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第1章  伏龍

第60話  研鑽

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 次は”私”のほうかな? 色々な事に手を出したつもりだ。

 まず、テイマーに会って話を聞いた。俺と動物達との関係はテイムでは無いらしい。

 テイムすると支配権が発生して、命令によりその動物を動かせるんだってさ。

 熟練する動物の視界を共有できるそうだ。

 会話が出来るということも無いそうだ。

 そういえば、俺の場合は畑と水田限定の能力だしな。

 それ以外のスズピヨと会話した事も無いからね。

 あとは念願の調合師に合った。

 死の草原の草は、例えるなら毒にも薬にもならなかった。残念!

 まぁ。この草自体は毒なんだけどね。

 調合の方法は伝わっていて、無害のキャコラムという青色の液体になる。

 このキャコラムは何にも調合できないから結局は何の意味も無い。

 キャコラム?? 何か聞いた事があるような?
 
 話を聞いて思ったんだけど、この世界の医師も兼ねる調合師だが、本来は錬金術師とペアというよりも、錬金術師は調合師も兼ねないといけない気がする。

 逆の話も同様で調合師は錬金を学ばなければならないと思う。

 高度に発達した神聖紀時代に専門性が必要になって別れたんだろうが、後退した今の技術ではどっちも片手落ち感が凄いね。

 調合師が調合したものからでないと錬金出来ないとか、逆に錬金した物質から調合するとか。

 だったら両方覚えろよって思うよね? 何度か通って俺は覚えたけどね。

 後は鍛冶と彫金かな?

 どちらもガンソさんのところで試してみた。

 鍛冶は程々に出来るけど性格的に向いてないかな。

 正直に言うとガンソさんが凄すぎて鍛冶を俺がやる意義を感じない。
 
 ガンソさんの奥さん。ヘルヴィさんと言うんだが。彼女が彫金師なんだけど。

 教えてもらった限り、こちらの方が俺には向いている気がする。

 筋が良いって褒められたんだぜ。俺は褒めると伸びるほうだからな。

 ガンソさんの奥さんはあれだ。

 背が高くてサバサバしたタイプだったね。ガンソさんを見る目が優しかった。

 あとは体を鍛えて始めた。

 講師は俺が王都に来た時に研究所まで案内してくれたおっさんだ。

 もと冒険者で警備主任なんだってさ。

 もっと体力をつけろと走り回されてるところだ。

 最後に一番重要な事

 ――ゴーレムの研究に取り掛かった。

 結論から言うと今の錬金術は五〇〇年前の天才から発展していない。

 コストがかかり過ぎて、ボコボコ作れるものでも無いし、簡単に作れるなら軍事利用してるよね。

 まぁ。今でも古代の遺跡では実稼働しているそうだし、折角だから王家所有の体長3mの人型ゴーレムを見せてもらった。

 王家所有の品は鉄製で五〇〇年前の天才が生み出したものらしい。

 古代遺跡のゴーレムは人型でミスリル製らしい。

 動かしてもらったがパワフルだが少し遅い感じ?
 
 取り合えずメイリンさんも巻き込んでいるから、教えもらいながら研究して行こう。

 そして、遂にガンソさんに預けていた。あの赤いものが実稼働する。

 ――ガンソさんでも作るのに結構手こずってたな。
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