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第五章 リュータと異国の塔
第五十一話 リュータ、単身で塔に登る
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兵士に呼び出された俺は、あの後良く分からないルートで砦の中を進み、ある部屋でお偉い人の前に立たされた。
そしてそのお偉い人は俺を第一級奴隷にすると一方的に告げ、そのまま部屋を出て行った。
その翌日、俺はたった一人で塔の攻略を申し付けられた。
「何が武功一等につき、第一級奴隷に昇格だ」
そうぼやきつつ、俺は塔を見上げる。
塔は石造りの堅牢なたたずまいを見せており、崩れてくるような不安は一切感じない。
他の外観の特徴はと言えば、村程度ならスッポリ入ってしまうほど超巨大な円筒状の中心部と、時折左右に尖塔が枝葉のように出ているごくありきたりな塔だと思う。窓のようなものはほとんどなく、内部を外から知ることは出来ない。探索中にはベランダのような場所もあったが、それも上層階にはないと言われている。何と言っても塔は雲を突き抜けているのだ。そんな高さにまで窓はさすがにないだろう。
「しかしまぁ、こうして見るとまるで名作アクションゲームの塔みたいだな」
もちろん地下に女神様が捕まっているなんて展開はない。そしてふと、あのゲームの体当たり半キャラずらしは画期的だったって聞いたのを思い出した。俺はリメイク版しかしたことないけど、父さんがよくあの頃のゲームを好んでプレイしていたのを後ろから覗いてっけ。
「あのゲームと違って、塔の中身はどちらかと言うと商人が潜るダンジョンの方だよな」
塔の中身は仕掛け満載のトル〇コ風ダンジョンで、宝箱は罠、怪しげな床も罠と、罠だらけ。即死するようなものはないが、いたぶるのが目的だと分かるような醜悪な罠ばかりだった。
とは言え、俺の『探査』であれば罠は見破る事が出来る。解除は出来ないが、確かに俺一人の方が攻略は早いだろう。
「さて、あまり眺めていても怒られるか」
そう呟き、心の準備が出来たと守衛さんに告げれば、憐れみのこもった目で見送られた。
それはそうだろう。
この塔に単身乗り込むという事は、死を意味する。何せ休憩が出来ない。魔獣があふれるこの塔で、どうやって寝ればいいのか。
「つまりこれは、厄介払いなんだな」
『ステータス』 オープン。
タナベ=リュータ Lv44 MP183
筋力 38
敏捷 35
魔力 71
生命 39
器用 41
信仰 33
スキル:ステータス、生活魔法、解説+、棒術+、収納+、魚人式古代泳法+、流体操作+、存在耐性+、魔力解放+、身体能力解放+
レベルがずいぶんと上がった。その為にステータスも大幅に上昇し、生存能力もかなり上がった。
だが、それでも生き残るには足りずに、俺は無意識に新しいスキルを取得していた。
新たに覚えたのは、魔力解放と身体能力解放。
魔力解放のスキルの派生はこうなっている。
MP総量増加-MP消費量減少-魔力解放
あいかわらず最上位のスキルはチート級で、魔力解放はその名前の通り、魔力を解放させるというもの。説明を読むに、魔力が関わっているものならなんでも解体したり吸収したりできるような、そんなスキルだ。当然、魔力を多く内包している魔物、魔獣相手だと開放を使うと即死させられる。
最悪の即死スキルだが、その反動はすさまじく、俺の全MPを捧げた上で、更に俺が全身打撲の重傷となる。
「でも、勇者さえ殺せそうなスキルだよな」
相手のMPの全てを奪い、俺の魔力を上乗せして叩き付けるような、そんな大技。パーティで塔を登っていた際にボスクラスの相手に一度使ったっきりで、今後はソロで登るのだからもう使う機会はないだろうが、威力に関しては俺のスキルの中でもズバ抜けている。ヘタをしたらあの暴走玄武をその一撃で倒せそうなほどだ。最も、反動で俺は死ぬだろうが。
