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第五章 リュータと異国の塔
第五十六話 エルフの真実
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「パパパ、パンツぅ!?」
まるでギョギョギョ!? と言いそうなほどのオーバーリアクションでワン君がのけぞっている。いや、エルフでも普通パンツくらい穿くでしょ?
「お前ら、その、ヤる事ヤったんだロ? なんで今更パンツ如きでうろたえてンダヨ!?」
「ワン、お座り」
「うおっ、さ、逆らえネェ・・・」
ワン君のひどいあおりに飼い主さんのミチルさんが額に青筋を浮かべていた。ミチルさんは良家のお嬢様だったみたいだしこういう生々しい話題はダメみたいだ。触手はよくてパンツがダメってのは、いまいち基準が分からんけど。
「と言うかワン君。ここは男子校じゃないんだからそう言うネタはちょっと・・・」
「ネタじゃねーし!? おい、なんで裸で抱き合ってくんずほぐれつしたような仲なのにパンツでうろたえれるンダ!? 経験のない俺様にちょっとなんでか教えてください!」
あ、うん、だからそう言うノリが男子校のノリだって言ってるだろ。ほら見ろ、周りの女性陣、ドン引きじゃないか。だから君は顔がいいのにまったくモテないんだよ。
「恥じらい捨てたら終わりだろ。それに、裸で抱き合ってくんずほぐれつはしてないし」
「はぁ!? ナンでだよ!? 子作りしたんだロ!? ありえねー・・・、いや、まさかテメー、着衣主義者か!!」
「着エロ主義者は滅すべしです!」
「なんでここでミチルさんまでノって来たの!?」
と言うか着衣主義者とか、着エロ主義者とか、なんなの!? 日本語のはずなのに、知らないんだけど!?
誰か助けてよ!
「お待ちください」
「ミレイさん!」
頼む、この変態二人を止めて下さい!
「私が妊娠したのも、着衣プレイでした!」
何カミングアウトしちゃってんの、この人!?
「あ、ありえネェ・・・、まさかエルフが着衣主義者だったなンて・・・」
「そんな・・・」
ワン君が絶望顔で崩れ落ち、ミチルさんは四つん這いになってorzしていた。
なんだこれ、なんだこれ!?
誰か、なんとかしてくれ!
「ワシ、ちょっと部屋戻っておるからの・・・。下着も戻さねばならぬしの・・・」
やめて! この空間で俺を一人にしないで!
***
「ハァ!? キスしかしてないだァ?」
「うん。ものすごいディィィプなのだけどね」
「そ、それは・・・詳しく! kwsk!!」
密林ダンジョンでの話をチラリとしたら、ワン君が予想通りの反応をして、ミチルさんが予想外の反応を示した。
いや、鼻息荒いし、近いって!
美少女の変顔なんて見たくないし!
「ちょっとミチルさん、近い近い近いぃぃぃ」
ミチルさんの顔が俺の眼前にあって、なんだか彼女からいい匂いがするんだけど、でもミチルさん、ものすごい変顔だよ!
なんでそんな目が血走っていて、鼻の穴がふくらんでいて、口がへの字に半開きなのさ!!
常の美少女感が台無しだよ!!
「おいよせ。んで、なンでテメーはキスしただけなのに、ヤる事ヤったって言ったんダ?」
ミチルさんを引き離してくれたワン君、グッジョブ! 君はやれば出来る子だって俺、信じてたから!
「エルフの人って、キスで妊娠するんだって聞いたのよ。だから毎日こう、俺の意識が失われるまで濃密なディィイプなキスをね」
だからある意味で俺は童貞のままです。童貞のままパパになるかもしれない。ちょっとドキドキ。
「いえ、それはありませんが・・・」
「ミレイさん!? なんで!?」
赤裸々な性生活をカミングアウトしたら、なぜかシルちゃんと同族のエルフのミレイさんからダメ出しが!?
「あ、そうか。エルフとハイエルフでは子作りの仕方が違うのか」
「いえ、同じですが・・・」
「え?」
「そもそも人と、する行為は同じです。そうでなければハーフなどと言う存在も生まれませんが」
確かに言われてみれば、そうだよね。
「って、そんなバカな!? シルちゃん、自信満々にこれが作法じゃ! とか言ってたよ!?」
「・・・、!?」
あ、なんかミレイさんが「しまったぁ」って顔してる。
「なにか隠してません?」
「な、ナ・ニーモ」
明らかに隠してます。
「なるほどナァ。つまりあのシルビィババァは性知識が子供並なんだナ?」
「年増なのに子供並、ロリババァ・・・はぁはぁはぁ」
納得顔のワン君と、興奮しすぎてもはや人格が崩壊寸前なミチルさん。いや、シルちゃん見た目十六歳だしロリとは違うんじゃないかな?
しかし思えば、エルフの里に行くと言った時もミチルさんはこのくらい一人で盛り上がっていた気がする。最初はミチルさんもエルフスキーなのかと思っていたけど、何かこれ、違うよね?
