25 / 80
二股だけじゃなかった2
しおりを挟む
「……十和ありがとう」
先輩が諦めそうになかったら、迷わずインターフォンを押して管理人さんを呼ぼうと思っていたけれど、そんな迷惑掛けたくないし付き合っていた相手とのトラブルなんて恥ずかし過ぎる。
でも、十和がいなかったら先輩は無理矢理部屋に入って来ようとしただろう。
鳴いて先輩を追い払ってくれた十和には、本当に感謝以外の言葉が浮かばない。
「それにしても金って、飯代浮かしと金のことがって何なんだろう」
先輩の背中が遥か遠くになったのを確認してから、マンションの中に入る。
自動でガラス扉が閉まって、ほうっと息を深く吐く。
私、かなり緊張していたみたいだ。
「お金、先輩に貸したことなんかないし、お菓子やお酒代は飯代浮かしに入ってるだろうし」
先輩、いつも突然やってきてご飯を作れとか酒が飲みたいとか言うから、文句を言われると分かっていてもせっせと先輩が好きなお菓子やお酒を用意して、食事だって言われるままに用意していた。
食べちらかして片付けもせずに帰って行く先輩に、寂しい気持ちはしていたけれど忙しいところを少しでも私に会いに来てくれたんだって思っていたから、それでも幸せだった。
過去の私、馬鹿過ぎる。目が曇っていたとしか思えない。
「……まさかお財布のお金? でも、毎日中身確認してるし過不足あったことなんか無かったし」
考えながら部屋に戻り、十和をそっと床に下ろしながら玄関に立ったまま考える。
基本的に今は電子マネーで支払うことが殆どだけど、商店街の個人商店はまだまだ現金支払いのみのところがあるから、お財布の中にはそれなりに現金も入っている。
屑夫に苦労させられていたお母さんから、お財布にいくら入っているか絶対に把握している様に躾られている私は朝出掛ける前にお財布の中に幾ら入っているかチェックする癖がついている。
お財布の中身をチェックした時に、記憶より入っているお金が少ないなんて時は無かった。
「お金を盗むなんて、いくら先輩が酷い人でもありえないよね。でも、じゃあお金って」
先輩に何か買って欲しいと強請られたことはなかった。
先輩の言う通り、私は飯代浮かしの為にキープされていたんだろう。
でも、先輩ははっきりと金のことが無ければって言っていた。それは飯代浮かしとは別な気がする。
「お金、家に置いている現金はお財布以外は金庫の中だし、先輩開けられないだろうし」
マンションの権利書とか保険証書とかと一緒に、何かの時の為に置いてある現金は金庫の中に入っている。
金庫は指紋認証で開くタイプの耐火金庫だから、先輩は開けられない筈だ。
「ただ、暴言吐いただけ? でも、そんな感じじゃなかった」
一緒に出掛けるなんて殆ど無かったけれど、その時の食事代は割り勘だったし、何かを買って欲しいと言われることは無かったし、じゃあ何だろう。
「お金って言ったよね、お金」
私が玄関から部屋の中に入ろうとしないのが気になったんだろう、十和が私を見上げている。
前足を揃えて、私を見上げている十和が凄く可愛い、って今はそれどころじゃない。
狐の子どもってこんな近くで見ること今までなかったけれど、可愛いんだなあ。あれ? 狐?
