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第二章 未知の世界への移住
さあドライブのスタートだ
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「とりあえず、森の方角は西! 最悪迷っても、ひたすら西に向かって進めばたどり着けるでしょ」
そう言ってゾーイは、これまたどこに持っていたのかコンパスというものを使って方角を見ている。
「こまめに休憩も必要だよね?」
「そうね……慣れないことで、すぐに疲れてしまうだろうし……ありがとう」
サトルが運転手を気遣う言葉をかけると、クレアが申し訳なさそうに、少し嬉しそうにありがとうと言う。
「トランクに荷物を詰めたら、すぐに出発しましょう」
そして、モーリスの一言でそれぞれが決められた自動車に乗り込んでいく。
俺は、シン、デルタ、ソニア、ジェームズの四人とそれぞれまたねとハイタッチをして見送って、自動車に乗り込む前にある人達に声をかけた。
「真由! クレア!」
「あ、昴……」
「昴くん、どうかした?」
「クレアに頼みがあるっていうか、多分大丈夫だろうけど、お願いかな?」
「お願い?」
「何なのよ……ていうか、私はここに必要ないじゃないの……」
呼んで振り向いた二人の顔は本当に対照的で、クレアはいつも通りだけど、真由は真っ青だった。
「何なのよはないだろ? あからさまに不安だみたいな顔してよ」
「はあ? 初めて乗るのよ? そりゃ不安になるわよ!」
今の真由は、まるでこの世の終わりのような顔をしている。
まあ、今いる地上は、一回この世の終わりを迎えてるわけだけどな。
子どもの頃から、真由はとても乗り物に酔いやすく、すぐ具合が悪くなる。
「失礼しましたよ。クレア? 真由って昔から乗り物あんまり得意じゃないんだよ、それでさ……」
「ゆっくりと安全運転でってことね?」
「そうなんだ。ごめん、頼むよ」
「心得ました」
ニッコリと、クレアは快く俺の頼みを受け入れてくれた。
「……余計な気回して、どうしたの」
「あのさ、素直にありがとうだけってのは言えないのか? また後でな?」
「ごめん、ありがとう……昴も、望のことお願いね?」
「……努力はするよ」
最後に真由と笑い合って、俺は赤い自動車に乗り込んだ。
***
「ううおおおっ!? 何だどうし……急にこの自動車、震えたんだが!?」
「エンジンがかかっただけだろ!!」
「ハロルド、落ち着けって? まあとりあえずは、深呼吸だ!」
さっきまでは自分に任せろと、主にクレアにかっこつけていたくせにな……
今のハロルドは、自分でかけたエンジンにビクビクしている。
それを望が怒鳴り、サトルが優しく諭していく。
「これは、骨の二本ぐらいは折れることを覚悟していた方がいいかもね」
「ゾーイ……隣なんだから、ハロルドのこと励ましてあげなよ……」
「え? 何で? ハロルドは緊張してるぐらいがちょうど良くない?」
運転席にはハロルド、助手席にはゾーイ、後部座席には右から俺、サトル、望の順に座っている。
俺はゾーイの言葉を聞いて森にたどり着いた時に、この車が原型を留めているように俺は祈った。
心の底から祈りまくった。
「クソが、俺は下りる! 命がいくつあっても足りやしねえ!」
「あ、無理でーす。ロックしましたので開けませーん」
「はあ!? 舐めてんのか!?」
「昔から言うでしょ? 旅は道連れ世は情けってさ?」
「お前らなんかと道連れになるぐらいだったら、一人で死んだ方がマシだ!」
「ゾーイ! 望! 早く座れって、もう出発する……どおわあ!?!?」
ゾーイと望の言い争いが白熱し、主に望を落ち着かせて座らせようと俺が腰を浮かせた瞬間、急に重力に引っ張られるような感覚に襲われた。
「昴……大丈夫だったか?」
「何とか、大丈夫だ……」
俺はそのまま後ろに倒れ込み、隣のサトルは俺の膝の上に倒れ込んできた。
「しゅ、出発……したぞ!!」
「え? あ、ああ……ハロルド、その調子で頼むぞ!」
どうやら、猛スピードでハロルドが自動車を発車させたらしかった。
報告を受けて励ましたサトルは、とことんお人好しだと思う。
「頼んでたまるか! 出発したことを事後報告する運転手がどこにいる!」
「あたしの隣にいまーす」
「テメーは口閉じてろ! そして、その口を縫っとけ! はあ……はあ……!!」
ゾーイと望の言い争いは望の体力消耗により、今日は幕を閉じた。
ガラス越しに後ろを覗けば、クレアが運転する黄色の自動車と、モーリスが運転する黒の自動車が後を追って来ているのが見えた。
正直、どっちも立派な安全運転だ。
それに比べてハロルドの運転は、左右に何度も大きく揺れるし、瓦礫にぶつかりそうになるしで気が休まらない。
けど、一時間ほど自動車を走らせて、ようやくハロルドも運転に慣れてきた頃にそいつらはやって来た。
