14 / 35
第十四話 かわいい?授業風景①
「……!」
「まぁ……!!」
『みみーん♪』
またもやドヤ顔を披露するルリ。
宙に浮きながらバンザイ姿をしている。
屋敷にて会う者ひと通りにルリを紹介し終え、今日からは授業にもルリを伴っていた。
予想通りというか、レイクとフローリアはルリに夢中だ。
「か、……」
「かわ……」
「かわいーーーー!!」「かわいいですわぁ!!」
「(ぐはっ)」
俺には君たちもそう思えるよ。
「る、ルリと言います。仲良くしてあげてください」
「ルリ! ルリというんですね。ぼくはレイク! ルリ、よろしく!」
『ぷー!』
「わたくしはフローリアともうします、よろしくね」
『んみみー!』
はぁ、幸せすぎる。
というか俺は従魔とは縁のないパーティに属していたが、従魔への接し方というのは前世で言うペットのようなものなんだな。一応、魔物ではあるんだが……。
魔力のある世界ってのには、まだまだ知らないことがあるな。
「ルリは水うさぎなのですが、風うさぎの特徴も持っています。
驚くことがあるかもしれませんが、私がしっかり見守りますのでご安心ください」
「「ハーイ!」」
水うさぎは水辺に生息する。セイレンがルリを託したのは、レイクの水魔法で水浴びをさせるためだろう。
レイクに実戦授業の一環としてそれも伝えておかないとな。
「では、参りましょうか」
今日は庭師のバーナードより伝言があり、先日言っていた件を授業として取り入れることになった。
元々予定していた座学を終えたあと、借り受けることになった花壇の一角に来た。
「──! ゼヤ」
『な、ナンでいるでしー!?』
そこにはなぜか、実体化したゼヤの姿が。
ルリは驚きでまた片耳がピーンと上に伸びている。
いや、影ならいつでも来いとは言ったけど。
ふつうに人前に出てくるとは聞いてない。
「……? せんせー、どなたでしょうか?」
「おしりあいですか?」
「……」
相手が子供だろうが変わらない表情。
いつもながらクールだな……。
というか遠巻きに使用人の女性二人がめっちゃ見てる。
「許可はとった」
「え?」
まぁ実体化したなら誰の目にも見えるだろうけど……。
「どうしたんだ? 急に──」
「モルドラン様」
「ヴィクター!」「ヴィクター殿?」
ゼヤに問いかける前にヴィクターが現れた。
「ライネリオ様より伝言がございます。」
「伝言?」
まさか、……許可というのは。
「はい。ゼヤ様のことは、実力もある……大切なご友人同士と聞き及んでおります。
屋敷の者にも伝達いたしましたので、どうぞご自由に屋敷をご利用ください……とのことです」
「ぜ、ゼヤ……どういうことなんだ?」
「別に。効率よくお前の側に居るためだ」
侵蝕のことか。それは、まぁ。出来ることなら役に立ちたいが。
「い、いや。ほら、方法なら色々あるだろう」
『ぷぅぷぅ』
ルリも頷いて同意する。
今この場で口にはできないが、方法ならある。
俺の影に入るとか。俺の影に入るとか。俺の影に入るとか!
「……」
「では、確かにお伝えいたしました。レイク様、フローリア様、引き続き頑張ってくださいね」
「ありがとう、ヴィクター!」「ありがとうございます」
それだけ言うとヴィクターは去って行った。
ゼヤ、まさか領主にゴリ押ししたんじゃないよな?
「あの、ゼヤさま? は、まほうしですか?」
「……」
おいおい、子供相手に無言はいかんだろ。
「ゼヤさま、モルドさまのごゆうじんなのですか?
