゃんとしてんな」
「えっ……?そ、そうかな……」
照れたように笑うその顔を見て、胸が少しだけずきりと痛む。
それは、俺の知らない顔だった。
会場に入ると、すでに数人が集まっていた。
年齢も見た目もバラバラだけれど、共通しているのは、みんな穏やかな顔をして引くくらい早口で何か呪文のような言葉を語っていた。
モサカワは、すぐさま誰かに声をかけられていく。
「こんにちは、久々の参加ですね!」
「はい。今日は、その……彼氏も一緒で……」
その紹介のされ方に、俺は、少しだけ救われたような気がしていた。
でも次の瞬間、俺は曖昧に笑うことしかできなくなる。
「これが噂の……!彼氏さん、思ってたより普通ですね」
「もっと、怖い人かと思ってましたよ」
もちろん、その声に何も悪気はかったけれど。
「あー……、ども」
適当に返しながら、心の奥で何かが腑に落ちなかった。
モサカワも、その輪の中に加わって楽しそうに語っていく。
設定の解釈、好きなシーン、声優の演技。
俺が聞き慣れたあの語りを、他の誰かと共有している。
――俺、いなくてもいいんじゃねーのか?
そんな考えが、頭をよぎった。
でも、同じような男たちと楽しそうに笑うモサカワは、どんなオタクの中でも一番輝いているように見えていた。
帰り道、駅までの間は妙に静かだった。
さっきまであんなに楽しそうにしていたのに、モサカワはやけに大人しくしていた。
「今日は、その……楽しかった?」
「おー」
「本当?でも、ちょっと退屈だったよね?」
「別に?」
即答したつもりだった。
けれど、その声は自分でも分かるくらいに素っ気なかったんだ。
「あの……無理させてたなら、ごめん」
「……無理とかじゃねーよ」
立ち止まって、その顔を見る。
「たださ。俺、ああいうとこじゃ浮くし。いても意味ないんじゃないかって、ちょっと思った」
素直にそう伝えれば、モサカワは息を呑んだ。
「……そんな。君がいないと、意味がないよ」
その声は、いつもよりずっと弱くて。
それが、なぜだか胸に刺さっていく。
ろくな返事ができないまま、俺はただ駅のホームに立っていた。
電車の音に紛れて、言えなかった言葉だけが残る。
――俺のほうが、置いていかれるのが怖かったんだ。
そう気づいたときには、もう遅かった。
***
それから三日、俺たちは、ほとんど連絡を取らなかった。
もちろん、メッセージを送れば既読はつく。でも、その返事が短かかった。
『うん』
『大丈夫』
『気にしないで』
こんなこと、前なら考えられないことだった
モサカワはいつも、どうでもいい報告まで長文で送ってきていたのに。
スマホを伏せて、天井を見上げる。
綺麗に掃除したはずの部屋は、やけに広くて落ち着かなかった。
――俺が、あいつを追い詰めた。
わかってる。でも、どう言えばいいのか分からなかった。
俺がこれまで強がらずにいられたのは、モサカワに怖がられていないっていう前提があったからだ。
それが崩れた瞬間に、俺は昔の癖みたいに、ついつい棘のある言葉を選んでしまった。
夜になって、覚悟を決めてそのメッセージを送っていた。
『今から、そっち行ってもいい?』
返事は、すぐにきた。
『いいよ』
短すぎるその文字に、胸が締めつけられていく。
インターホンを押してから、少し遅れてドアが開く。
「悪いな、急に」
「こ、こんばんは……」
モサカワは、部屋着のまま立っていた。
目の下に、うっすら黒いクマがあった。
「……本当に、悪い」
それしか、今の俺には言えなかった。
部屋に入っても、いつものアニメは流れていなかった。
作りかけのプラモデルも机の上に放置されたままで、その沈黙が耐えきれなくて、俺は大きく口を開く。
「俺さ……」
喉が、やたらと渇く。
「お前の世界、ちゃんと尊重してるつもりだった」
モサカワは、黙って俺の言葉を聞いていた。
「でも、あの時思ったんだ。俺、いなくてもいいんじゃねぇかって」
その瞬間、彼の肩が小さく揺れた。
「そんなこと思わせちゃったなら……、その……ごめん」
声が、震えていた。
「違う」
俺は、力強く首を振った。
「そう思わせたのは、俺自身だ」
言わなきゃいけないことは、ずっとわかっていた。だけど、勇気がなかっただけなんだ。
「あの日楽しそうにしてるの見てさ、俺はずっと勘違いをしてたんだって、やっと気づいた。……怖かったんだ。俺だけが、お前の世界なんだって……信じてたから」
情けなく、声が掠れた。
それでも、俺はモサカワを抱きしめてこう伝えた。
「俺さ……。好きになったら、一途なんだよ。あんな楽しそうな顔、誰にも見せたくない」
モサカワが、腕の中で小さく笑った。
「……ずるいな」
「えっ?」
「僕はずっと……。僕だけが、君のことが大好きで……その、君のほうが余裕があると思っていたんだ」
思わず胸が、熱くなる。
そしてモサカワは、顔を赤くして笑っていた。
「その……。君が来なくなったらさ、好きなアニメも、プラモも……。全部、色が薄くなったように思えたんだ。君が隣にいないと、ちっとも嬉しくない」
気づけば、俺はキスをしていた。
いつものやつじゃなくて、何度も、軽いキスを。
ただ純粋に、好きだという気持ちを伝えたかったんだ。
「好きだ。誰よりも……、大好きなんだ」
そう伝えれば、照れたように笑っていた。
あれから、俺たちはしばらく何も言わずに座っていた。
部屋の空気は、少しずつ元に戻っていくようでもあったんだ。
モサカワが、そっと口を開く。
「……ね、今日はさ」
「おー」
「アニメ、観よ」
いつもなら当たり前の一言が、やけに大事なもののように聞こえていた。
再生ボタンを押せば、懐かしいオープニングが流れ出す。
彼は自然な動きで、俺の隣にちょこんと座った。
肩が触れる、さりげない距離。
俺の隣に、モサカワがいる。それだけで、嬉しかった。
「このシーン、さ……」
控えめに語り出す声は、いつもの調子に戻っていた。
俺は、ちゃんとその言葉を聞いていた。
わからないところは、わからないままでいい。それでも、隣で同じ画面を見ることに意味があるんだと俺は初めて思えていた。
エンドロールが流れ終わったあと、モサカワは俺を見上げてこう言った。
「……次は、君の番だよ」
「俺?」
「君の好きなもの、……いろいろ教えて?」
俺は、一瞬だけ考えて肩をすくめた。
「べつに、大したもんねーぞ?」
「いいよ。それが、知りたいんだ。好きな人のことは、なんでも知りたい」
その目は真っ直ぐで、何の迷いもなかったんだ。
結局その夜は、俺たちは何もしなかった。
でも、それでもいいと思えていた。お互い疲れていたし、同じベッドで静かに眠った。
朝がきて、モサカワは俺を見送ってくれていた。
「また、電気街行くか?」
俺がそう聞くと、モサカワは力強く頷いた。
「うん!でも、次はさ……。君の行きたい店にも、寄ろうよ」
「……おー」
「君のこと、なんでも知りたいんだ」
その言葉に、胸の奥がじんわりと温かくなる。
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