「昴? あれ、何かわかる?」
「……おそらく、チーターの群れだ」
そう言ってゾーイは、これまたどこに持っていたのかコンパスというものを使って方角を見ている。
「こまめに休憩も必要だよね?」
「そうね……慣れないことで、すぐに疲れてしまうだろうし……ありがとう」
サトルが運転手を気遣う言葉をかけると、クレアが申し訳なさそうに、少し嬉しそうにありがとうと言う。
「トランクに荷物を詰めたら、すぐに出発しましょう」
そして、モーリスの一言でそれぞれが決められた自動車に乗り込んでいく。
俺は、シン、デルタ、ソニア、ジェームズの四人とそれぞれまたねとハイタッチをして見送って、自動車に乗り込む前にある人達に声をかけた。
「真由! クレア!」
「あ、昴……」
「昴くん、どうかした?」
「クレアに頼みがあるっていうか、多分大丈夫だろうけど、お願いかな?」
「お願い?」
「何なのよ……ていうか、私はここに必要ないじゃないの……」
呼んで振り向いた二人の顔は本当に対照的で、クレアはいつも通りだけど、真由は真っ青だった。
「何なのよはないだろ? あからさまに不安だみたいな顔してよ」
「はあ? 初めて乗るのよ? そりゃ不安になるわよ!」
今の真由は、まるでこの世の終わりのような顔をしている。
まあ、今いる地上は、一回この世の終わりを迎えてるわけだけどな。
子どもの頃から、真由はとても乗り物に酔いやすく、すぐ具合が悪くなる。
「失礼しましたよ。クレア? 真由って昔から乗り物あんまり得意じゃないんだよ、それでさ……」
「ゆっくりと安全運転でってことね?」
「そうなんだ。ごめん、頼むよ」
「心得ました」
ニッコリと、クレアは快く俺の頼みを受け入れてくれた。
「……余計な気回して、どうしたの」
「あのさ、素直にありがとうだけってのは言えないのか? また後でな?」
「ごめん、ありがとう……昴も、望のことお願いね?」
「……努力はするよ」
最後に真由と笑い合って、俺は赤い自動車に乗り込んだ。
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「ううおおおっ!? 何だどうし……急にこの自動車、震えたんだが!?」
「エンジンがかかっただけだろ!!」
「ハロルド、落ち着けって? まあとりあえずは、深呼吸だ!」
さっきまでは自分に任せろと、主にクレアにかっこつけていたくせにな……
今のハロルドは、自分でかけたエンジンにビクビクしている。
それを望が怒鳴り、サトルが優しく諭していく。
「これは、骨の二本ぐらいは折れることを覚悟していた方がいいかもね」
「ゾーイ……隣なんだから、ハロルドのこと励ましてあげなよ……」
「え? 何で? ハロルドは緊張してるぐらいがちょうど良くない?」
運転席にはハロルド、助手席にはゾーイ、後部座席には右から俺、サトル、望の順に座っている。
俺はゾーイの言葉を聞いて森にたどり着いた時に、この車が原型を留めているように俺は祈った。
心の底から祈りまくった。
「クソが、俺は下りる! 命がいくつあっても足りやしねえ!」
「あ、無理でーす。ロックしましたので開けませーん」
「はあ!? 舐めてんのか!?」
「昔から言うでしょ? 旅は道連れ世は情けってさ?」
「お前らなんかと道連れになるぐらいだったら、一人で死んだ方がマシだ!」
「ゾーイ! 望! 早く座れって、もう出発する……どおわあ!?!?」
ゾーイと望の言い争いが白熱し、主に望を落ち着かせて座らせようと俺が腰を浮かせた瞬間、急に重力に引っ張られるような感覚に襲われた。
「昴……大丈夫だったか?」
「何とか、大丈夫だ……」
俺はそのまま後ろに倒れ込み、隣のサトルは俺の膝の上に倒れ込んできた。
「しゅ、出発……したぞ!!」
「え? あ、ああ……ハロルド、その調子で頼むぞ!」
どうやら、猛スピードでハロルドが自動車を発車させたらしかった。
報告を受けて励ましたサトルは、とことんお人好しだと思う。
「頼んでたまるか! 出発したことを事後報告する運転手がどこにいる!」
「あたしの隣にいまーす」
「テメーは口閉じてろ! そして、その口を縫っとけ! はあ……はあ……!!」
ゾーイと望の言い争いは望の体力消耗により、今日は幕を閉じた。
ガラス越しに後ろを覗けば、クレアが運転する黄色の自動車と、モーリスが運転する黒の自動車が後を追って来ているのが見えた。
正直、どっちも立派な安全運転だ。
それに比べてハロルドの運転は、左右に何度も大きく揺れるし、瓦礫にぶつかりそうになるしで気が休まらない。
けど、一時間ほど自動車を走らせて、ようやくハロルドも運転に慣れてきた頃にそいつらはやって来た。
「昴? あれ、何かわかる?」
「……おそらく、チーターの群れだ」
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