「そして身体能力解放は、勇者専用っと」
あるいは英雄専用で、俺は使用する事さえ出来ない。つくづく俺が一般人だと思い知らされる。
その代わり下位スキルである身体能力向上とHP回復増加はとてもありがたかった。
「HP回復増加は、骨折も打撲も時間経過で治るんだから反則だよな」
そう言う意味では、これの更に上位スキルを持つ勇者はとんでもない。ミチルさんやワン君がどれだけ規格外な存在なのか改めて知ったよ。
「ま、一般人の俺は、俺のやり方でダンジョン攻略をしますかね」
奴隷の首輪がある以上、俺は逃げられない。
今は前に、上に進むしかないのだから。
***
神界の、とある神は唸っていた。
「彼は一体何者っすか」
腕を組み、下界を見下ろしながらリュータの主神「自称笑いの神」はそう呟くが、答えらえる者はいない。
この場には、己よりも格の低い、自我があるのかさえ怪しい末端の神々しかいないからである。しかし彼らは「自称笑いの神」を友と慕い、何故か力を貸してくれている。覚えはないものの、きっと自分にとって大切な神たちだったのだろうと「自称笑いの神」は判断し、儚く今にも消えそうな彼らを守るように、常に側にいた。
「うーん。僕もそれほど力が残ってないっす。一柱で調べるのも、考えるのも限界っすね」
そもそもにおいて、神様とは言え、個人のプライベートを覗くことは出来ない。彼、リュータを観察しているのも、彼がこの「自称笑いの神」の使徒であるからだった。だから断片的にしか情報を拾えず、リュータ自身が何者かを掴みかねていた。
「前の世界では、ごく普通の学生だったはずっす。しかしこれは、異常っす」
先ほど彼のステータスを覗き見た神は、その上がりの低さに絶句した。Lv44など、あの世界で生きる者たちにとっては序の口である。リュータとよく共に行動しているガルフはLv245、リュータの相方であるシルビィエンテクライテアに至ってはLv931である。他にもミントはLv531、勇者ミチルはLv444である。
ちなみにどうしてそれが分かったかと言えば、リュータがむやみやたらに『調査』を行ない、その情報を拾い上げているからである。最もリュータはそのスキルを十全には使いこなせておらず、また、個人のプライベートを覗き見る趣味もないためか、調べるだけ調べておいて見向きもしていなかった。
「これもまた異常っすね」
使いこなせていないのに、情報の吸い上げだけは行なえている。彼がその気になれば、おそらく過去ログ機能で相手のプライベートを後から読むことさえ可能である。それはまさに、全知たる者の所業でもあった。
「いよいよこうなれば、地球のあった世界の神々に泣いて頼むしかないっすね」
そうして「自称笑いの神」は、大勢の友を引き連れて、地球の神々の元へと移動し始めた。
***
「今日で三日目、か」
あれから俺の探索は順調だった。それと言うのもこの魔獣や魔物たちに『消音』『消臭』が有効だったからだ。一度姿をくらませて、『消音』『消臭』でじっと静かにしていれば、勝手にあいつらはいなくなる。するとその先6時間は安全地帯になる。
「魔獣が大量に肉や種をドロップしてくれるのも大きいな」
肉はともかく、獣のような形をしているのにドロップするのが種と言うものが不思議だった。『鑑定』すれば、どうやらそれは魔獣や魔物が体内で形成しているもので、植物の種と同一のものだと判明している。まるで牛やタヌキのような魔獣たちが、種から生えてくる植物型の魔獣であるかのような、そんな不思議だった。
「野菜としても食べれるから、栄養が偏る事がなくて助かる。とは言え、火を付けるマキが少ないのがやっぱり難点だな」
時々何かの小枝のようなものをドロップする魔物が現れる。エントと言う巨大な樹木の魔物だ。こいつは種を落とさない代わりに、エントの皮やエンドの小枝などを落としてくれる。燃料に最適なので俺はこいつを見かけたら徹底的に狩るようにしている。沸き待ちもするくらいだった。
