勇者に幼馴染で婚約者の彼女を寝取られたら、勇者のパーティーが仲間になった。~ただの村人だった青年は、魔術師、聖女、剣聖を仲間にして旅に出る~

霜月雹花

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第二章 迷宮へ挑む

第18話


 リクサムス王国の王都を出発して、一週間が経とうとしていた。現在、俺達は隣国である〝迷宮都市ヴォルド〟へと向かっていた。既に隣国に入っており、明日には迷宮都市に着くという所まで来ていた。

「リズ、そろそろ昼休憩にするから適当な場所で脇道に寄ってくれ」

「分かりました。ご主人様」

 リズは俺の指示に返事をして、馬達を操って馬車が長年通って出来ている道から少し外れた場所に移動した。そして、止まった馬車から俺達は居りて来てずっと椅子に座っていて座り着かれた俺達は背伸びをして昼食の準備を始めた。
 初日の夜、アリサ達が張り切って夕食を準備すると言ったのだが野外での火加減の管理は難しかったらしく、若干焦げた肉炒めと味が濃ゆいスープだったので、それから料理は俺が担当する事となった。よく、それで旅が出来ていたなと思ったのだが旅の最中は、保存食だけで我慢していたらしい。まあ、その理由はあの勇者と一緒の空間で長く食事をしたくなかったからだとアリサ達は言っていた。

「ごめんね。料理は、私達も頑張るから……」

「良いよ。料理は好きだし、徐々に覚えて行けは良いよ」

 アリサ達は失敗した日からは、料理のメインはせずに野菜のカットや味付けを俺と一緒にやったりと徐々に料理を覚えて行っている。それから、アリサ達と作った料理を折り畳み式のテーブルに並べて皆で食事をした。

「ロイド様、明日には迷宮都市に入れると思いますけど、どうしますか? 直ぐに迷宮に入るか、一度皆さんの装備を新調してから挑みます?」

「う~ん、一応旅の間使えたら良いと思って王都出る時に装備は買ったけど、これじゃ迷宮は心もとないし、出来れば装備を新調した方が俺としても良いかな」

「ロイド君の装備もだけど、ミリアの装備も整えないと行けないし最初は金策からだね」

 アリサの言葉に「そうだな」と返答し、迷宮都市に着いたらまずは金策から始める事に決まった。食後、少しだけ体を動かしてから馬車に再び戻り、移動を再開した。
 
「それにしても、ここまで何もなく来れてるね」

「そうだね~、でも魔物が襲ってきてもこの戦力なら魔王が来ない限り安全だよね」

「そうよね。ロイド様に私達も居ますからね」

 アリサ達がそう話すと、ミリアも「私としても、ロイド様にアリサ達が居るから安心ですね」と笑顔で言った。それから、何事もなく馬車は進み予定通り翌日の昼前には〝迷宮都市ヴォルド〟へと着いた。何故、この都市が迷宮都市と呼ばれているのか、それはこの街の中に〝超大型迷宮〟があるからである。そして、その迷宮を最初に発見したのが〝探検家ヴォルド〟だったので彼が死んだ後、普通の迷宮都市から〝迷宮都市ヴォルド〟と改名されて、今現在冒険者の中で一番熱い街である。
 そんな街に着いた俺達は、最初に宿を取り装備等を着替えてから宿の前で集合し、この街の商業区へと向かった。

「迷宮都市ってのもありますけど、商人達も活気がありますね。王都の商業区より賑わっていますね」

 ミリアの言葉通り、迷宮都市の商業区はリクサムス王国の王都よりも賑わっていて冒険者の数も倍以上となっている。俺達はそんな街の中を歩いて行き、鍛冶屋へと行き装備がどれほどの値段をしているのか確認した向かった。
 そして一軒の鍛冶屋に入り、装備を物色していると奥から店主らしき人物が出て来て挨拶をすると俺の方をジッと見て驚いた表情をしていた。

「んんっ? おい、お前。もしかしてロイドか!? ドラムとメリアの
息子のロイドか!?」

「そうですけど? えっと、何処かで会いましたか?」

「覚えてねぇか? ほら、迷宮で死にそうになってたドワーフだよ」

 店主はそう言うと、頭に巻いていた布を取ると額の所に爪痕らしき物が有り、俺はそれを見て昔、迷宮で助けたドワーフの事を思い出した。

「あぁ、あの時の方でしたか」

「思い出してくれたか? あん時は、礼を言えなくてすまなかったな、気付いたら既に街を出た後って聞いてよ。いつか会えたら礼を言おうと思っていたんだ。あの時は、助けてくれてありがとうな」

 店主はそう言って深々と頭を下げた。そして、お礼の代わりに何か作らせてくれと言われたので、それだったら俺の装備を作ってもらえると助かると伝えた。

「ロイドだけで良いのか? そっちの嬢ちゃん達のは良いのか?」

「それだったら、嬉しいんですけど、流石に6人分は気が引けますよ」

「遠慮はするなって、あの時助けてもらったおかげで今があるんだ。6人分くらいの装備費用何て命に代えれば安いもんだよ」

 そう言うと、店主は女性の店員を呼んでアリサ達の体の寸法を測る為に別室に移動させた。

「っと、そう言えばまだ名前を言って無かったな、俺はグルルド・ヴェだ。よろしくな!」

「よろしくお願いします。グルルドさん」

 グルルドと名乗ったドワーフ店主と俺は握手をし、俺も体の寸法を測る為に別室に移動した。
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