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番外編
兄の寵愛弟の思惑84
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「妹達はあまりエマニュエラとは……」
ここにいるのがジョバンニ叔父上だけだから、隠さずに話すがエマニュエラと妹達の仲は良く無い。
妹達はボナクララとは本当の姉妹の様に仲が良いが、エマニュエラには常に警戒しながら話しているのが傍で見ていてよく分かる。
「エマニュエラと仲良く出来るのは、少し性格に難がある者だけでしょう。その者だって純粋にエマニュエラと親しくなりたいと考えて付き合っている者はいない筈です。エマニュエラ自身がそもそもそういう関係を相手に求めていないのですから」
「ジョバンニ叔父上、父親であるあなたがそれを言うのですか」
こういう言い方を聞くと、危惧していた通りエマニュエラの扱いはサデウス家であまり良く無いのではと疑いたくなってくる。
エマニュエラを庇うわけではないが、父親にこんな酷い言い方をされるのは辛いだろう。
「父親だから言うのです。あの子は幼い頃から暴力的で、気に入らないことがあれば平気で物を人に投げつける。相手が反抗出来ない使用人であれば大声で罵倒し物を投げるだけでは済まず、鞭打つのですよ」
「鞭?」
乗馬を趣味にする女性はいるが、馬に鞭を打つことすら躊躇するのが殆どだ。
それを人に? いや、使用人の扱いが酷い家では躾け用の鞭を使う家もあるとは聞いたことがある。
「あの子が部屋で鞭を手に取っている姿を見た時ぞっとしました。まだ十歳にもならない子が、どこから鞭を手に入れたのか分からないし、それを躊躇いもせず使用人に振り下ろしていたのですから」
「十歳にもならない? 鞭はどうやって」
「あの子には昔から変な信奉者がいるのです。何度聞いても鞭の出所を言いませんでしたが、多分その信奉者の貢ぎ物なのでしょう」
信奉者と聞いて頭が痛くなってくる、兄上はそれをご存知なのだろうか。
「ジョバンニ叔父上、その件を兄上は」
「ご存じです、陛下と王妃殿下にも話しています」
「そうですか」
「王宮にエマニュエラを移すと決まった時に、あの子には影をつけ見張って貰う様にお願いしました」
「……影」
まだ婚約者の段階ならそれでもいいだろうが、王太子妃になり行く行くは王妃になる人間に王家が影を付け見張らせなければならないのか。
そこまでして彼女を兄上の妃にしなければならない理由が、魔法陣の登録者だというのが辛い。
「エマニュエラを王太子妃にしなければならないのが、申し訳なくて仕方がありません。私の不注意でどれだけの者に迷惑を掛けているか分からないのですから」
「それは……」
「第二王子殿下は事情をすでにご存じだと陛下に伺いました」
俯きながらジョバンニ叔父上は両手で茶器を手に取り、手の平を温めている。
あまり行儀が良くはないが、お茶の温度に縋ってでもいる様に見えて何も言えなくなる。
「叶うなら、魔法陣とあの子を切り離してしまいたい。ですが、あの魔法陣にどんな影響があるか分からないので無理矢理に出来ないのが……」
「そうですね。あの魔法陣を作った帝国から嫁いできた皇女は、その当時この国に存在したどの魔法使いよりも力のある魔法使いで、あの魔法陣はすべてを理解出来ないほど複雑な構造をしているそうですから」
魔法陣なんて私は教師から読み方を嗜み程度に習っただけ、私の知識では何の魔法を展開する魔法陣なのかすら読み解けない。
皇女はとても用心深い性格だったらしく、表面に見える魔法陣は魔力を吸収するだけのもので実際の魔法陣は宮の奥底に眠っているという。
その隠れている魔法陣も複数に分かれていて、表面に見える魔法陣から魔力を吸収し貯える魔法陣、さらにその魔法陣から魔力を吸収し実際に魔法を発動する魔法陣が、使用する魔法の数だけ存在するのだという。
そして魔力を吸収しているのは、王族の女性からだけではない。王宮近くにある迷宮の魔素を魔力に変換し力にしている。
「遥か昔に作られた魔法陣が今の魔法使いでは再現するどころか、それを理解することも難しいのですからどれだけ力がある魔法使いだったのか分からない」
「でも、エマニュエラの母親はあの魔法陣を理解し一部を書き変えていまったのですよね」
あの難解な魔法陣を書き変えるなんて、とてつもなく恐ろしいことをしでかしたものだ。
私なら書き変える能力があってもそれを行動に移すなんて出来るわけがない、何せ魔法陣の機能を失えば国が亡ぶかもしれないのだから。