「現在位置は確か、『ステータス』。そうか、もう八階か」
二階層ごとに小ボスと、三階層ごとに中ボスがおり、中ボスは二度倒している。六階は超えた認識があったものの、その先の七階、八階はスロープ式だったので上がっている感覚が乏しかった。しかし『生活魔法』の『自動マッピング』により、きちんと階層が変わっていたので安堵した。
「あのままスロープで延々と六階層を登らされ続けられたらウツになるぞ」
実にいやらしい演出であるが、果たしてそれがダンジョンの意図した事なのかどうか。
それにしても
「この塔は一体どれくらいの高さがあるんだ」
まだ階層が二桁にも達していない。先がどれほどのものなのか。この先、『消臭』『消音』だけで切り抜けられるのか。
いや、考えても仕方がない。
「進むしかないんだ!」
俺は我虎牙棍を握り直して、再び上を目指した。
目の前に横切った腐った猫のような魔獣を薙ぎ払い、棍の先に灯した『生活魔法』の火十連で焼き殺す。フクロウ型の魔物が飛んでくるが、その突撃を『流体感知』で受け流して、地面に落ちたそいつを焼き殺す。『MP消費量減少』のお陰で火十連の消費MPは1。今の俺なら百八十三発は打てるし、その間にMPも回復する。よほど無茶をしなければMPが切れることはなくなっている。
「とは言え、疲れはするんだよ!!」
魔法を連続で使うと、魔力酔いに似た症状が出る。だからこまめに休憩を取り、慎重に進む必要があった。三日もかけて、まだ八階なのにはそのような理由があるんだ。先は長いのに、遅々として進まない。雲を突き抜けるほどの高さの塔なんて、何階建てなんだよ!
「しかし、ボスがいないな」
ここは偶数階だから、フロアボスと呼ぶべき小ボスのような存在がいるはず。それが見当たらない。性格の悪いダンジョンの事だから、どこかに潜んでいるのだろうが、倒さなければ先には進めないはずなので、俺は慎重に脳内マップを埋めながら、しらみ潰しにフロアを探し回った。
しかし俺はその日、フロアボスを見つけることは出来なかった。
そしてそのお偉い人は俺を第一級奴隷にすると一方的に告げ、そのまま部屋を出て行った。
その翌日、俺はたった一人で塔の攻略を申し付けられた。
「何が武功一等につき、第一級奴隷に昇格だ」
そうぼやきつつ、俺は塔を見上げる。
塔は石造りの堅牢なたたずまいを見せており、崩れてくるような不安は一切感じない。
他の外観の特徴はと言えば、村程度ならスッポリ入ってしまうほど超巨大な円筒状の中心部と、時折左右に尖塔が枝葉のように出ているごくありきたりな塔だと思う。窓のようなものはほとんどなく、内部を外から知ることは出来ない。探索中にはベランダのような場所もあったが、それも上層階にはないと言われている。何と言っても塔は雲を突き抜けているのだ。そんな高さにまで窓はさすがにないだろう。
「しかしまぁ、こうして見るとまるで名作アクションゲームの塔みたいだな」
もちろん地下に女神様が捕まっているなんて展開はない。そしてふと、あのゲームの体当たり半キャラずらしは画期的だったって聞いたのを思い出した。俺はリメイク版しかしたことないけど、父さんがよくあの頃のゲームを好んでプレイしていたのを後ろから覗いてっけ。
「あのゲームと違って、塔の中身はどちらかと言うと商人が潜るダンジョンの方だよな」
塔の中身は仕掛け満載のトル〇コ風ダンジョンで、宝箱は罠、怪しげな床も罠と、罠だらけ。即死するようなものはないが、いたぶるのが目的だと分かるような醜悪な罠ばかりだった。
とは言え、俺の『探査』であれば罠は見破る事が出来る。解除は出来ないが、確かに俺一人の方が攻略は早いだろう。
「さて、あまり眺めていても怒られるか」
そう呟き、心の準備が出来たと守衛さんに告げれば、憐れみのこもった目で見送られた。
それはそうだろう。
