245 / 310
番外編
おまけ 兄の寵愛弟の思惑68 (ボナクララ視点)
しおりを挟む
「お兄様は、優しいですね」
お兄様は、昔から忙しい両親に代わり私達姉妹の側にいてくれた。
両親もお兄様も、私達姉妹を分け隔てることなく愛してくれた。
けれど、私とエマニュエラは双子の姉妹として生まれたのに、我儘で自分勝手なエマニュエラが私は苦手だったし、彼女はきっと私のことが大嫌いなのだと思う。
「エマニュエラが不幸になればいいと考えたことはありませんが、私は……」
私達二人に幸せになって欲しいと言ってくださるお兄様に、私もエマニュエラの幸せを願っているとは嘘でも言えず俯いてしまう。
不幸になって欲しいとは思わない、それも本心だけれど、でも幸せになってとも願えない。
姉妹に対して、幸せを願えないなんて、なんて私の心根は醜いのだろう。
幸せを願える程私は彼女を思っていない。
「私が優しいわけではないし、お前があの子の幸せを願えなくてもそれは仕方がないことだと思うよ。エマニュエラのお前に対する態度を考えたら、シード神ですら仕方が無いと許すだろうからね」
「こんな私を許せなど、私はシード神様に願うことは出来ません」
「お前は善良だからな。エマニュエラなら、私を許さないシード神が悪いと言うだろうね」
お兄様は冗談の様に言うけれど、エマニュエラの性格のよく知っているからこそ出る言葉だと思う。
彼女は自分が何か悪いことをしても、それは自分が悪いのではなく、そうさせた周囲が悪いと言うのだ。
「昔ボナクララ用にあつらえたばかりのドレスをエマニュエラが破いた時、自分のものより目立つドレスを選んだボナクララが悪いと言ったことがあっただろ。私は今まで生きてきてあの時ほど驚いたことはないよ」
「そんな事もありましたね」
あれは確か、初めてデルロイ様たちにお会いする為に仕立ててもらった特別なドレスだった。
あの時すでに、エマニュエラは王太子殿下、私はデルロイ様の婚約者候補だと決まっていた。
お互いの相性を確認する前からどうして決まっていたのか分からないけれど、お母様から私が第二王子殿下の婚約者候補だと教えられ「第二王子殿下はあまり目立つことはお好きではないようよ」と言われた私は、幼い子供ながらリボンやフリルを少なくしその代わりにドレスのすそや袖口に白いレースを選んだ。
それぞれがドレスを注文していた時は、エマニュエラは「ボナクララのドレスは可愛くないわ、私のドレスは素晴らしいのよ」と笑っていたのに、いざドレスが仕立て上がってくるとエマニュエラの評価は一変してしまった。「白いレースを使うとそんなに素敵なドレスになるなんてどうして教えてくれなかったの! 自分だけよく思われようとしたわね。意地が悪いわ!」と大声を上げ私に抗議し始めたエマニュエラを、私も側にいたお母様とお兄様も呆然と見つめるしかなかった。
「エマニュエラが選んだドレスが酷い出来だったわけではないし、ボナクララのドレスが特別良かったわけでもなかったと思うんだが」
「ええ、エマニュエラらしいドレスだったかと」
エマニュエラが好きな赤色の生地に、フリルとリボンで飾ったドレスは、エマニュエラによく似合っていた。
あのドレスは、私ではきっと着こなせなかっただろうと思う。
双子とはいえ、私達はそっくり同じなのは髪や瞳の色だけで顔は似ていないから、似合うドレスもそれぞれ異なるのだ。
「あの子は昔から、大袈裟な程華やかなドレスが似合っていたからなあ」
「ええ、エマニュエラは顔立ちも華やかですから」
私達が双子だと知らない人からは姉妹だと思われないこともあるが、それは私がお母様似でエマニュエラがお父様似だからだろう。双子でも必ずそっくりに生まれるわけではないと、昔お母様が言っていたことがある。
「双子だってそっくり同じ顔では生まれないし、当然生き方も同じではない。あのドレスの様に自分のものより良く見えても、それが自分に似合うとは限らない」
「それはそうですね」
あの時、エマニュエラは私のドレスを無理矢理着ようとして、お母様とお兄様に止められると、「意地悪をしたボナクララを庇うのね!」と泣きながら私のドレスにしがみつき、最後にはレースを力任せに引き千切ってしまった。
お母様が幾ら私は意地悪をしたわけではない、私だけでなくエマニュエラにも素敵なドレスを仕立て
たのに我儘を言ってはいけない。私に謝りなさいと言ってもエマニュエラは絶対に謝らなかった。
それどころか、お母様は自分を愛していない。私をいつも贔屓しているとお母様を責めたのだ。
「お兄様、私ずっと疑問に思っていたことが」
「なんだ」
「お母様は、エマニュエラを叱る時遠慮している様に見えるのです。私の気の所為でしょうか」