「ええ、そうです。あの女……は魔法陣を書き変えた。自分の自己満足のために愚かな真似をしたのです。エマニュエラの母も魔法使いとしての腕は相当なものでした。中でも魔法陣についての知識は当時の最強と言われていた魔法使いを凌いでいたと言われています。その能力を愚行に使ったのです」
魔法陣にどうやって難しい術式を組み込んだのかと疑問に思っていたが、エマニュエラの母親は相当に優秀だったかと驚く。でもエマニュエラ自身も優秀な人間だ。その優秀さをいい方向に使わないのが問題だが、困ったことに優秀過ぎる程に優秀なのだ。
「魔法陣の研究はかなり我が国は進んでいると思っていましたが、それでも修復は難しいのでしょうか」
魔法陣の一部が書き変えられているなんて、とても外部に漏らせることではない。
でも、もしそれを修復できるものがいるなら、エマニュエラを兄上の妃にしなくてもすむ。
「難しいでしょう。王宮魔法使いの中でも魔法陣の研究は進めています。守りの魔法陣の書き換えの件を伏せ、国の守りの強化を目指して魔法陣かそれに似たものが作れないか研究しているのですが……」
ジョバンニ叔父上の項垂れた顔から、その研究が上手くいっていないのは分かる。
「あの魔法陣を失うことは出来ないから、修復を試せるのは一度だけ、それも失敗は許されない。その修復が出来ないのであれば守りの魔法陣に変わるものが必要だけど、それも難しいのですね」
「ええ、守りの魔法陣はこの国の防衛の要ですから、あの魔法陣のお陰で他国からの侵略の心配がなく魔物被害も少なくてすんでいるのです。どれだけあの守りの魔法陣の恩恵を受けているか分からない程です。我が国の宝とも言えるものを、あの女は……」
あの女という言葉を使うジョバンニ叔父上に、驚いて凝視してしまう。
粗雑な言葉を使う人ではないし、女なんて言い方をするところを初めて聞いた。
それだけエマニュエラの母親を蔑視しているのだろうか、それとも恨みだろうか。
「守りの魔法陣は国全体に防御魔法を掛けているのでしたね。その防御魔法の一つが国に悪意のある者、犯罪歴がある者は国境を超えられないという魔法でしたか?」
本来守りの魔法陣について詳しく教えられるのは成人後だ、子供が迂闊に知っていいことでは無い。国がどの様に守られどんな魔法が発動しているのか、それはある程度責任が取れる年齢になるまで教えられない。
だけど私は父上の件でそれを早めに知る事になってしまった。
それでも勉強を始めたばかりで、完全に理解したわけでない。
「ええ、そうです。他国から悪意ある者が入って来られないの犯罪歴がある者が入れないのも魔法陣の魔法の効果の一つです。冒険者ギルドや王都の正門にある水晶の魔道具には犯罪歴を確認出来る魔法が掛けられていますが、それよりも遥かに強い魔法で国境は守られているのです」
「それではどうやっても、エマニュエラ一人のために失えませんよね」
「ええ、魔法陣には守る対象の主軸になる者として陛下と王妃殿下を登録します。それから成人済の王族も登録し王族の女性は定期的に魔力を魔法陣に注ぎます。男性王族よりなぜか女性の方が守りの力が強いのです。男性王族も勿論魔力を注ぐことは出来ますが、女性一人分の効果を魔法陣に与えるには五人程男性王族が必要になるのです」
それだけ違うなら、やはり王族の女性が魔法陣に魔力を注ぐ方が効率が良い。
「そう言えば、王族から抜け他家に籍が移ると守りの力が弱くなるという説はご存知ですか」
「え、王族から抜ける?」
「はい、基本この国では公爵家は王族扱いです。臣籍降下し家を新たに興しても同等の扱いです。ですがどんな公爵家でも三代王家から王子か王女の臣籍降嫁がなければ公爵から降爵します。その場合降爵した瞬間から王族から抜けたことになりますが、そうなるといままでいくら守りの魔力が強かったとしても力が弱くなるらしいです」
「まさか、過去近親婚が多かったのは。その力を守るため?」
あまりにも近親婚が多いから不思議には思っていた、でも王家のどの代でも兄弟仲が良すぎる位に良いと言われていたし、その仲の良さが公爵家同士の仲も良くしているから従兄弟同士の結婚も多いのだと思っていた。
「ええ、その意味も過去にはあったのでしょう。でも、呪いの様だと言っているものもいました」
「呪い?」
「まるで誰がが意図的に王家の人間達の仲を良くしている様だと。他の家から横やりがない様に、無理矢理に仲を良くする呪いが掛けられているから、溺愛し執着するのだと」
