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第106話

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 串肉をドラグノフと近くのベンチで食べながら、周りの楽しんでいる里の人達を見てドラグノフが「やはりもドラゴの一族に任せてよかったな我ならここまで発展出来なかっただろう」と笑顔をそう言った。

「発展にはアーリンも手を尽くしてくれてた見たいだし、また今度お礼でも言ったらどうだ?」

「うむ、そうだな……アーリンも昔より丸くなってて話しやすくなっておるしな、前の時より喧嘩も少なくなっておるしな」

「あれだけ、喧嘩をずっとしてて少なくなってるんだな」

 ドラグノフの「喧嘩が少なくなった」と言った言葉に俺は笑った。その後、食べ終わった俺達はアーリンと待ち合わせの場所に向かった。待ち合わせの場所に着くとアーリンが先に待って居た様でアイテムボックスから串肉を取り出し「遅くなってすまん」と言って詫びの品として渡した。

「ありがとうクリフ君。さっきから美味しい匂いしてて我慢出来なかっただ」

「そうだったのか、それなら先に買って食べてても良かったんだぞ? 俺達も結構楽しんでたし」

「一人で食べるのと皆で食べるのは違うの」

 と言って串肉を一口食べ「美味しい~」と喜んでいた。隣で見ていたドラグノフが「アへリンよ、具合の方はどうだ?」と聞くと「うん、ばっちり温泉で癒されてきたからもう大丈夫よ」と立ち上がって笑顔で言った。

「さてと、それじゃこの後はアーリンも一緒に見て回るか」

「うん、あっそう言えばさっき温泉から帰る途中でもう直ぐ広場で新しい族長を祝う踊りがあるらしいから見に行かない?」

「おっ、面白そうだな行くか」

「うむ、踊りか我も見てみたいぞ」

 俺達は踊りが始まる広場へと向かい、既に里の人が集まってて後ろの方になり見えづらかったのでドラグノフに頼み俺とアーリンを片方ずつの肩に乗せて貰い見えやすい場所で鑑賞する事が出来る様にした。

「ありがとなドラグノフ」

「ありがとうドラグノフ」

 俺とアーリンからお礼を言われたドラグノフは「気にするな我も皆で楽しく見たいから構わないぞ、それよりもう直ぐ始まるみたいだぞ」と言ったので俺達は前を向き始まった踊りを見た。
 そして、踊りが終わると奥からドラゴさんが正装姿で現れ演説が始まった。その演説が終わると里中の人達が拍手をしドラゴさんは今日正式に里の長となった。その後も祭りを楽しんだ俺達は今日の出来事を忘れないだろう。陽が沈み設営されていた出店がたたまれていく中ドラゴさんから「家まで来てくれませんか?」と言われ現在、族長の家の地下室へと来ていた。

「すみません、この様な場所に連れて来て」

「いえ、大丈夫ですよ。それで、何で地下室に連れて来られたんですか?」

「はい実は、この里に掛けられていた加護が現在薄くなってきていましてドラグノフ様に新しく加護を付けて貰いたいのです」

 申し訳なさそうにドラグノフにドラゴさんが頼むと「その位でその様な顔をして頼むでない。元より我の里だ加護は付けてやる」と言い、地下室の地面に手を当てたドラグノフは目を瞑り真剣な顔つきになり数秒経過すると「うむ、消えかけていた我の加護を付け替えておいた。これで、また暫くは加護は切れないであろう」と言った。

「ありがとうございますドラグノフ様」

「気にするな……それより、アーリン。主の加護も消えかけていたから張り替えたらどうだ?」

「やつぱり気づいちゃった? でも今日はちょっと疲れたくないから、また来た時に付け替えるわドラグノフと違って私のはそんなに年月経って無いからそこまで焦って張り替えなくて良いから」

 そう言ったアーリンにドラグノフは「確かに張り替えたの数百年振りだったから、我のよりアーリンの加護のが強く表れていたな」と言った。その後、ドラゴさんから「夕食はどうしますか?」と聞かれ「あっ出来れば食べて行きたいです」と言い夕食をご馳走して貰い、ドラゴさんから「良ければ温泉に入って行きませんか?」と言われた。
 アーリンがあれだけ疲労していたのに一瞬で治した温泉に興味があった俺とドラグノフはその言葉に承諾し温泉に行きドラゴさんと一緒に3人で男風呂の方に行くと他の客が居らず貸し切り状態で入った。効能は本当にあって一日歩き回って疲れていた足が温泉のお湯で気持ちよく少し自分でマッサージすると疲労感が吹っ飛んで行った。

「凄く好い温泉ですね」

「はい、里中の者達も気に入って毎日通っています。まあ、今日はドラグノフ様が来ていたので里の者達が遠慮して来ていないみたいですがね」

 笑ってそう言ったドラゴさんにドラグノフは「別に我に遠慮などせんでもよいのにな」と少し寂しそうな声で肩まで浸かったドラグノフにドラゴさんが「里の者達も慣れれば自然と接しに来ると思いますよ」と言われたドラグノフは「そうだと良いな」と夜空を見上げてそう言った。
 その後、風呂からあがり倉庫まで移動した俺達はレドルの杖を使い家に帰った。 
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