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第6章  罪咎

第76話  減罪

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 お使いを頼んだエステラから、ジョシュアさんの葬儀は三日後だと伝えられた。しかも、そちらの参列へ許可を頂いた。むしろ是非送って欲しいとお願いされたそうだ。厚顔にも見送りに伺おうと思う。

 昨日は気付かなかったが、シェリルさんは眼が見えないようだ。初めて会った時も夜はジョシュアさんに優しく介添えされていたのを思い出したが、今では明暗程度しか認識できないそうだ。

 咎人の俺は決めた。罪滅ぼしの押し売りを、その為に今診察中だ。シェリルさんと両手を繋いで体内検査魔法を発動中。

 眼の辺りに濁った淀みが纏わりつく印象だ。これは、悪意からの呪いだと伝えられた。気持ちの悪い黒蝶とも似ている気がする。

 試しにミドルヒールをかけるてみるが、その淀みが晴れる様子はない。

「シェリルさん。俺の右手で瞼を覆っても良いですか?」
 
「えぇ。構いませんよ」

 まぁ。これもダメ元だ。瞼に手の平を当てると少しひんやりとして吸い付くように滑らかだ。変な気を振り払い。カルマ免疫を連打する。連打。連打。打。打。打。。。



 ――ですよねぇ。期待に応えてはくれない。いつもの事だよ。

 まぁ。自慢じゃないが、俺は人間最高峰の錬金技術を持つ男だ。エルフには俺より凄い人が少なくとも二人以上はいるがな。

 そして、俺にはテイムという技術がある。器用で貧乏を自認する俺だ。他の生物から視界を借りられる、その現象を錬金で目指すに決まっているだろ! それに準ずる技術を研究した。そしてそれは既に開発済みだ。

 リング地雷になんて期待できないからね。次善の策だがそれで当面を解決したい。

「シェリルさん。額にアクセサリーを付けさせてもらいます。失礼します」

 これは返事を待たずに強硬する。俺が取り出したのは魔道具だ。種類としてはサークレットとか華美でないマリアティアラと呼ばれる物だ。額にシェリルさんの瞳と合わせた金色で雫型の宝石をあしらい細いチェーンを頭に載せて固定している。

「――! これは何でしょうか?」

 眼の見えないシェリルさんはお針子さんとして家で働いているそうだ。

「少し待ってもらってもいいですか?」

 俺は絞るように調整する。魔道具のリンクとシェリルさんの魔力の波長を。慎重に。


 ――ここだ。
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