わたくしはフローリアともうします。よろしくおねがいいたしますわ」
「ぼ、ぼくはレイクです。よろしくおねがいします!」
あぁ、健気。
ちゃんと挨拶ができてえらい、いい子。
いくら接し方が分からんとはいえ、大人げないぞゼヤ。
「……。ゼヤと呼べ。魔法師……かどうかは分からないが、闇魔法を使う」
「まぁ! あつかいのムズかしい、やみまほうですか」
「すごい! さすがモルドせんせーのごゆうじん!」
お、珍しい。ゼヤが自分のことをちょっとでも話すなんて。
やっぱかわいいは正義なんだよな。
「まぁ、もう来てしまったのなら仕方がない。
とりあえず俺が二人に教えている間、ルリを肩に乗せてやってくれ」
『ミーーーーーー!!??』
「……」
嫌そう。ルリはとても嫌そうだ。
まぁ大精霊の肩とか畏れ多いよな。
ゼヤは目を閉じて「勝手にしろ」とでも言いたげだ。
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
【土壌改良】で死の荒野がSランク農園に!食べただけでレベルアップする野菜で、世界最強ギルド設立
黒崎隼人
ファンタジー
「え? これ、ただのトマトですよ?」
「いいえ、それは食べただけで魔力が全回復する『神の果実』です!」
ブラック企業で働き詰めだった青年は、異世界の名門貴族の三男・ノアとして転生する。
しかし、授かったスキルは【土壌改良】という地味なもの。
「攻撃魔法も使えない役立たず」と罵られ、魔物すら寄り付かない死の荒野へ追放されてしまう。
だが、彼らは知らなかった。
ノアのスキルは、現代の農業知識と合わせることで、荒れ果てた土地を「Sランク食材」が溢れる楽園に変えるチート能力だったことを!
伝説の魔獣(もふもふ)をキュウリ一本で手懐け、行き倒れた天才エルフを極上スープで救い出し、気づけば荒野には巨大な「農業ギルド」が誕生していた。
これは、本人がただ美味しい野菜を作ってのんびり暮らしたいだけなのに、周囲からは「世界を救う大賢者」と崇められてしまう、無自覚・最強の農業ファンタジー!
家族に捨てられたけど、もふもふ最強従魔に愛されました
朔夜
ファンタジー
この世界は「アステルシア」。
魔法と魔物、そして“従魔契約”という特殊な力が存在する世界。代々、強大な魔力と優れた従魔を持つ“英雄の血筋”。
でも、生まれたばかりの私は、そんな期待を知らず、ただ両親と兄姉の愛に包まれて育っていった。
【完結】憧れのスローライフを異世界で?
さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。
日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。
もふもふと始めるゴミ拾いの旅〜何故か最強もふもふ達がお世話されに来ちゃいます〜
双葉 鳴
ファンタジー
「ゴミしか拾えん役立たずなど我が家にはふさわしくない! 勘当だ!」
授かったスキルがゴミ拾いだったがために、実家から勘当されてしまったルーク。
途方に暮れた時、声をかけてくれたのはひと足先に冒険者になって実家に仕送りしていた長兄アスターだった。
ルークはアスターのパーティで世話になりながら自分のスキルに何ができるか少しづつ理解していく。
駆け出し冒険者として少しづつ認められていくルーク。
しかしクエストの帰り、討伐対象のハンターラビットとボアが縄張り争いをしてる場面に遭遇。
毛色の違うハンターラビットに自分を重ねるルークだったが、兄アスターから引き止められてギルドに報告しに行くのだった。
翌朝死体が運び込まれ、素材が剥ぎ取られるハンターラビット。
使われなくなった肉片をかき集めてお墓を作ると、ルークはハンターラビットの魂を拾ってしまい……変身できるようになってしまった!
一方で死んだハンターラビットの帰りを待つもう一匹のハンターラビットの助けを求める声を聞いてしまったルークは、その子を助け出す為兄の言いつけを破って街から抜け出した。
その先で助け出したはいいものの、すっかり懐かれてしまう。
この日よりルークは人間とモンスターの二足の草鞋を履く生活を送ることになった。
次から次に集まるモンスターは最強種ばかり。
悪の研究所から逃げ出してきたツインヘッドベヒーモスや、捕らえられてきたところを逃げ出してきたシルバーフォックス(のちの九尾の狐)、フェニックスやら可愛い猫ちゃんまで。
ルークは新しい仲間を募り、一緒にお世話するブリーダーズのリーダーとしてお世話道を極める旅に出るのだった!