この塔に単身乗り込むという事は、死を意味する。何せ休憩が出来ない。魔獣があふれるこの塔で、どうやって寝ればいいのか。
「つまりこれは、厄介払いなんだな」
『ステータス』 オープン。
タナベ=リュータ Lv44 MP183
筋力 38
敏捷 35
魔力 71
生命 39
器用 41
信仰 33
スキル:ステータス、生活魔法、解説+、棒術+、収納+、魚人式古代泳法+、流体操作+、存在耐性+、魔力解放+、身体能力解放+
レベルがずいぶんと上がった。その為にステータスも大幅に上昇し、生存能力もかなり上がった。
だが、それでも生き残るには足りずに、俺は無意識に新しいスキルを取得していた。
新たに覚えたのは、魔力解放と身体能力解放。
魔力解放のスキルの派生はこうなっている。
MP総量増加-MP消費量減少-魔力解放
あいかわらず最上位のスキルはチート級で、魔力解放はその名前の通り、魔力を解放させるというもの。説明を読むに、魔力が関わっているものならなんでも解体したり吸収したりできるような、そんなスキルだ。当然、魔力を多く内包している魔物、魔獣相手だと開放を使うと即死させられる。
最悪の即死スキルだが、その反動はすさまじく、俺の全MPを捧げた上で、更に俺が全身打撲の重傷となる。
「でも、勇者さえ殺せそうなスキルだよな」
相手のMPの全てを奪い、俺の魔力を上乗せして叩き付けるような、そんな大技。パーティで塔を登っていた際にボスクラスの相手に一度使ったっきりで、今後はソロで登るのだからもう使う機会はないだろうが、威力に関しては俺のスキルの中でもズバ抜けている。ヘタをしたらあの暴走玄武をその一撃で倒せそうなほどだ。最も、反動で俺は死ぬだろうが。
「そして身体能力解放は、勇者専用っと」
あるいは英雄専用で、俺は使用する事さえ出来ない。つくづく俺が一般人だと思い知らされる。
その代わり下位スキルである身体能力向上とHP回復増加はとてもありがたかった。
「HP回復増加は、骨折も打撲も時間経過で治るんだから反則だよな」
そう言う意味では、これの更に上位スキルを持つ勇者はとんでもない。ミチルさんやワン君がどれだけ規格外な存在なのか改めて知ったよ。
「ま、一般人の俺は、俺のやり方でダンジョン攻略をしますかね」
奴隷の首輪がある以上、俺は逃げられない。
今は前に、上に進むしかないのだから。
***
神界の、とある神は唸っていた。
「彼は一体何者っすか」
腕を組み、下界を見下ろしながらリュータの主神「自称笑いの神」はそう呟くが、答えらえる者はいない。
この場には、己よりも格の低い、自我があるのかさえ怪しい末端の神々しかいないからである。しかし彼らは「自称笑いの神」を友と慕い、何故か力を貸してくれている。覚えはないものの、きっと自分にとって大切な神たちだったのだろうと「自称笑いの神」は判断し、儚く今にも消えそうな彼らを守るように、常に側にいた。
「うーん。僕もそれほど力が残ってないっす。一柱で調べるのも、考えるのも限界っすね」
そもそもにおいて、神様とは言え、個人のプライベートを覗くことは出来ない。彼、リュータを観察しているのも、彼がこの「自称笑いの神」の使徒であるからだった。だから断片的にしか情報を拾えず、リュータ自身が何者かを掴みかねていた。
「前の世界では、ごく普通の学生だったはずっす。しかしこれは、異常っす」
先ほど彼のステータスを覗き見た神は、その上がりの低さに絶句した。Lv44など、あの世界で生きる者たちにとっては序の口である。リュータとよく共に行動しているガルフはLv245、リュータの相方であるシルビィエンテクライテアに至ってはLv931である。他にもミントはLv531、勇者ミチルはLv444である。
ちなみにどうしてそれが分かったかと言えば、リュータがむやみやたらに『調査』を行ない、その情報を拾い上げているからである。最もリュータはそのスキルを十全には使いこなせておらず、また、個人のプライベートを覗き見る趣味もないためか、調べるだけ調べておいて見向きもしていなかった。