「まさか、貯金箱?」
慌てて靴を脱ぎ、部屋の中に入る。
「嘘でしょ、まさかそんな」
心臓がバクバクとして息が苦しい。
そんな恐ろしい話ある? だって先輩は会社の先輩で、二股かもしれないけれど一応付き合っていた筈。
「まさか、まさか」
貯金箱はガラスの扉がついた飾り棚の中に大、中、小並べて置いてある。
今はあまり入れていないけれど、貯金箱を買った当初はお金を入れるのが嬉しくて電子マネーで支払えるところでも五百円のおつりが出る様な支払い方をわざわざしながらお金を入れていた。
三体の狐さんに不公平にならないように、それぞれにお金を入れて、でも大きさの違いがあるから小と中はもう一杯で今は大だけに入れていた。
「嘘だよね」
震える手で大サイズの貯金箱を両手で持つ、陶器だから落としたら大変だし中身にかなり五百円玉が入っているから結構な重さがある。
「軽い」
大の大きさの貯金箱は、記憶にある重さじゃなかった。
中も、小も、軽すぎた。
大以外の二つは、ぎっしりと中身が入っていたから振っても殆どお金が動く音がしなかったのに、今はチャリチャリと軽い音がする。これじゃ半分も中身入っていないかもしれない。
「なんで私気が付かなかったの? そう言えばガラスの扉付きの棚の中だから、埃たまらないし掃除もあんまり熱心にしてなかった」
掃除をする時も貯金箱を置いたまま、埃を払う程度。だから殆ど動かしてなかった。
貯金箱にお金が溜まってから、私以外に部屋に入ったことがあるのは、先輩だけ。
つまり、先輩の言っていたお金ってこれのことなんだ。
「嘘だよね、そんなの嘘だよね」
先輩を一人部屋に残して、足りない食材を買いに行くってことは割とあった。
先輩はいつも冷蔵庫を勝手にあけて、飲みたい酒はこれじゃないとか、アイスが食べたいとか言うから私が一人でコンビニとかに買い出しに行っていた。
先輩はそれに付き合ってくれたことはない。
「私が買い物に行ってる隙に盗んだってこと?」
貯金箱は底にゴムの蓋がついていて、お金を取り出すのは簡単。
私が気付かない様に、少しずつここからお金を取って行ったんだろう。
少しずつだって、五百円玉だもん。二枚で千円、四枚で二千円それなりの金額になる。
例えば一回に盗むのがその程度なら、仮に私が頻繁にお金を入れるために貯金箱を動かしていても気が付かなかったかもしれない。
「信じられない、飯代浮かしのキープだったとしても同じ会社で働いているのに」
ガラガラと他人への信頼が崩れていく。
他人への、違う。二股最低人間だとしても、最低限あった先輩へのなけなしの信頼が完璧に崩れていく。
「私、先輩を最低人間って思ってたけど、それでも少しだけ会社の先輩って信頼は残ってたんだ。馬鹿みたい、先輩は信じるに値しない人だったんだ」
世の中に盗みを働く人はいる。
だけど、それがこんなに身近な人だなんて想像したこともない。
「嘘だよ、知ってる。父さんは母さんの財布から良く、お金を抜き取ってたって言ってた」
お母さんはその経験があるから、私は財布の中身を確認しておく癖をつけなさいって言われて育った。
そう言われていても、酷いのは私の父親だった人で、その他大勢の誰かではないと、私は心のどこかでそう思っていたんだ。
「私が、間抜けなの? 狐さんたち、気が付かなくてごめんね。嫌な人に触られて不快だったよね」
鞄からウエットティッシュを取り出して、一体一体拭いていく。
ガラスの扉も丁寧に拭いていく、先輩の手が触れたなんて気持ち悪くて仕方がなかった。
「最低人間、最悪」
先輩は貯金箱のお金欲しさに今日ここに来たんだろう。
部屋の中に入れさえすれば、私をどうにか誤魔化してお金を盗めると、そう考えて来た。
それを想像するだけで、胃の奥がムカムカとし始める。
「キャン」
「十和」
貯金箱を棚に戻しガラスの扉を閉じて、へなへなと床に座り込んでいたら、十和が私を見ていた。
「十和、私は馬鹿で間抜けだね。全然気が付かなかった」
実家暮らしの先輩はお金に困っていたんだろうか、うちの会社そんなに給料悪くないのに、一体何にそんなに使っていたんだろう。
こんなこと考えるのは、現実逃避なのかもしれない。
でも、驚き過ぎてショック過ぎて、私はどうでもいいことを考えることで自分を守っていたのかもしれない。
「十和、悲しいよ。なんでこんな酷いことが出来ちゃうのか分からないよ」
十和を抱き上げて、ポタポタと涙をこぼす。
何がショックなのか分からないほど、私は混乱していたし衝撃を受けていた。
「十和、悲しい、凄く凄く悲しいよ」
「キユウウン」
私の涙に反応するように十和が鳴く、その声に反応するように紺さんからもらったお守りが光っているのを、私は気が付きもしなかった。
※※※※※※※※
私クズ人間設定上手すぎない?