<第一部:疫病編>
一章【完結】ゴミ拾いと冒険者生活:5/20〜5/24
二章【完結】ゴミ拾いともふもふ生活:5/25〜5/29
三章【完結】ゴミ拾いともふもふ融合:5/29〜5/31
四章【完結】ゴミ拾いと流行り病:6/1〜6/4
五章【完結】ゴミ拾いともふもふファミリー:6/4〜6/8
六章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(道中):6/8〜6/11
七章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(本編):6/12〜6/18
世界樹を救ったのは転生幼児のハズレスキル【草むしり】でした〜ぐうたらおっさん精霊を更生させながら、もふ神獣たちと聖域生活始めます〜
ありぽん
ファンタジー
神様のミスで死んでしまった高橋快晴(25)は、お詫びとして憧れの剣と魔法の異世界へ転生。魔法の名家として知られる、ヴァルディス侯爵家の3男、アルフレッドとして第2の人生を歩み始める。
だが、3歳で行われた魔法判定の儀で、歴代最高の魔力を持ちながら、属性魔法を一切使えない無能だと判明。さらに授かった固有スキルは、どう考えてもハズレスキルの【草むしり】で……。
そのため、実力至上主義の侯爵家では、アルフレッドが人々の目に留まることを恐れ、事故に見せかけて処分することを決定。『呪われた魔の森』と呼ばれる、誰も近寄ることのない森へ捨てられてしまう。
この状況に、死を覚悟するアルフレッド。しかしここで彼の前に現れたのは、敵意のない妖精たちで。なぜか彼らに気に入られたアルフレッドは、導かれるままにある場所へ向かうことに。そして連れられた先にあったのは、今にも枯れてしまいそうな『世界樹』だった。
するとそこで、ハズレスキルだと思っていた【草むしり】が、思いもよらない形で、世界樹を救うことになり?
この出来事をきっかけにアルフレッドは、ぐうたらなおじ守護精霊や、もふもふの神獣たちに囲まれながら、世界樹の元で新たな生活を送ることになるのだった。
家の庭にダンジョンができたので、会社辞めました。
希羽
ファンタジー
都内のブラックIT企業で働く社畜・佐藤健太(27歳)。
手取り18万、残業100時間。唯一の資産は、亡き祖母から相続した郊外のボロ戸建てだけ。
「このまま死ぬのかな……」
そう絶望していたある夜、庭の物置の裏に謎の穴が出現する。
そこは、なぜか最弱モンスターしか出ないのに、ドロップアイテムだけは最高ランクという、奇跡のボーナスダンジョンだった。
試しにスライムを叩いたら、出てきた宝石の査定額はなんと――【1,000,000円】。
「……え、これ一個で、俺の年収の3分の1?」
スマホアプリで即換金、ドローン配送で手間いらず。
たった10分の庭仕事で5000万円を稼ぎ出した健太は、翌朝、上司に辞表を叩きつけることを決意する。
※本作は小説家になろうでも投稿しています。
異世界召喚されたけどスキルが地味だったので、現代知識とアイテムボックスで絶品料理を作ったら大商会になっちゃいました
黒崎隼人
ファンタジー
手違いで剣も魔法もない異世界に召喚された、しがない日本のサラリーマン、湊カイリ。
彼に与えられたのは、無限に物が入る【アイテムボックス】と、物の名前が分かる【鑑定】という、あまりにも地味な二つのスキルだけだった。
戦闘能力は皆無。途方に暮れるカイリだったが、異世界の食事が絶望的に不味いことを知り、大きなチャンスに気づく。
現代日本の「当たり前」の知識は、この世界ではとんでもない「宝」なのだと!
「醤油?味噌?そんなものがあれば、この世界の食文化はひっくり返るぞ!」
ひょんなことから出会った没落貴族の美少女・リリアナと共に、カイリは現代知識と地味スキルを駆使して屋台から商売をスタート。
絶品料理で人々の胃袋を掴み、さらには便利な生活用品を次々と発明していく。
伝説の神獣の幼体「フェン」やドワーフの鍛冶師など、頼れる仲間たちも加わり、彼らが立ち上げた「サンライズ商会」は瞬く間に大躍進!
迫り来る悪徳商会や腐敗した貴族の妨害も、現代のマーケティング術と知恵で痛快に打ち破る!
これは、平凡なサラリーマンが異世界の常識を覆し、食と生活に革命を起こして一代で大商会を築き上げる、痛快成り上がりファンタジー!
美味しい料理と、もふもふな相棒、そして仲間との絆。
人生、逆転できないことなんて何もない!