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第22話 先生との再会
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内装は外壁同様に基本はレンガで構築されていた。ただ所々リノベーションされているのが垣間見えた。
天井の蛍光灯もそうだけど、建物内にある蛇口は全て冷水と温水を切り替えられるようになっていたり、空調はもちろん冷蔵庫や電子レンジなど、大半の家電製品も完備されていた。浴室に備わっていた自動風呂沸かし機能やエレベーターがあるのには本当に驚いた。
つい最近カサンドラ姉さんが開発した技術がもうここに取り入れられている。
この建物は私の家よりも遥かに進んでいる。姉さんが協力しない限り、こんなことあり得ない。
ということは……もしかしてカサンドラ姉さんはニールの協力者? たった一か月で姉さんからここまでの信頼を得られるはずがない。もっと昔から知り合いだった可能性が非常に高いんじゃないだろうか……。
まさか外堀を埋めてくるなんて思ってもみなかったわ。だけど、そのおかげで先生をはじめ修道女の子たちが人として暮らせていけるのであれば……ぐぬぬ……ニールのやつ上手いことしたわね。
外観から判断して八階建てぐらいだと思っていたが、実際は六階建てだった。他の建物に比べて天井を高くしているらしい。一階は広々したエントランスホールに応接室、待合室、会議室といった居室が用意されていた。二階は祭儀を執り行うのにピッタリな大広間が広がっていて、三階から最上階は居住区となっていた。部屋数は三十戸ほどあり、各個室には荷物は置かれていたが、その持ち主は見当たらなかった。
最後に私はエレベーターで一階に降りると応接室に通された。先生は私に座るように促すと、私をひとり残して部屋を出て行った。
大人しくイスに座って先生の帰りを待っていると、部屋の外からとある香りが漂ってきた。
私はその正体にすぐに気づいた。芳醇な茶葉の香りと甘ったるい牛乳の香り、教会にいた頃に何度も飲んできたミルクティーの香りだ。
ドアが開くと同時に私は振り向いた。身体のことをガン無視して振り向いたことで、わき腹に多大なダメージを負ってしまった。
私はわき腹を抑え痛みに耐えながらも、先生を目で追った……正確には先生が手にしているカップなんですけどね。
先生は私の前に音も波の一つも立たせることもなくカップを手早く置いた。先生の所作はいつ見ても神業の一言に尽きる。
先生は対面に座り「さあアリシャ温かいうちにどうぞお飲みなさい」と優しい声で勧めてくれた。
私は教会から逃げ出したあの日以来、約九十年ぶりに先生のミルクティーを口にした。
食事とは不思議のものだ……それを口にするだけで、つい昨日の出来事のように記憶がよみがえってくる。だけど、いまはその思い出に浸っているわけにはいかない。
私はまだ飲みたい衝動に駆られながらもカップをテーブルに置くと、背筋を伸ばし先生に視線を向けた。
「先生……大変ご無沙汰しております。色々とお尋ねしたいことはあるのですが、どうして先生がこちらにいらっしゃるのでしょうか?」
「ふふふ、アリシャ。そんなに畏まらなくてもいいのですよ? そこまで他人行儀な態度をとられては私……悲しくなってしまいます。うるる……おろろ……」
先生はそれはもうわざとらしい泣きまねを披露してくれた。
「あっ、そうですよね……そうよね。それで先生はどうしてこちらへ? 私はニール……人間の知り合いからここに行ってほしいと頼まれて来たんだけど?」
私がそう質問すると、先生は「長い話になるから、飲みながら聞きなさい」と言って、湯気立つカップを目の前に置いてくれた。
私がついさっきまで飲んでいたはずのミルクティーはどこに消えたのか……そしていつどのタイミングでミルクティーを淹れなおしたのか……考えても仕方ない、だって先生だもの。
天井の蛍光灯もそうだけど、建物内にある蛇口は全て冷水と温水を切り替えられるようになっていたり、空調はもちろん冷蔵庫や電子レンジなど、大半の家電製品も完備されていた。浴室に備わっていた自動風呂沸かし機能やエレベーターがあるのには本当に驚いた。
つい最近カサンドラ姉さんが開発した技術がもうここに取り入れられている。
この建物は私の家よりも遥かに進んでいる。姉さんが協力しない限り、こんなことあり得ない。
ということは……もしかしてカサンドラ姉さんはニールの協力者? たった一か月で姉さんからここまでの信頼を得られるはずがない。もっと昔から知り合いだった可能性が非常に高いんじゃないだろうか……。
まさか外堀を埋めてくるなんて思ってもみなかったわ。だけど、そのおかげで先生をはじめ修道女の子たちが人として暮らせていけるのであれば……ぐぬぬ……ニールのやつ上手いことしたわね。
外観から判断して八階建てぐらいだと思っていたが、実際は六階建てだった。他の建物に比べて天井を高くしているらしい。一階は広々したエントランスホールに応接室、待合室、会議室といった居室が用意されていた。二階は祭儀を執り行うのにピッタリな大広間が広がっていて、三階から最上階は居住区となっていた。部屋数は三十戸ほどあり、各個室には荷物は置かれていたが、その持ち主は見当たらなかった。
最後に私はエレベーターで一階に降りると応接室に通された。先生は私に座るように促すと、私をひとり残して部屋を出て行った。
大人しくイスに座って先生の帰りを待っていると、部屋の外からとある香りが漂ってきた。
私はその正体にすぐに気づいた。芳醇な茶葉の香りと甘ったるい牛乳の香り、教会にいた頃に何度も飲んできたミルクティーの香りだ。
ドアが開くと同時に私は振り向いた。身体のことをガン無視して振り向いたことで、わき腹に多大なダメージを負ってしまった。
私はわき腹を抑え痛みに耐えながらも、先生を目で追った……正確には先生が手にしているカップなんですけどね。
先生は私の前に音も波の一つも立たせることもなくカップを手早く置いた。先生の所作はいつ見ても神業の一言に尽きる。
先生は対面に座り「さあアリシャ温かいうちにどうぞお飲みなさい」と優しい声で勧めてくれた。
私は教会から逃げ出したあの日以来、約九十年ぶりに先生のミルクティーを口にした。
食事とは不思議のものだ……それを口にするだけで、つい昨日の出来事のように記憶がよみがえってくる。だけど、いまはその思い出に浸っているわけにはいかない。
私はまだ飲みたい衝動に駆られながらもカップをテーブルに置くと、背筋を伸ばし先生に視線を向けた。
「先生……大変ご無沙汰しております。色々とお尋ねしたいことはあるのですが、どうして先生がこちらにいらっしゃるのでしょうか?」
「ふふふ、アリシャ。そんなに畏まらなくてもいいのですよ? そこまで他人行儀な態度をとられては私……悲しくなってしまいます。うるる……おろろ……」
先生はそれはもうわざとらしい泣きまねを披露してくれた。
「あっ、そうですよね……そうよね。それで先生はどうしてこちらへ? 私はニール……人間の知り合いからここに行ってほしいと頼まれて来たんだけど?」
私がそう質問すると、先生は「長い話になるから、飲みながら聞きなさい」と言って、湯気立つカップを目の前に置いてくれた。
私がついさっきまで飲んでいたはずのミルクティーはどこに消えたのか……そしていつどのタイミングでミルクティーを淹れなおしたのか……考えても仕方ない、だって先生だもの。
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