先輩が諦めそうになかったら、迷わずインターフォンを押して管理人さんを呼ぼうと思っていたけれど、そんな迷惑掛けたくないし付き合っていた相手とのトラブルなんて恥ずかし過ぎる。
でも、十和がいなかったら先輩は無理矢理部屋に入って来ようとしただろう。
鳴いて先輩を追い払ってくれた十和には、本当に感謝以外の言葉が浮かばない。
「それにしても金って、飯代浮かしと金のことがって何なんだろう」
先輩の背中が遥か遠くになったのを確認してから、マンションの中に入る。
自動でガラス扉が閉まって、ほうっと息を深く吐く。
私、かなり緊張していたみたいだ。
「お金、先輩に貸したことなんかないし、お菓子やお酒代は飯代浮かしに入ってるだろうし」
先輩、いつも突然やってきてご飯を作れとか酒が飲みたいとか言うから、文句を言われると分かっていてもせっせと先輩が好きなお菓子やお酒を用意して、食事だって言われるままに用意していた。
食べちらかして片付けもせずに帰って行く先輩に、寂しい気持ちはしていたけれど忙しいところを少しでも私に会いに来てくれたんだって思っていたから、それでも幸せだった。
過去の私、馬鹿過ぎる。目が曇っていたとしか思えない。
「……まさかお財布のお金? でも、毎日中身確認してるし過不足あったことなんか無かったし」
考えながら部屋に戻り、十和をそっと床に下ろしながら玄関に立ったまま考える。
基本的に今は電子マネーで支払うことが殆どだけど、商店街の個人商店はまだまだ現金支払いのみのところがあるから、お財布の中にはそれなりに現金も入っている。
屑夫に苦労させられていたお母さんから、お財布にいくら入っているか絶対に把握している様に躾られている私は朝出掛ける前にお財布の中に幾ら入っているかチェックする癖がついている。
お財布の中身をチェックした時に、記憶より入っているお金が少ないなんて時は無かった。
「お金を盗むなんて、いくら先輩が酷い人でもありえないよね。でも、じゃあお金って」
先輩に何か買って欲しいと強請られたことはなかった。
先輩の言う通り、私は飯代浮かしの為にキープされていたんだろう。
でも、先輩ははっきりと金のことが無ければって言っていた。それは飯代浮かしとは別な気がする。
「お金、家に置いている現金はお財布以外は金庫の中だし、先輩開けられないだろうし」
マンションの権利書とか保険証書とかと一緒に、何かの時の為に置いてある現金は金庫の中に入っている。
金庫は指紋認証で開くタイプの耐火金庫だから、先輩は開けられない筈だ。
「ただ、暴言吐いただけ? でも、そんな感じじゃなかった」
一緒に出掛けるなんて殆ど無かったけれど、その時の食事代は割り勘だったし、何かを買って欲しいと言われることは無かったし、じゃあ何だろう。
「お金って言ったよね、お金」
私が玄関から部屋の中に入ろうとしないのが気になったんだろう、十和が私を見上げている。
前足を揃えて、私を見上げている十和が凄く可愛い、って今はそれどころじゃない。
狐の子どもってこんな近くで見ること今までなかったけれど、可愛いんだなあ。あれ? 狐?
「まさか、貯金箱?」
慌てて靴を脱ぎ、部屋の中に入る。
「嘘でしょ、まさかそんな」
心臓がバクバクとして息が苦しい。
そんな恐ろしい話ある? だって先輩は会社の先輩で、二股かもしれないけれど一応付き合っていた筈。
「まさか、まさか」
貯金箱はガラスの扉がついた飾り棚の中に大、中、小並べて置いてある。
今はあまり入れていないけれど、貯金箱を買った当初はお金を入れるのが嬉しくて電子マネーで支払えるところでも五百円のおつりが出る様な支払い方をわざわざしながらお金を入れていた。
三体の狐さんに不公平にならないように、それぞれにお金を入れて、でも大きさの違いがあるから小と中はもう一杯で今は大だけに入れていた。
「嘘だよね」
震える手で大サイズの貯金箱を両手で持つ、陶器だから落としたら大変だし中身にかなり五百円玉が入っているから結構な重さがある。
「軽い」
大の大きさの貯金箱は、記憶にある重さじゃなかった。
中も、小も、軽すぎた。
大以外の二つは、ぎっしりと中身が入っていたから振っても殆どお金が動く音がしなかったのに、今はチャリチャリと軽い音がする。これじゃ半分も中身入っていないかもしれない。
「なんで私気が付かなかったの? そう言えばガラスの扉付きの棚の中だから、埃たまらないし掃除もあんまり熱心にしてなかった」
掃除をする時も貯金箱を置いたまま、埃を払う程度。だから殆ど動かしてなかった。
貯金箱にお金が溜まってから、私以外に部屋に入ったことがあるのは、先輩だけ。
つまり、先輩の言っていたお金ってこれのことなんだ。
「嘘だよね、そんなの嘘だよね」
先輩を一人部屋に残して、足りない食材を買いに行くってことは割とあった。
先輩はいつも冷蔵庫を勝手にあけて、飲みたい酒はこれじゃないとか、アイスが食べたいとか言うから私が一人でコンビニとかに買い出しに行っていた。
先輩はそれに付き合ってくれたことはない。