呪い、その言葉は不安を呼ぶ。
幼い頃に婚約を決める関係で、婚約相手を探すのは親の役目になるから当然繋がりたい相手を選ぶことになる。
ここにいるのがジョバンニ叔父上だけだから、隠さずに話すがエマニュエラと妹達の仲は良く無い。
妹達はボナクララとは本当の姉妹の様に仲が良いが、エマニュエラには常に警戒しながら話しているのが傍で見ていてよく分かる。
「エマニュエラと仲良く出来るのは、少し性格に難がある者だけでしょう。その者だって純粋にエマニュエラと親しくなりたいと考えて付き合っている者はいない筈です。エマニュエラ自身がそもそもそういう関係を相手に求めていないのですから」
「ジョバンニ叔父上、父親であるあなたがそれを言うのですか」
こういう言い方を聞くと、危惧していた通りエマニュエラの扱いはサデウス家であまり良く無いのではと疑いたくなってくる。
エマニュエラを庇うわけではないが、父親にこんな酷い言い方をされるのは辛いだろう。
「父親だから言うのです。あの子は幼い頃から暴力的で、気に入らないことがあれば平気で物を人に投げつける。相手が反抗出来ない使用人であれば大声で罵倒し物を投げるだけでは済まず、鞭打つのですよ」
「鞭?」
乗馬を趣味にする女性はいるが、馬に鞭を打つことすら躊躇するのが殆どだ。
それを人に? いや、使用人の扱いが酷い家では躾け用の鞭を使う家もあるとは聞いたことがある。
「あの子が部屋で鞭を手に取っている姿を見た時ぞっとしました。まだ十歳にもならない子が、どこから鞭を手に入れたのか分からないし、それを躊躇いもせず使用人に振り下ろしていたのですから」
「十歳にもならない? 鞭はどうやって」
「あの子には昔から変な信奉者がいるのです。何度聞いても鞭の出所を言いませんでしたが、多分その信奉者の貢ぎ物なのでしょう」
信奉者と聞いて頭が痛くなってくる、兄上はそれをご存知なのだろうか。
「ジョバンニ叔父上、その件を兄上は」
「ご存じです、陛下と王妃殿下にも話しています」
「そうですか」
「王宮にエマニュエラを移すと決まった時に、あの子には影をつけ見張って貰う様にお願いしました」
「……影」
まだ婚約者の段階ならそれでもいいだろうが、王太子妃になり行く行くは王妃になる人間に王家が影を付け見張らせなければならないのか。
そこまでして彼女を兄上の妃にしなければならない理由が、魔法陣の登録者だというのが辛い。
「エマニュエラを王太子妃にしなければならないのが、申し訳なくて仕方がありません。私の不注意でどれだけの者に迷惑を掛けているか分からないのですから」
「それは……」
「第二王子殿下は事情をすでにご存じだと陛下に伺いました」
俯きながらジョバンニ叔父上は両手で茶器を手に取り、手の平を温めている。
あまり行儀が良くはないが、お茶の温度に縋ってでもいる様に見えて何も言えなくなる。
「叶うなら、魔法陣とあの子を切り離してしまいたい。ですが、あの魔法陣にどんな影響があるか分からないので無理矢理に出来ないのが……」
「そうですね。あの魔法陣を作った帝国から嫁いできた皇女は、その当時この国に存在したどの魔法使いよりも力のある魔法使いで、あの魔法陣はすべてを理解出来ないほど複雑な構造をしているそうですから」
魔法陣なんて私は教師から読み方を嗜み程度に習っただけ、私の知識では何の魔法を展開する魔法陣なのかすら読み解けない。
皇女はとても用心深い性格だったらしく、表面に見える魔法陣は魔力を吸収するだけのもので実際の魔法陣は宮の奥底に眠っているという。
その隠れている魔法陣も複数に分かれていて、表面に見える魔法陣から魔力を吸収し貯える魔法陣、さらにその魔法陣から魔力を吸収し実際に魔法を発動する魔法陣が、使用する魔法の数だけ存在するのだという。
そして魔力を吸収しているのは、王族の女性からだけではない。王宮近くにある迷宮の魔素を魔力に変換し力にしている。
「遥か昔に作られた魔法陣が今の魔法使いでは再現するどころか、それを理解することも難しいのですからどれだけ力がある魔法使いだったのか分からない」
「でも、エマニュエラの母親はあの魔法陣を理解し一部を書き変えていまったのですよね」
あの難解な魔法陣を書き変えるなんて、とてつもなく恐ろしいことをしでかしたものだ。
私なら書き変える能力があってもそれを行動に移すなんて出来るわけがない、何せ魔法陣の機能を失えば国が亡ぶかもしれないのだから。
