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第四章-⑵ ナサニエル墜落事件の真相
臭いは記憶を刺激する
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「二十三時に、五階の奥の空き部屋に集合って、ほぼ強制でゾーイに言われて集合はしたけど……」
「今度は、何が始まるんだろうな……」
「そもそも、何で、こんな微妙に遅い時間なんだよ!」
俺、サトル、望の三人は、一足先にゾーイに指定された空き部屋の前に着いたので、三人揃って壁にもたれながらこの後で起きる何かを予想していた。
まあ、正直、絶対に当たらないだろう自信しかないんだけどね……
「やっぱり、ここだったか~!」
「お~い! 三人とも! 部屋に呼びに行ったのだぞ~!」
そんなことを思いながら三人で途方に暮れていると、右方向から俺達を呼ぶ聞き覚えのある声が聞こえ、視線を移す。
そこには、手を振るシンとハロルドの姿と、後ろにはアラン、デルタ、モーリス、ジェームズの姿があった。
「ごめんな! 風呂から上がって、そのまま来ちゃったんだ!」
「気合い入ってんのか? 来てもやることないだろ?」
「けど、またゾーイからの無茶ぶりとかの呼び出しじゃなくて、よかったよ」
サトル軽めの謝罪にデルタはケラケラと笑って返し、ジェームズはどこかホッとしていた。
「しかし、この状態を作った張本人のゾーイはまだのようですね?」
「まあ、あいつは一番最後だろうな」
眼鏡をクイッとかけ直して、鋭い目付きで告げるモーリスに続き、アランは面倒だとばかりにあくびをしていた。
「あっれ~? 男子軍、早くないか!?」
「何なら、まだ余裕だったようだね」
男連中が全員集合をして、軽く談笑をして数分後、今度は反対の左方向からの聞き覚えのある声に振り返る。
そこには、ソニアが驚きの表情で手を振っているのと、レオの安心したような表情と、その後ろには真由、菜々美、クレア、コタロウ、モカの姿があった。
「レオ達と一緒に来たのか?」
「うん、場所わからないかもって思って迎えに行ったの」
「おかげで助かったわ。まだ全然把握できてないから」
「大丈夫だって! 私達も曖昧だし!」
俺が真由に駆け寄り声をかけると、真由は頷きながらそう返す。
その言葉にモカが手を合わせながらお礼を言ったことに、菜々美は笑って冗談交じりに、そう告げていた。
本当、俺達って仲良くなったよな……
「あ、ローレンさん、来てる? 部屋に呼びに行ったんだけどいなくて……」
「いや? ここに十分前ぐらいからいたけど、見てねえな……」
そんなことを思っていると、困ったように眉を下げて、クレアが視線をさ迷わせながら、俺達に投げかけてきた。
けど、望の言う通り、俺達はローレンさんを見てはいないので、首を横に振るしかなかった。
「それで? 我らが女王様は遅れてのご登場か?」
「呼んだかな?」
少しの不安を振り払うように、コタロウが話題を変えようとすると、突然の後ろからの聞き覚えがありすぎる声に、俺達は一斉に振り向いた。
「全員時間通りね? 偉いわよ?」
案の定、そこには満足げに微笑む、ゾーイの姿があった。
「ゾーイ! ねえ、頼むから、ここに全員を呼び出した理由を教えてって!」
あの図書室の出来事の後ですぐにゾーイを追いかけたが、誰一人としてゾーイを見つけることはできず、わけを聞くこともできないままだったのだ。
一体、今までどこに行ってたんだ?
すぐに俺は、ゾーイに対して、今回の呼び出しの件を問い詰めたのだが……
「は? わかってなかったの?」
ゾーイから返ってきた答えは、俺達の表情を凍らせるほどに、十分な破壊力を持ち合わせたものだった。
しかも、ゾーイが本気で驚いたような表情をするものだから救いもなくて……
え? 誓ってもいいけど、説明とか皆無だったよ? まあ、通常通りだけど。
「はあ……しょうがないわね? 教えてあげるわよ、まったく」
ゾーイはやれやれといった具合で、俺達全員の目の前に立った。
俺達は、そんなゾーイの姿にこっちのセリフだよと呆れすら感じていたが、ゾーイの言葉により、緩んだ空気は一瞬で音を失った……
「この空き部屋に、あの遺体の男を殺害し、ナサニエル墜落事件を実行したその犯人を呼び出したの」
「はあ!?」
「おそらく、その犯人がもうこの部屋の中にいるはずよ。さて、説明は終わったし、さっさと入ろう」
「は、はあ!? ゾーイ、まっ……!?」
俺の制止する声、他のみんなも口々に何かを言っていたが、ゾーイはそれを全部無視して、空き部屋の扉を開ける。
待って、まだ心の準備とかがさ……!?
そう思って振り向いた途端に、強烈な血の臭いが鼻を刺激する……何だ!?
「え、ローレン……さん?」
「助けて……!! この人が急に……!!」
ゾーイが電気をつけたことで、俺達の視界は明るくなる。
そして、見覚えのある背中に対し、真由が声をかける……そのことで、俺達の存在に気が付いたのだろう。
そこにいたのは、真っ青な顔で助けを求めるローレンさんと、大量の血溜まりと……え?