「私が買い物に行ってる隙に盗んだってこと?」
貯金箱は底にゴムの蓋がついていて、お金を取り出すのは簡単。
私が気付かない様に、少しずつここからお金を取って行ったんだろう。
少しずつだって、五百円玉だもん。二枚で千円、四枚で二千円それなりの金額になる。
例えば一回に盗むのがその程度なら、仮に私が頻繁にお金を入れるために貯金箱を動かしていても気が付かなかったかもしれない。
「信じられない、飯代浮かしのキープだったとしても同じ会社で働いているのに」
ガラガラと他人への信頼が崩れていく。
他人への、違う。二股最低人間だとしても、最低限あった先輩へのなけなしの信頼が完璧に崩れていく。
「私、先輩を最低人間って思ってたけど、それでも少しだけ会社の先輩って信頼は残ってたんだ。馬鹿みたい、先輩は信じるに値しない人だったんだ」
世の中に盗みを働く人はいる。
だけど、それがこんなに身近な人だなんて想像したこともない。
「嘘だよ、知ってる。父さんは母さんの財布から良く、お金を抜き取ってたって言ってた」
お母さんはその経験があるから、私は財布の中身を確認しておく癖をつけなさいって言われて育った。
そう言われていても、酷いのは私の父親だった人で、その他大勢の誰かではないと、私は心のどこかでそう思っていたんだ。
「私が、間抜けなの? 狐さんたち、気が付かなくてごめんね。嫌な人に触られて不快だったよね」
鞄からウエットティッシュを取り出して、一体一体拭いていく。
ガラスの扉も丁寧に拭いていく、先輩の手が触れたなんて気持ち悪くて仕方がなかった。
「最低人間、最悪」
先輩は貯金箱のお金欲しさに今日ここに来たんだろう。
部屋の中に入れさえすれば、私をどうにか誤魔化してお金を盗めると、そう考えて来た。
それを想像するだけで、胃の奥がムカムカとし始める。
「キャン」
「十和」
貯金箱を棚に戻しガラスの扉を閉じて、へなへなと床に座り込んでいたら、十和が私を見ていた。
「十和、私は馬鹿で間抜けだね。全然気が付かなかった」
実家暮らしの先輩はお金に困っていたんだろうか、うちの会社そんなに給料悪くないのに、一体何にそんなに使っていたんだろう。
こんなこと考えるのは、現実逃避なのかもしれない。
でも、驚き過ぎてショック過ぎて、私はどうでもいいことを考えることで自分を守っていたのかもしれない。
「十和、悲しいよ。なんでこんな酷いことが出来ちゃうのか分からないよ」
十和を抱き上げて、ポタポタと涙をこぼす。
何がショックなのか分からないほど、私は混乱していたし衝撃を受けていた。
「十和、悲しい、凄く凄く悲しいよ」
「キユウウン」
私の涙に反応するように十和が鳴く、その声に反応するように紺さんからもらったお守りが光っているのを、私は気が付きもしなかった。
※※※※※※※※
私クズ人間設定上手すぎない?
14
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
包帯妻の素顔は。
サイコちゃん
恋愛
顔を包帯でぐるぐる巻きにした妻アデラインは夫ベイジルから離縁を突きつける手紙を受け取る。手柄を立てた夫は戦地で出会った聖女見習いのミアと結婚したいらしく、妻の悪評をでっち上げて離縁を突きつけたのだ。一方、アデラインは離縁を受け入れて、包帯を取って見せた。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
婚約者の幼馴染って、つまりは赤の他人でしょう?そんなにその人が大切なら、自分のお金で養えよ。貴方との婚約、破棄してあげるから、他
猿喰 森繁
恋愛
完結した短編まとめました。
大体1万文字以内なので、空いた時間に気楽に読んでもらえると嬉しいです。
双子の姉がなりすまして婚約者の寝てる部屋に忍び込んだ
海林檎
恋愛
昔から人のものを欲しがる癖のある双子姉が私の婚約者が寝泊まりしている部屋に忍びこんだらしい。
あぁ、大丈夫よ。
だって彼私の部屋にいるもん。
部屋からしばらくすると妹の叫び声が聞こえてきた。
〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。
藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった……
結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。
ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。
愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。
*設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
*全16話で完結になります。
*番外編、追加しました。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる