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第三章-⑷ アランとシンとレオとモカ
トレジャーハント擬きかな
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「こんなのおかしいだろ……誰が正解を知ってんだよ……」
まさに疲労困憊、そんな状態で全員に聞こえるように発したのは望だった。
あれから一体、どれくらいの時間が過ぎただろうか?
俺達はゾーイに指示されるまま、その家にあると違和感があると思われる物を必死に探した。
「違和感ってなんなのかしらね……」
「俺も知りてえよ……」
望のその言葉に続くようにして、真由とシンも途方に暮れたように呟いた。
二人とも、目がどこか遠くを見てる。
もうこの際だから、ゾーイが何で針金を持っているのかとか、そんなにピッキングが手馴れているのかとか、そんなことは置いておく。
とにかく、俺達は侵入した家のありとあらゆるところを調べ尽くしたと思う。
机の裏、ベッドのシーツの裏、全ての棚と引き出し、鍋の中……
「見張り番、早まったかな……」
「ううん、むしろ逆よ。私達が見張り番じゃなかったら、もっと悲惨なことになっていたかもしれないわ……」
さらに続けるように、後悔したようなレオと、大きなため息を漏らしたモカが呟く。
荒らしに荒らしまくって、そんなことを五件の家で繰り返した。
その度に、家の中は泥棒が漁りましたというほどに、めちゃくちゃになる。
すると、今度はそのめちゃくちゃな家を元通りにするという作業が発生する。
これが、俺達が必要以上に疲労困憊をしてる最大の理由だ。
けど、ゾーイが言うのだ。
不法侵入の上に住居荒らしで捕まりたくなかった、元通りにしろと……
どの口が言ってるのか!?!?
そんなわけで、現在進行形で脅しと理不尽の狭間にいる俺達は、様々なことに心が折れそうだった。
「最後の家に着いたよ~? ほら、元気良くいこう!」
そんなことを考えて俯きながら並んで歩いていると、俺達の心情の中心人物であるゾーイからそんな声がした。
「待ってね、今開けるから!」
笑ってやろうかと思うほど、ゾーイのマイペースは健在だ。
そして、これまたスムーズにその家の鍵を開けて、全員で中に入る。
「最後だからね、気合い入れてよ? 特にシン!」
「え、お、俺!?」
「そうよ? あんたは特に気合い入れて探して」
「わかったけど……」
「オッケー、頼んだ! あんたの熱い友情に賭けてんだからね?」
終始ゾーイの言葉に対して、困惑の表情を浮かべるシンだった。
けど、今ので不法侵入と住居荒らしがアランのためだということは、何となく俺にはわかった。
わかったんだけど……本当に、何を目的にしてこんなことをしてるのかは全然わからなかった。
「ねえ……ゾーイ? 私達にも具体的な目的を教えてくれない?」
「え? だから、違和感のあるものを探してって。それが目的だけど?」
そんな時に、モカがたまらずにゾーイのことを呼び止めた。
それを聞いたゾーイは、棚の物をバンバン床に落としながら答える。
何かもう……人の物は丁寧にね?
「あ、けど……どこの家にも、怪しいとこなんてなかった……」
「レオ、どうかした?」
けど、続けるモカの言葉を急に遮って無表情になったゾーイ。
そして、君はレオに問うたのだ。
「あ、えっと……モカ? この家、何か臭わないか?」
「え……?」
ゾーイに話を振られたレオは、なぜかモカに話を振る。
「これって……」
けど、それを受けて驚きの表情を浮かべていたモカも、少しの間の後で表情を変えた。
「レオ、モカ、頼むわ。見つけて……」
すると、ゾーイはまた無表情でレオとモカに告げる。
「ゾーイ……君は、このことをどこまで知ってたの?」
「……さあね? ねえ、どこから臭うかわかる?」
レオはゾーイの言葉に怖いぐらいの真剣な顔をし、そう質問で返した。
けど、ゾーイははぐらかすように話を変えてしまった。
「あ、けど、何か下から臭わない?」
「……うん、僕も同じかな。この臭いはこの家の床下からだ」
モカはゾーイの質問に床を指差して答えて、レオもこれ以上ゾーイから答えを聞き出すことは難しいと思ったのか、諦めたようにモカに賛成していた。
「了解。全員、この家の地下への入口を探して」
ニヤリと笑ったゾーイの言葉に俺達は一斉に散らばって、手を付きながら床を探し回る。
俺にはわからないけど、家の中は何かの臭いに溢れており、その臭いの正体がゾーイの探していたもの……
そうか、さっきレオがなぜかモカに話を振ったのは、レオの次に鼻が利くモカにそれが臭うかを確かめるためか!
そして、それは俺の中で点と点が繋がったその時だった……
「あったぞ! 地下への入口だ!」
その声はシンだった。
全員で一斉にシンの声が聞こえた部屋の奥に向かうと、そこはベッドルーム。
そして、そこにはベッドを動かし終わったシンと、ベッドがあったであろう元の場所の床にある地下への扉。
「へー、よくやったじゃん?」
「隠し扉の場所はベッドの下か、本棚の裏かって、俺の故郷ではそう相場が決まってんだよ」
ゾーイの言葉に、シンは得意げにニヤリと笑ってそう言った。
「さすがね? サンキュー、シン!」
そして、シンとハイタッチを交わしたゾーイは扉の場所まで歩き、そこに座るとそれを開けた……
「見~つけた!」
まさに疲労困憊、そんな状態で全員に聞こえるように発したのは望だった。
あれから一体、どれくらいの時間が過ぎただろうか?