「エルフの人たち大きすぎって思ったけど、シルビィちゃんは可愛くて理想のエルフだし! リュータさん、寝取り、NTRってありですか!?」
なしです。
と言うか、勘弁してください。
orz
***
「私は、男の人に手を握られたら妊娠してしまうと」
「私は赤ちゃんはコウノトリに運ばれてくると」
「人族に見られただけで妊娠してしまうと」
「赤ちゃんは畑に植わっていると」
「そして私がキスだけで妊娠すると教えました!」
急きょ集合したこのお社を守護する女性陣に説明を聞いたところ、うん、彼女らの性教育の賜物がシルちゃんだったと言う真実が浮かび上がってきたわけで。
「ないわー」
なお、キスだけで妊娠はミレイさんが教えたそうです。
なんでだよ!?
「八百年も生きていて、自称エルフのお婆ちゃんなのに何も知らないって、興奮しますね!」
「アア、ウン。ソダネ」
そんなシルちゃん以上に「ない」人物は、あなたですよミチルさん。
「おいおいおいおい、ならテメーはまだ俺の同志って訳だナァ!?」
そしてものすごく馴れ馴れしく肩に手を回してくるのは、ワン君。
「同志って・・・。いや、キスはしてるんだけど・・・。いや、そうか! 君も誰かとキスはしたことがあるのか・・・ん?」
なんでかワン君が震え出した。
「キスはイヤダキスハイヤダイヤダヤメテモウヤメテ・・・ブホアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!?」
ナンデ!?
俺の布団をかっぱらってこもっちゃったよ、彼!?
「意味分からん」
「彼、どうやらこちらに来て当初に、見目麗しくない女性に押し倒されてキスされたのがトラウマみたいなんです」
ミチルさん、戻って来たんか!
いやしかし、そう言う事か。アベリア王国め、何を色々とやらかしてんのさ!
「しかしシルビィエンテクライテア様に恋人が出来たのであれば、これは非常にまずいですね」
「そうね。いくら可愛くても里長だし、いくら可愛くてもハイエルフで神々の巫女だし」
「可愛すぎてみんなで嘘を教えたのがバレたら、えらいことですね」
「いっそ、恋人を暗殺するとか?」
おい、その恋人、目の前にいるんだが?
なに物騒な事を相談してんのよ、君ら!
「いやいや、そう言うのはナシの方向でお願いします」
・・・。
「どうしましょう?」
「里の恩人よね、彼」
「そう言う意味ではぴったりの相手なんだけど」
「でも里帰りに他の女を連れてきたのよ? それだけでもう万死に値しない?」
「するするー。万死よねー」
「八つ裂きよねー」
なんでだよ!?
と言うか万死とか八つ裂きとか、怖いわ!
まるでギョギョギョ!? と言いそうなほどのオーバーリアクションでワン君がのけぞっている。いや、エルフでも普通パンツくらい穿くでしょ?
「お前ら、その、ヤる事ヤったんだロ? なんで今更パンツ如きでうろたえてンダヨ!?」
「ワン、お座り」
「うおっ、さ、逆らえネェ・・・」
ワン君のひどいあおりに飼い主さんのミチルさんが額に青筋を浮かべていた。ミチルさんは良家のお嬢様だったみたいだしこういう生々しい話題はダメみたいだ。触手はよくてパンツがダメってのは、いまいち基準が分からんけど。
「と言うかワン君。ここは男子校じゃないんだからそう言うネタはちょっと・・・」
「ネタじゃねーし!? おい、なんで裸で抱き合ってくんずほぐれつしたような仲なのにパンツでうろたえれるンダ!? 経験のない俺様にちょっとなんでか教えてください!」
あ、うん、だからそう言うノリが男子校のノリだって言ってるだろ。ほら見ろ、周りの女性陣、ドン引きじゃないか。だから君は顔がいいのにまったくモテないんだよ。
「恥じらい捨てたら終わりだろ。それに、裸で抱き合ってくんずほぐれつはしてないし」
「はぁ!? ナンでだよ!? 子作りしたんだロ!? ありえねー・・・、いや、まさかテメー、着衣主義者か!!」
「着エロ主義者は滅すべしです!」
「なんでここでミチルさんまでノって来たの!?」
と言うか着衣主義者とか、着エロ主義者とか、なんなの!? 日本語のはずなのに、知らないんだけど!?
誰か助けてよ!
「お待ちください」
「ミレイさん!」
頼む、この変態二人を止めて下さい!
「私が妊娠したのも、着衣プレイでした!」
何カミングアウトしちゃってんの、この人!?
「あ、ありえネェ・・・、まさかエルフが着衣主義者だったなンて・・・」
「そんな・・・」
ワン君が絶望顔で崩れ落ち、ミチルさんは四つん這いになってorzしていた。
なんだこれ、なんだこれ!?
誰か、なんとかしてくれ!
「ワシ、ちょっと部屋戻っておるからの・・・。下着も戻さねばならぬしの・・・」
やめて! この空間で俺を一人にしないで!
***
「ハァ!? キスしかしてないだァ?」
「うん。ものすごいディィィプなのだけどね」
「そ、それは・・・詳しく! kwsk!!」
密林ダンジョンでの話をチラリとしたら、ワン君が予想通りの反応をして、ミチルさんが予想外の反応を示した。
いや、鼻息荒いし、近いって!