お母様を責めるエマニュエラを、あの時お母様は厳しく叱ることは無かった。
どちらかを贔屓することはない、どちらも同じく愛している、同じく可愛い娘なのだから。
お母様は確かそう言ってから、人のものを欲しがるのはいけないことだとエマニュエラを諭した。
それでもエマニュエラは、お母様は自分を愛していないと泣き続け、お母様は何も言えなくなってただエマニュエラを抱きしめていた。
あの後から、お母様はエマニュエラを強く叱ることは無くなった様に思う。
「遠慮、そんなことは……」
そんなことは無い、私の思い違いだ。
私の期待していた言葉は返ってこず、お兄様は黙り込んでしまったのだった。
お兄様は、昔から忙しい両親に代わり私達姉妹の側にいてくれた。
両親もお兄様も、私達姉妹を分け隔てることなく愛してくれた。
けれど、私とエマニュエラは双子の姉妹として生まれたのに、我儘で自分勝手なエマニュエラが私は苦手だったし、彼女はきっと私のことが大嫌いなのだと思う。
「エマニュエラが不幸になればいいと考えたことはありませんが、私は……」
私達二人に幸せになって欲しいと言ってくださるお兄様に、私もエマニュエラの幸せを願っているとは嘘でも言えず俯いてしまう。
不幸になって欲しいとは思わない、それも本心だけれど、でも幸せになってとも願えない。
姉妹に対して、幸せを願えないなんて、なんて私の心根は醜いのだろう。
幸せを願える程私は彼女を思っていない。
「私が優しいわけではないし、お前があの子の幸せを願えなくてもそれは仕方がないことだと思うよ。エマニュエラのお前に対する態度を考えたら、シード神ですら仕方が無いと許すだろうからね」
「こんな私を許せなど、私はシード神様に願うことは出来ません」
「お前は善良だからな。エマニュエラなら、私を許さないシード神が悪いと言うだろうね」
お兄様は冗談の様に言うけれど、エマニュエラの性格のよく知っているからこそ出る言葉だと思う。
彼女は自分が何か悪いことをしても、それは自分が悪いのではなく、そうさせた周囲が悪いと言うのだ。
「昔ボナクララ用にあつらえたばかりのドレスをエマニュエラが破いた時、自分のものより目立つドレスを選んだボナクララが悪いと言ったことがあっただろ。私は今まで生きてきてあの時ほど驚いたことはないよ」
「そんな事もありましたね」
あれは確か、初めてデルロイ様たちにお会いする為に仕立ててもらった特別なドレスだった。
あの時すでに、エマニュエラは王太子殿下、私はデルロイ様の婚約者候補だと決まっていた。
お互いの相性を確認する前からどうして決まっていたのか分からないけれど、お母様から私が第二王子殿下の婚約者候補だと教えられ「第二王子殿下はあまり目立つことはお好きではないようよ」と言われた私は、幼い子供ながらリボンやフリルを少なくしその代わりにドレスのすそや袖口に白いレースを選んだ。
それぞれがドレスを注文していた時は、エマニュエラは「ボナクララのドレスは可愛くないわ、私のドレスは素晴らしいのよ」と笑っていたのに、いざドレスが仕立て上がってくるとエマニュエラの評価は一変してしまった。「白いレースを使うとそんなに素敵なドレスになるなんてどうして教えてくれなかったの! 自分だけよく思われようとしたわね。意地が悪いわ!」と大声を上げ私に抗議し始めたエマニュエラを、私も側にいたお母様とお兄様も呆然と見つめるしかなかった。
「エマニュエラが選んだドレスが酷い出来だったわけではないし、ボナクララのドレスが特別良かったわけでもなかったと思うんだが」
「ええ、エマニュエラらしいドレスだったかと」
エマニュエラが好きな赤色の生地に、フリルとリボンで飾ったドレスは、エマニュエラによく似合っていた。
あのドレスは、私ではきっと着こなせなかっただろうと思う。
双子とはいえ、私達はそっくり同じなのは髪や瞳の色だけで顔は似ていないから、似合うドレスもそれぞれ異なるのだ。
「あの子は昔から、大袈裟な程華やかなドレスが似合っていたからなあ」
「ええ、エマニュエラは顔立ちも華やかですから」
私達が双子だと知らない人からは姉妹だと思われないこともあるが、それは私がお母様似でエマニュエラがお父様似だからだろう。双子でも必ずそっくりに生まれるわけではないと、昔お母様が言っていたことがある。
「双子だってそっくり同じ顔では生まれないし、当然生き方も同じではない。あのドレスの様に自分のものより良く見えても、それが自分に似合うとは限らない」
「それはそうですね」
あの時、エマニュエラは私のドレスを無理矢理着ようとして、お母様とお兄様に止められると、「意地悪をしたボナクララを庇うのね!」と泣きながら私のドレスにしがみつき、最後にはレースを力任せに引き千切ってしまった。