「ええ、そうです。あの女……は魔法陣を書き変えた。自分の自己満足のために愚かな真似をしたのです。エマニュエラの母も魔法使いとしての腕は相当なものでした。中でも魔法陣についての知識は当時の最強と言われていた魔法使いを凌いでいたと言われています。その能力を愚行に使ったのです」
魔法陣にどうやって難しい術式を組み込んだのかと疑問に思っていたが、エマニュエラの母親は相当に優秀だったかと驚く。でもエマニュエラ自身も優秀な人間だ。その優秀さをいい方向に使わないのが問題だが、困ったことに優秀過ぎる程に優秀なのだ。
「魔法陣の研究はかなり我が国は進んでいると思っていましたが、それでも修復は難しいのでしょうか」
魔法陣の一部が書き変えられているなんて、とても外部に漏らせることではない。
でも、もしそれを修復できるものがいるなら、エマニュエラを兄上の妃にしなくてもすむ。
「難しいでしょう。王宮魔法使いの中でも魔法陣の研究は進めています。守りの魔法陣の書き換えの件を伏せ、国の守りの強化を目指して魔法陣かそれに似たものが作れないか研究しているのですが……」
ジョバンニ叔父上の項垂れた顔から、その研究が上手くいっていないのは分かる。
「あの魔法陣を失うことは出来ないから、修復を試せるのは一度だけ、それも失敗は許されない。その修復が出来ないのであれば守りの魔法陣に変わるものが必要だけど、それも難しいのですね」
「ええ、守りの魔法陣はこの国の防衛の要ですから、あの魔法陣のお陰で他国からの侵略の心配がなく魔物被害も少なくてすんでいるのです。どれだけあの守りの魔法陣の恩恵を受けているか分からない程です。我が国の宝とも言えるものを、あの女は……」
あの女という言葉を使うジョバンニ叔父上に、驚いて凝視してしまう。
粗雑な言葉を使う人ではないし、女なんて言い方をするところを初めて聞いた。
それだけエマニュエラの母親を蔑視しているのだろうか、それとも恨みだろうか。
「守りの魔法陣は国全体に防御魔法を掛けているのでしたね。その防御魔法の一つが国に悪意のある者、犯罪歴がある者は国境を超えられないという魔法でしたか?」
本来守りの魔法陣について詳しく教えられるのは成人後だ、子供が迂闊に知っていいことでは無い。国がどの様に守られどんな魔法が発動しているのか、それはある程度責任が取れる年齢になるまで教えられない。
だけど私は父上の件でそれを早めに知る事になってしまった。
それでも勉強を始めたばかりで、完全に理解したわけでない。
「ええ、そうです。他国から悪意ある者が入って来られないの犯罪歴がある者が入れないのも魔法陣の魔法の効果の一つです。冒険者ギルドや王都の正門にある水晶の魔道具には犯罪歴を確認出来る魔法が掛けられていますが、それよりも遥かに強い魔法で国境は守られているのです」
「それではどうやっても、エマニュエラ一人のために失えませんよね」
「ええ、魔法陣には守る対象の主軸になる者として陛下と王妃殿下を登録します。それから成人済の王族も登録し王族の女性は定期的に魔力を魔法陣に注ぎます。男性王族よりなぜか女性の方が守りの力が強いのです。男性王族も勿論魔力を注ぐことは出来ますが、女性一人分の効果を魔法陣に与えるには五人程男性王族が必要になるのです」
それだけ違うなら、やはり王族の女性が魔法陣に魔力を注ぐ方が効率が良い。
「そう言えば、王族から抜け他家に籍が移ると守りの力が弱くなるという説はご存知ですか」
「え、王族から抜ける?」
「はい、基本この国では公爵家は王族扱いです。臣籍降下し家を新たに興しても同等の扱いです。ですがどんな公爵家でも三代王家から王子か王女の臣籍降嫁がなければ公爵から降爵します。その場合降爵した瞬間から王族から抜けたことになりますが、そうなるといままでいくら守りの魔力が強かったとしても力が弱くなるらしいです」
「まさか、過去近親婚が多かったのは。その力を守るため?」
あまりにも近親婚が多いから不思議には思っていた、でも王家のどの代でも兄弟仲が良すぎる位に良いと言われていたし、その仲の良さが公爵家同士の仲も良くしているから従兄弟同士の結婚も多いのだと思っていた。
「ええ、その意味も過去にはあったのでしょう。でも、呪いの様だと言っているものもいました」
「呪い?」
「まるで誰がが意図的に王家の人間達の仲を良くしている様だと。他の家から横やりがない様に、無理矢理に仲を良くする呪いが掛けられているから、溺愛し執着するのだと」
呪い、その言葉は不安を呼ぶ。
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