俺達はゾーイに指示されるまま、その家にあると違和感があると思われる物を必死に探した。
「違和感ってなんなのかしらね……」
「俺も知りてえよ……」
望のその言葉に続くようにして、真由とシンも途方に暮れたように呟いた。
二人とも、目がどこか遠くを見てる。
もうこの際だから、ゾーイが何で針金を持っているのかとか、そんなにピッキングが手馴れているのかとか、そんなことは置いておく。
とにかく、俺達は侵入した家のありとあらゆるところを調べ尽くしたと思う。
机の裏、ベッドのシーツの裏、全ての棚と引き出し、鍋の中……
「見張り番、早まったかな……」
「ううん、むしろ逆よ。私達が見張り番じゃなかったら、もっと悲惨なことになっていたかもしれないわ……」
さらに続けるように、後悔したようなレオと、大きなため息を漏らしたモカが呟く。
荒らしに荒らしまくって、そんなことを五件の家で繰り返した。
その度に、家の中は泥棒が漁りましたというほどに、めちゃくちゃになる。
すると、今度はそのめちゃくちゃな家を元通りにするという作業が発生する。
これが、俺達が必要以上に疲労困憊をしてる最大の理由だ。
けど、ゾーイが言うのだ。
不法侵入の上に住居荒らしで捕まりたくなかった、元通りにしろと……
どの口が言ってるのか!?!?
そんなわけで、現在進行形で脅しと理不尽の狭間にいる俺達は、様々なことに心が折れそうだった。
「最後の家に着いたよ~? ほら、元気良くいこう!」
そんなことを考えて俯きながら並んで歩いていると、俺達の心情の中心人物であるゾーイからそんな声がした。
「待ってね、今開けるから!」
笑ってやろうかと思うほど、ゾーイのマイペースは健在だ。
そして、これまたスムーズにその家の鍵を開けて、全員で中に入る。
「最後だからね、気合い入れてよ? 特にシン!」
「え、お、俺!?」
「そうよ? あんたは特に気合い入れて探して」
「わかったけど……」
「オッケー、頼んだ! あんたの熱い友情に賭けてんだからね?」
終始ゾーイの言葉に対して、困惑の表情を浮かべるシンだった。
けど、今ので不法侵入と住居荒らしがアランのためだということは、何となく俺にはわかった。
わかったんだけど……本当に、何を目的にしてこんなことをしてるのかは全然わからなかった。
「ねえ……ゾーイ? 私達にも具体的な目的を教えてくれない?」
「え? だから、違和感のあるものを探してって。それが目的だけど?」
そんな時に、モカがたまらずにゾーイのことを呼び止めた。
それを聞いたゾーイは、棚の物をバンバン床に落としながら答える。
何かもう……人の物は丁寧にね?
「あ、けど……どこの家にも、怪しいとこなんてなかった……」
「レオ、どうかした?」
けど、続けるモカの言葉を急に遮って無表情になったゾーイ。
そして、君はレオに問うたのだ。
「あ、えっと……モカ? この家、何か臭わないか?」
「え……?」
ゾーイに話を振られたレオは、なぜかモカに話を振る。
「これって……」
けど、それを受けて驚きの表情を浮かべていたモカも、少しの間の後で表情を変えた。
「レオ、モカ、頼むわ。見つけて……」
すると、ゾーイはまた無表情でレオとモカに告げる。
「ゾーイ……君は、このことをどこまで知ってたの?」
「……さあね? ねえ、どこから臭うかわかる?」
レオはゾーイの言葉に怖いぐらいの真剣な顔をし、そう質問で返した。
けど、ゾーイははぐらかすように話を変えてしまった。
「あ、けど、何か下から臭わない?」
「……うん、僕も同じかな。この臭いはこの家の床下からだ」
モカはゾーイの質問に床を指差して答えて、レオもこれ以上ゾーイから答えを聞き出すことは難しいと思ったのか、諦めたようにモカに賛成していた。
「了解。全員、この家の地下への入口を探して」
ニヤリと笑ったゾーイの言葉に俺達は一斉に散らばって、手を付きながら床を探し回る。
俺にはわからないけど、家の中は何かの臭いに溢れており、その臭いの正体がゾーイの探していたもの……
そうか、さっきレオがなぜかモカに話を振ったのは、レオの次に鼻が利くモカにそれが臭うかを確かめるためか!
そして、それは俺の中で点と点が繋がったその時だった……
「あったぞ! 地下への入口だ!」
その声はシンだった。
全員で一斉にシンの声が聞こえた部屋の奥に向かうと、そこはベッドルーム。
そして、そこにはベッドを動かし終わったシンと、ベッドがあったであろう元の場所の床にある地下への扉。
「へー、よくやったじゃん?」
「隠し扉の場所はベッドの下か、本棚の裏かって、俺の故郷ではそう相場が決まってんだよ」
ゾーイの言葉に、シンは得意げにニヤリと笑ってそう言った。
「さすがね? サンキュー、シン!」
そして、シンとハイタッチを交わしたゾーイは扉の場所まで歩き、そこに座るとそれを開けた……
「見~つけた!」
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