お母様が幾ら私は意地悪をしたわけではない、私だけでなくエマニュエラにも素敵なドレスを仕立て
たのに我儘を言ってはいけない。私に謝りなさいと言ってもエマニュエラは絶対に謝らなかった。
それどころか、お母様は自分を愛していない。私をいつも贔屓しているとお母様を責めたのだ。
「お兄様、私ずっと疑問に思っていたことが」
「なんだ」
「お母様は、エマニュエラを叱る時遠慮している様に見えるのです。私の気の所為でしょうか」
お母様を責めるエマニュエラを、あの時お母様は厳しく叱ることは無かった。
どちらかを贔屓することはない、どちらも同じく愛している、同じく可愛い娘なのだから。
お母様は確かそう言ってから、人のものを欲しがるのはいけないことだとエマニュエラを諭した。
それでもエマニュエラは、お母様は自分を愛していないと泣き続け、お母様は何も言えなくなってただエマニュエラを抱きしめていた。
あの後から、お母様はエマニュエラを強く叱ることは無くなった様に思う。
「遠慮、そんなことは……」
そんなことは無い、私の思い違いだ。
私の期待していた言葉は返ってこず、お兄様は黙り込んでしまったのだった。
106
あなたにおすすめの小説
どうして私が我慢しなきゃいけないの?!~悪役令嬢のとりまきの母でした~
涼暮 月
恋愛
目を覚ますと別人になっていたわたし。なんだか冴えない異国の女の子ね。あれ、これってもしかして異世界転生?と思ったら、乙女ゲームの悪役令嬢のとりまきのうちの一人の母…かもしれないです。とりあえず婚約者が最悪なので、婚約回避のために頑張ります!
死に戻ったら、私だけ幼児化していた件について
えくれあ
恋愛
セラフィーナは6歳の時に王太子となるアルバートとの婚約が決まって以降、ずっと王家のために身を粉にして努力を続けてきたつもりだった。
しかしながら、いつしか悪女と呼ばれるようになり、18歳の時にアルバートから婚約解消を告げられてしまう。
その後、死を迎えたはずのセラフィーナは、目を覚ますと2年前に戻っていた。だが、周囲の人間はセラフィーナが死ぬ2年前の姿と相違ないのに、セラフィーナだけは同じ年齢だったはずのアルバートより10歳も幼い6歳の姿だった。
死を迎える前と同じこともあれば、年齢が異なるが故に違うこともある。
戸惑いを覚えながらも、死んでしまったためにできなかったことを今度こそ、とセラフィーナは心に誓うのだった。
前世の記憶しかない元侯爵令嬢は、訳あり大公殿下のお気に入り。(注:期間限定)
miy
恋愛
(※長編なため、少しネタバレを含みます)
ある日目覚めたら、そこは見たことも聞いたこともない…異国でした。
ここは、どうやら転生後の人生。
私は大貴族の令嬢レティシア17歳…らしいのですが…全く記憶にございません。
有り難いことに言葉は理解できるし、読み書きも問題なし。
でも、見知らぬ世界で貴族生活?いやいや…私は平凡な日本人のようですよ?…無理です。
“前世の記憶”として目覚めた私は、現世の“レティシアの身体”で…静かな庶民生活を始める。
そんな私の前に、一人の貴族男性が現れた。
ちょっと?訳ありな彼が、私を…自分の『唯一の女性』であると誤解してしまったことから、庶民生活が一変してしまう。
高い身分の彼に関わってしまった私は、元いた国を飛び出して魔法の国で暮らすことになるのです。
大公殿下、大魔術師、聖女や神獣…等など…いろんな人との出会いを経て『レティシア』が自分らしく生きていく。
という、少々…長いお話です。
鈍感なレティシアが、大公殿下からの熱い眼差しに気付くのはいつなのでしょうか…?
※安定のご都合主義、独自の世界観です。お許し下さい。
※ストーリーの進度は遅めかと思われます。
※現在、不定期にて公開中です。よろしくお願い致します。
公開予定日を最新話に記載しておりますが、長期休載の場合はこちらでもお知らせをさせて頂きます。
※ド素人の書いた3作目です。まだまだ優しい目で見て頂けると嬉しいです。よろしくお願いします。
※初公開から2年が過ぎました。少しでも良い作品に、読みやすく…と、時間があれば順次手直し(改稿)をしていく予定でおります。(現在、146話辺りまで手直し作業中)
※章の区切りを変更致しました。(9/22更新)
魅了魔法…?それで相思相愛ならいいんじゃないんですか。
iBuKi
恋愛
サフィリーン・ル・オルペウスである私がこの世界に誕生した瞬間から決まっていた既定路線。
クロード・レイ・インフェリア、大国インフェリア皇国の第一皇子といずれ婚約が結ばれること。
皇妃で将来の皇后でなんて、めっちゃくちゃ荷が重い。
こういう幼い頃に結ばれた物語にありがちなトラブル……ありそう。
私のこと気に入らないとか……ありそう?