「これもまた異常っすね」
使いこなせていないのに、情報の吸い上げだけは行なえている。彼がその気になれば、おそらく過去ログ機能で相手のプライベートを後から読むことさえ可能である。それはまさに、全知たる者の所業でもあった。
「いよいよこうなれば、地球のあった世界の神々に泣いて頼むしかないっすね」
そうして「自称笑いの神」は、大勢の友を引き連れて、地球の神々の元へと移動し始めた。
***
「今日で三日目、か」
あれから俺の探索は順調だった。それと言うのもこの魔獣や魔物たちに『消音』『消臭』が有効だったからだ。一度姿をくらませて、『消音』『消臭』でじっと静かにしていれば、勝手にあいつらはいなくなる。するとその先6時間は安全地帯になる。
「魔獣が大量に肉や種をドロップしてくれるのも大きいな」
肉はともかく、獣のような形をしているのにドロップするのが種と言うものが不思議だった。『鑑定』すれば、どうやらそれは魔獣や魔物が体内で形成しているもので、植物の種と同一のものだと判明している。まるで牛やタヌキのような魔獣たちが、種から生えてくる植物型の魔獣であるかのような、そんな不思議だった。
「野菜としても食べれるから、栄養が偏る事がなくて助かる。とは言え、火を付けるマキが少ないのがやっぱり難点だな」
時々何かの小枝のようなものをドロップする魔物が現れる。エントと言う巨大な樹木の魔物だ。こいつは種を落とさない代わりに、エントの皮やエンドの小枝などを落としてくれる。燃料に最適なので俺はこいつを見かけたら徹底的に狩るようにしている。沸き待ちもするくらいだった。
「現在位置は確か、『ステータス』。そうか、もう八階か」
二階層ごとに小ボスと、三階層ごとに中ボスがおり、中ボスは二度倒している。六階は超えた認識があったものの、その先の七階、八階はスロープ式だったので上がっている感覚が乏しかった。しかし『生活魔法』の『自動マッピング』により、きちんと階層が変わっていたので安堵した。
「あのままスロープで延々と六階層を登らされ続けられたらウツになるぞ」
実にいやらしい演出であるが、果たしてそれがダンジョンの意図した事なのかどうか。
それにしても
「この塔は一体どれくらいの高さがあるんだ」
まだ階層が二桁にも達していない。先がどれほどのものなのか。この先、『消臭』『消音』だけで切り抜けられるのか。
いや、考えても仕方がない。
「進むしかないんだ!」
俺は我虎牙棍を握り直して、再び上を目指した。
目の前に横切った腐った猫のような魔獣を薙ぎ払い、棍の先に灯した『生活魔法』の火十連で焼き殺す。フクロウ型の魔物が飛んでくるが、その突撃を『流体感知』で受け流して、地面に落ちたそいつを焼き殺す。『MP消費量減少』のお陰で火十連の消費MPは1。今の俺なら百八十三発は打てるし、その間にMPも回復する。よほど無茶をしなければMPが切れることはなくなっている。
「とは言え、疲れはするんだよ!!」
魔法を連続で使うと、魔力酔いに似た症状が出る。だからこまめに休憩を取り、慎重に進む必要があった。三日もかけて、まだ八階なのにはそのような理由があるんだ。先は長いのに、遅々として進まない。雲を突き抜けるほどの高さの塔なんて、何階建てなんだよ!
「しかし、ボスがいないな」
ここは偶数階だから、フロアボスと呼ぶべき小ボスのような存在がいるはず。それが見当たらない。性格の悪いダンジョンの事だから、どこかに潜んでいるのだろうが、倒さなければ先には進めないはずなので、俺は慎重に脳内マップを埋めながら、しらみ潰しにフロアを探し回った。
しかし俺はその日、フロアボスを見つけることは出来なかった。
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