俺はこの大量の出血のもとであろうそれを見て、目を疑った。
「今度は、何が始まるんだろうな……」
「そもそも、何で、こんな微妙に遅い時間なんだよ!」
俺、サトル、望の三人は、一足先にゾーイに指定された空き部屋の前に着いたので、三人揃って壁にもたれながらこの後で起きる何かを予想していた。
まあ、正直、絶対に当たらないだろう自信しかないんだけどね……
「やっぱり、ここだったか~!」
「お~い! 三人とも! 部屋に呼びに行ったのだぞ~!」
そんなことを思いながら三人で途方に暮れていると、右方向から俺達を呼ぶ聞き覚えのある声が聞こえ、視線を移す。
そこには、手を振るシンとハロルドの姿と、後ろにはアラン、デルタ、モーリス、ジェームズの姿があった。
「ごめんな! 風呂から上がって、そのまま来ちゃったんだ!」
「気合い入ってんのか? 来てもやることないだろ?」
「けど、またゾーイからの無茶ぶりとかの呼び出しじゃなくて、よかったよ」
サトル軽めの謝罪にデルタはケラケラと笑って返し、ジェームズはどこかホッとしていた。
「しかし、この状態を作った張本人のゾーイはまだのようですね?」
「まあ、あいつは一番最後だろうな」
眼鏡をクイッとかけ直して、鋭い目付きで告げるモーリスに続き、アランは面倒だとばかりにあくびをしていた。
「あっれ~? 男子軍、早くないか!?」
「何なら、まだ余裕だったようだね」
男連中が全員集合をして、軽く談笑をして数分後、今度は反対の左方向からの聞き覚えのある声に振り返る。
そこには、ソニアが驚きの表情で手を振っているのと、レオの安心したような表情と、その後ろには真由、菜々美、クレア、コタロウ、モカの姿があった。
「レオ達と一緒に来たのか?」
「うん、場所わからないかもって思って迎えに行ったの」
「おかげで助かったわ。まだ全然把握できてないから」
「大丈夫だって! 私達も曖昧だし!」
俺が真由に駆け寄り声をかけると、真由は頷きながらそう返す。
その言葉にモカが手を合わせながらお礼を言ったことに、菜々美は笑って冗談交じりに、そう告げていた。
本当、俺達って仲良くなったよな……
「あ、ローレンさん、来てる? 部屋に呼びに行ったんだけどいなくて……」
「いや? ここに十分前ぐらいからいたけど、見てねえな……」
そんなことを思っていると、困ったように眉を下げて、クレアが視線をさ迷わせながら、俺達に投げかけてきた。
けど、望の言う通り、俺達はローレンさんを見てはいないので、首を横に振るしかなかった。
「それで? 我らが女王様は遅れてのご登場か?」
「呼んだかな?」
少しの不安を振り払うように、コタロウが話題を変えようとすると、突然の後ろからの聞き覚えがありすぎる声に、俺達は一斉に振り向いた。
「全員時間通りね? 偉いわよ?」
案の定、そこには満足げに微笑む、ゾーイの姿があった。
「ゾーイ! ねえ、頼むから、ここに全員を呼び出した理由を教えてって!」
あの図書室の出来事の後ですぐにゾーイを追いかけたが、誰一人としてゾーイを見つけることはできず、わけを聞くこともできないままだったのだ。
一体、今までどこに行ってたんだ?
すぐに俺は、ゾーイに対して、今回の呼び出しの件を問い詰めたのだが……
「は? わかってなかったの?」
ゾーイから返ってきた答えは、俺達の表情を凍らせるほどに、十分な破壊力を持ち合わせたものだった。
しかも、ゾーイが本気で驚いたような表情をするものだから救いもなくて……
え? 誓ってもいいけど、説明とか皆無だったよ? まあ、通常通りだけど。
「はあ……しょうがないわね? 教えてあげるわよ、まったく」
ゾーイはやれやれといった具合で、俺達全員の目の前に立った。
俺達は、そんなゾーイの姿にこっちのセリフだよと呆れすら感じていたが、ゾーイの言葉により、緩んだ空気は一瞬で音を失った……
「この空き部屋に、あの遺体の男を殺害し、ナサニエル墜落事件を実行したその犯人を呼び出したの」
「はあ!?」
「おそらく、その犯人がもうこの部屋の中にいるはずよ。さて、説明は終わったし、さっさと入ろう」
「は、はあ!? ゾーイ、まっ……!?」
俺の制止する声、他のみんなも口々に何かを言っていたが、ゾーイはそれを全部無視して、空き部屋の扉を開ける。
待って、まだ心の準備とかがさ……!?
そう思って振り向いた途端に、強烈な血の臭いが鼻を刺激する……何だ!?
「え、ローレン……さん?」
「助けて……!! この人が急に……!!」
ゾーイが電気をつけたことで、俺達の視界は明るくなる。
そして、見覚えのある背中に対し、真由が声をかける……そのことで、俺達の存在に気が付いたのだろう。
そこにいたのは、真っ青な顔で助けを求めるローレンさんと、大量の血溜まりと……え?
俺はこの大量の出血のもとであろうそれを見て、目を疑った。
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