ところが、完璧な皇子様に婚約者に決定した瞬間から溺愛され続け、蜂蜜漬けにされていたけれど――
絆されていたのに。
ミイラ取りはミイラなの? 気付いたら、皇子の隣には子爵令嬢が居て。
――魅了魔法ですか…。
国家転覆とか、王権強奪とか、大変な事は絡んでないんですよね?
いろいろ探ってましたけど、どうなったのでしょう。
――考えることに、何だか疲れちゃったサフィリーン。
第一皇子とその方が相思相愛なら、魅了でも何でもいいんじゃないんですか?
サクッと婚約解消のち、私はしばらく領地で静養しておきますね。
✂----------------------------
不定期更新です。
他サイトさまでも投稿しています。
10/09 あらすじを書き直し、付け足し?しました。
転生したので前世の大切な人に会いに行きます!
本見りん
恋愛
魔法大国と呼ばれるレーベン王国。
家族の中でただ一人弱い治療魔法しか使えなかったセリーナ。ある出来事によりセリーナが王都から離れた領地で暮らす事が決まったその夜、国を揺るがす未曾有の大事件が起きた。
……その時、眠っていた魔法が覚醒し更に自分の前世を思い出し死んですぐに生まれ変わったと気付いたセリーナ。
自分は今の家族に必要とされていない。……それなら、前世の自分の大切な人達に会いに行こう。そうして『少年セリ』として旅に出た。そこで出会った、大切な仲間たち。
……しかし一年後祖国レーベン王国では、セリーナの生死についての議論がされる事態になっていたのである。
『小説家になろう』様にも投稿しています。
『誰もが秘密を持っている 〜『治療魔法』使いセリの事情 転生したので前世の大切な人に会いに行きます!〜』
でしたが、今回は大幅にお直しした改稿版となります。楽しんでいただければ幸いです。
養っていただかなくても結構です!〜政略結婚した夫に放置されているので魔法絵師として自立を目指したら賢者と言われ義母にザマァしました!(続く)
陰陽@4作品商業化(コミカライズ他)
恋愛
養っていただかなくても結構です!〜政略結婚した夫に放置されているので魔法絵師として自立を目指したら賢者と言われ義母にザマァしました!大勢の男性から求婚されましたが誰を選べば正解なのかわかりません!〜
タイトルちょっと変更しました。
政略結婚の夫との冷えきった関係。義母は私が気に入らないらしく、しきりに夫に私と別れて再婚するようほのめかしてくる。
それを否定もしない夫。伯爵夫人の地位を狙って夫をあからさまに誘惑するメイドたち。私の心は限界だった。
なんとか自立するために仕事を始めようとするけれど、夫は自分の仕事につながる社交以外を認めてくれない。
そんな時に出会った画材工房で、私は絵を描く喜びに目覚めた。
そして気付いたのだ。今貴族女性でもつくことの出来る数少ない仕事のひとつである、魔法絵師としての力が私にあることに。
このまま絵を描き続けて、いざという時の為に自立しよう!
そう思っていた矢先、高価な魔石の粉末入りの絵の具を夫に捨てられてしまう。
絶望した私は、初めて夫に反抗した。
私の態度に驚いた夫だったけれど、私が絵を描く姿を見てから、なんだか夫の様子が変わってきて……?
そして新たに私の前に現れた5人の男性。
宮廷に出入りする化粧師。
新進気鋭の若手魔法絵師。
王弟の子息の魔塔の賢者。
工房長の孫の絵の具職人。
引退した元第一騎士団長。
何故か彼らに口説かれだした私。
このまま自立?再構築?
どちらにしても私、一人でも生きていけるように変わりたい!
コメントの人気投票で、どのヒーローと結ばれるかが変わるかも?
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
婚約破棄イベントが壊れた!
秋月一花
恋愛
学園の卒業パーティー。たった一人で姿を現した私、カリスタ。会場内はざわつき、私へと一斉に視線が集まる。
――卒業パーティーで、私は婚約破棄を宣言される。長かった。とっても長かった。ヒロイン、頑張って王子様と一緒に国を持ち上げてね!
……って思ったら、これ私の知っている婚約破棄イベントじゃない!
「カリスタ、どうして先に行ってしまったんだい?」
おかしい、おかしい。絶対におかしい!
国外追放されて平民として生きるつもりだったのに! このままだと私が王妃になってしまう! どうしてそうなった、ヒロイン王太子狙いだったじゃん!
2021/07/04 カクヨム様にも投稿しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる