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第5章 流来
第76話 吶喊
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『監視者不在。――制御管理室へ転移しますか?』
そのアナウンスを聞いて、俺は一瞬逡巡する。
だが、たまにしか働かない、聖魔法『直観』が行けと報せる。
そうだな。――これが、このスタンピードを治める最善手だろう。
俺は、気合を込めて転移の柱に触る。
これを、門と呼ぶのは俺の感性に抵抗を感じるんだよね。いつもの転移の感覚とともに、移動を果たした。
転移した場所は、真っ白なだだっ広い空間だった。
……はて? 管理室へ転移じゃないの? それとも、ここが管理室?
状況認識の為に辺りを見回す俺の目の前で動きがあった。
幻想的に黒い光が集まり大きな人型の影を作る。
何だろうと見ていると、その影に色が付きモンスターが現れた。
体長3m。真っ赤な体に一本角の生えた鬼だ。
ご丁寧に見慣れた金棒を持っているぜ。
俺がモンスターがポップするところ初めて見たななどと、どうでも良い感慨に浸っていると、その鬼が唸り声を上げて襲い掛かってきた。
俺は楯と槍を準備する。
――って! 出ない。えっ? アイテムボックスが反応しない。
なんでだよっ! と調べると。
『現在凍結中』の文字が、……あんなヤバそうな鬼が出てきているのに、何んで勝手にストライキ始めてんだよっ! クソがっっ!
俺は、金棒の一撃を躱し、右ローを蹴り込む。
ダンジョンで試したが、人型のモンスターは筋肉の付き方や構造が人間に酷似する。
その為、対人の武闘が有効なのだ。
しかも、人間のように足を上げて、蹴りをカットしたりはしないので、的確にダメージを蓄積できる。
アイテムボックスに入れていなかった、手持ちの武器はナイフ二丁。
俺は、それを逆手で両手に構える。
――全く面倒な事だよ。
拳の打撃とナイフの切り付けを用いて、優勢に戦闘をコントロールする。
相手は、力任せの金棒一本だから、楽なもんだ。
ダメージを蓄積させつつ、完封目前の俺に、『直観』魔法が兆しを示す。
誘われるように、視線を送ると、壁に剣が飾られている。
……さっきまでは無かった筈だが。。。
剣かぁ。あまり得意ではないんだよね。
だが、ナイフだけより、剣があった方が、戦いの幅は出せるかな。
貧乏性な俺は、壁の剣を手に入れる事を決める。
最後の一撃で鬼を倒すと。
――――リリン♪
おっっふぅ~。お腹いっぱいです。これは、嵌められたかな?
今はツイストバンクルも確認できない。
やだな、変な機能が追加されたら。
気持ちを切り替えて俺は、壁の剣を手にして抜いてみる。
なるほど、業物だ。
ミスリル製? なんか、違うな、アダマンティンっぽい。
アダマンティンは、古代真聖紀には製造されていた、丈夫な金属で、魔法との相性もよい。そして、俺のツイストバンクルもその素材で出来ている。
アノアディス大師に、神器を見せてもらってなかったら、未知の謎金属で終わっていたね。
俺のナイフより、上等な品だ。せっかくなので、それを腰に下げた。
すると、また始まる黒い光の集合体。
そうですか、続きますか。まぁ。そうでしょうね。
何体か倒したら、ボス的な何かが出てくるんでしょう?
えぇ。えぇ。分かっています。
ラスボスは、俺のコピーかなんかなんでしょう?
己の限界を超えて行け的な? はいはい。お付き合いしますよ。
そのアナウンスを聞いて、俺は一瞬逡巡する。
だが、たまにしか働かない、聖魔法『直観』が行けと報せる。
そうだな。――これが、このスタンピードを治める最善手だろう。
俺は、気合を込めて転移の柱に触る。
これを、門と呼ぶのは俺の感性に抵抗を感じるんだよね。いつもの転移の感覚とともに、移動を果たした。
転移した場所は、真っ白なだだっ広い空間だった。
……はて? 管理室へ転移じゃないの? それとも、ここが管理室?
状況認識の為に辺りを見回す俺の目の前で動きがあった。
幻想的に黒い光が集まり大きな人型の影を作る。
何だろうと見ていると、その影に色が付きモンスターが現れた。
体長3m。真っ赤な体に一本角の生えた鬼だ。
ご丁寧に見慣れた金棒を持っているぜ。
俺がモンスターがポップするところ初めて見たななどと、どうでも良い感慨に浸っていると、その鬼が唸り声を上げて襲い掛かってきた。
俺は楯と槍を準備する。
――って! 出ない。えっ? アイテムボックスが反応しない。
なんでだよっ! と調べると。
『現在凍結中』の文字が、……あんなヤバそうな鬼が出てきているのに、何んで勝手にストライキ始めてんだよっ! クソがっっ!
俺は、金棒の一撃を躱し、右ローを蹴り込む。
ダンジョンで試したが、人型のモンスターは筋肉の付き方や構造が人間に酷似する。
その為、対人の武闘が有効なのだ。
しかも、人間のように足を上げて、蹴りをカットしたりはしないので、的確にダメージを蓄積できる。
アイテムボックスに入れていなかった、手持ちの武器はナイフ二丁。
俺は、それを逆手で両手に構える。
――全く面倒な事だよ。
拳の打撃とナイフの切り付けを用いて、優勢に戦闘をコントロールする。
相手は、力任せの金棒一本だから、楽なもんだ。
ダメージを蓄積させつつ、完封目前の俺に、『直観』魔法が兆しを示す。
誘われるように、視線を送ると、壁に剣が飾られている。
……さっきまでは無かった筈だが。。。
剣かぁ。あまり得意ではないんだよね。
だが、ナイフだけより、剣があった方が、戦いの幅は出せるかな。
貧乏性な俺は、壁の剣を手に入れる事を決める。
最後の一撃で鬼を倒すと。
――――リリン♪
おっっふぅ~。お腹いっぱいです。これは、嵌められたかな?
今はツイストバンクルも確認できない。
やだな、変な機能が追加されたら。
気持ちを切り替えて俺は、壁の剣を手にして抜いてみる。
なるほど、業物だ。
ミスリル製? なんか、違うな、アダマンティンっぽい。
アダマンティンは、古代真聖紀には製造されていた、丈夫な金属で、魔法との相性もよい。そして、俺のツイストバンクルもその素材で出来ている。
アノアディス大師に、神器を見せてもらってなかったら、未知の謎金属で終わっていたね。
俺のナイフより、上等な品だ。せっかくなので、それを腰に下げた。
すると、また始まる黒い光の集合体。
そうですか、続きますか。まぁ。そうでしょうね。
何体か倒したら、ボス的な何かが出てくるんでしょう?
えぇ。えぇ。分かっています。
ラスボスは、俺のコピーかなんかなんでしょう?
己の限界を超えて行け的な? はいはい。お付き合いしますよ。
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