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第九章
第388話 【VSアルス】
しおりを挟む予選を勝ち抜いて来た人達+最初に決まっていた人達を含めた80名が全員、会場へと集められた。80名は大体顔見知りが残っていて、戦うのが今から楽しみだ。
「ラルク、めちゃくちゃ笑顔だね」
「キド。ああ、ここに居る人達と戦うのをずっと楽しみにしていたからな、勿論キドと戦うのも楽しみにしてたよ」
司会の人が挨拶をしている途中でキドから話しかけられた俺は、そう返すとキドは「俺もだよ。ラルクには成長した俺をみせてやるよ」と言って握手を求められた。
「あっ、そうだ。ラルク、聞いたぞ子供が出来たんだってな? 良かったな」
「そっか、キドとは会えてなかったから言って無かったな、ありがとう」
「しかし、ラルクも子供か早いな……」
キドは俺に子供が出来た事を自分の様に喜んでくれたが、最後の言葉に俺は引っ掛かり尋ねた。
「んっ? ラルク〝も〟ってどういう?」
「あぁ……実はな、俺も子供が出来たんだよ。あれから、テラさんとの仲が続いてな、この間具合が悪いって言って医者の所に連れて行ったら……」
「そうだったのか? おめでとう。と言う事は、子供達の世代が一緒だな一緒に子育て頑張ろうな」
俺がそう言うと、キドは「ああ、何かあったらお互いに助け合おうな」と言った。それから開会式が終わり、それぞれの待機部屋に向かった。俺は、第一シード枠なので大分試合が進んだ先の10名まで選ばれたら試合が始まる。それまで、俺は自分の闘志を極限の状態に保っておきたいと思い個室の部屋でひたから瞑想する事にした。
その後、体感では数分間だったが実際には数時間経過しており外を見ると大分、陽も傾き始めていた。
「ラルクさん、試合が始まりますので移動お願いします」
「はい」
部屋に呼びに来た大会関係者に付いて行き俺は試合会場へと出た。すると、一斉に歓声が上がり俺はその歓声の中、中央に出ると相手側には俺のよく知る人が立っていた。
「こうして、ラルク君と本気で戦うのは初めてだね? お手柔らかに頼むよラルク君?」
「……最初の相手がアルスさんとは、これまた凄い人が出てきましたね」
「あはは、僕は後から大会に出場する事にしたからね。グルドやイデル達とは違って、1000人の中から勝ち上がって来た。だから、ラルク君の初戦の相手になれたんだよ」
「そうでしたね。何故か、面白すぎのアルスさんが参加表明してなかったなと思っていたら、受付終了間際に提出してましたからね」
「あはは、僕は楽しみは最初に味合う主義なんだ。他の選手と戦って疲れた後のラルク君と戦っても意味が無いからね。やるなら、万全の状態でやりたいから」
アルスさんはそう言うとと同時に試合開始の合図が鳴り、無詠唱で一気に会場全体を覆う程の魔法を展開した。
「行くよ。ラルク君、誰に魔法を習ったか思い出してもらうから」
「忘れた事何て一度も無いですよッ」
アルスさんの魔法の多さに一瞬驚いた俺だったが、直ぐに思考を巡らせ全ての魔法のに対して対局の属性を放ち一つ一つ対処した。すると、そのすぐ後ろから別の属性の魔法をいくつも放って来て、こちらに攻撃の隙を与えない作戦のようだ。
「ラルク君、僕はこれでもレコンメティスの王様だよ。そんじょそこらの魔法使いと一緒にしない方が良いよ」
「それも、したことが無いですよ」
そう言っている俺だが、アルスさんの魔法の手数に対応するのに精一杯だった。なので、俺は一試合目から一つ枷を解く事にした。
「アルスさん、ちゃんと踏ん張って下さいね?」
「ッ!」
俺の言葉が終わるのと同時に、俺は自身から一気に魔力を放出して無数に展開されていた魔法を全て粉砕。そして魔力の波動によって体勢を崩していたアルスさんに対して魔法を放った。
だが、アルスさんはその魔法を済んでの所で対局の属性で粉砕し、状態は開始前へと戻ってしまった。
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