美少女の変顔なんて見たくないし!
「ちょっとミチルさん、近い近い近いぃぃぃ」
ミチルさんの顔が俺の眼前にあって、なんだか彼女からいい匂いがするんだけど、でもミチルさん、ものすごい変顔だよ!
なんでそんな目が血走っていて、鼻の穴がふくらんでいて、口がへの字に半開きなのさ!!
常の美少女感が台無しだよ!!
「おいよせ。んで、なンでテメーはキスしただけなのに、ヤる事ヤったって言ったんダ?」
ミチルさんを引き離してくれたワン君、グッジョブ! 君はやれば出来る子だって俺、信じてたから!
「エルフの人って、キスで妊娠するんだって聞いたのよ。だから毎日こう、俺の意識が失われるまで濃密なディィイプなキスをね」
だからある意味で俺は童貞のままです。童貞のままパパになるかもしれない。ちょっとドキドキ。
「いえ、それはありませんが・・・」
「ミレイさん!? なんで!?」
赤裸々な性生活をカミングアウトしたら、なぜかシルちゃんと同族のエルフのミレイさんからダメ出しが!?
「あ、そうか。エルフとハイエルフでは子作りの仕方が違うのか」
「いえ、同じですが・・・」
「え?」
「そもそも人と、する行為は同じです。そうでなければハーフなどと言う存在も生まれませんが」
確かに言われてみれば、そうだよね。
「って、そんなバカな!? シルちゃん、自信満々にこれが作法じゃ! とか言ってたよ!?」
「・・・、!?」
あ、なんかミレイさんが「しまったぁ」って顔してる。
「なにか隠してません?」
「な、ナ・ニーモ」
明らかに隠してます。
「なるほどナァ。つまりあのシルビィババァは性知識が子供並なんだナ?」
「年増なのに子供並、ロリババァ・・・はぁはぁはぁ」
納得顔のワン君と、興奮しすぎてもはや人格が崩壊寸前なミチルさん。いや、シルちゃん見た目十六歳だしロリとは違うんじゃないかな?
しかし思えば、エルフの里に行くと言った時もミチルさんはこのくらい一人で盛り上がっていた気がする。最初はミチルさんもエルフスキーなのかと思っていたけど、何かこれ、違うよね?
「エルフの人たち大きすぎって思ったけど、シルビィちゃんは可愛くて理想のエルフだし! リュータさん、寝取り、NTRってありですか!?」
なしです。
と言うか、勘弁してください。
orz
***
「私は、男の人に手を握られたら妊娠してしまうと」
「私は赤ちゃんはコウノトリに運ばれてくると」
「人族に見られただけで妊娠してしまうと」
「赤ちゃんは畑に植わっていると」
「そして私がキスだけで妊娠すると教えました!」
急きょ集合したこのお社を守護する女性陣に説明を聞いたところ、うん、彼女らの性教育の賜物がシルちゃんだったと言う真実が浮かび上がってきたわけで。
「ないわー」
なお、キスだけで妊娠はミレイさんが教えたそうです。
なんでだよ!?
「八百年も生きていて、自称エルフのお婆ちゃんなのに何も知らないって、興奮しますね!」
「アア、ウン。ソダネ」
そんなシルちゃん以上に「ない」人物は、あなたですよミチルさん。
「おいおいおいおい、ならテメーはまだ俺の同志って訳だナァ!?」
そしてものすごく馴れ馴れしく肩に手を回してくるのは、ワン君。
「同志って・・・。いや、キスはしてるんだけど・・・。いや、そうか! 君も誰かとキスはしたことがあるのか・・・ん?」
なんでかワン君が震え出した。
「キスはイヤダキスハイヤダイヤダヤメテモウヤメテ・・・ブホアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!?」
ナンデ!?
俺の布団をかっぱらってこもっちゃったよ、彼!?
「意味分からん」
「彼、どうやらこちらに来て当初に、見目麗しくない女性に押し倒されてキスされたのがトラウマみたいなんです」
ミチルさん、戻って来たんか!
いやしかし、そう言う事か。アベリア王国め、何を色々とやらかしてんのさ!
「しかしシルビィエンテクライテア様に恋人が出来たのであれば、これは非常にまずいですね」
「そうね。いくら可愛くても里長だし、いくら可愛くてもハイエルフで神々の巫女だし」
「可愛すぎてみんなで嘘を教えたのがバレたら、えらいことですね」
「いっそ、恋人を暗殺するとか?」
おい、その恋人、目の前にいるんだが?
なに物騒な事を相談してんのよ、君ら!
「いやいや、そう言うのはナシの方向でお願いします」
・・・。
「どうしましょう?」
「里の恩人よね、彼」
「そう言う意味ではぴったりの相手なんだけど」
「でも里帰りに他の女を連れてきたのよ? それだけでもう万死に値しない?」
「するするー。万死よねー」
「八つ裂きよねー」
なんでだよ!?
と言うか万死とか八つ裂きとか、怖いわ!
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