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EP 7
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初仕事はゴブリン退治?いいえ、環境破壊です
翌朝。
激安の宿屋の万年床で、優太はカオスな寝言の合唱で目を覚ました。
「優太さん……もう食べられませんぅ……。この人参は二人で半分こしましょう……むにゃむにゃ……」
キャルルが幸せそうな顔で、優太の腕を人参代わりに抱きしめている。それは可愛い。非常に癒やされる光景だ。
だが、反対側は地獄だった。
「う~ん……このトカゲ、お尻から食べたら脂が乗ってて美味しそうですぅ……あむっ」
「ギャッ!? や、やめろぉ……勘弁してくれぇ……ンゴゴゴ……」
ルナが寝ぼけながら、イグニスの太い尻尾に本気で噛みついている。
イグニスは悪夢にうなされながら、白目を剥いて痙攣していた。
「……朝だぞ。突っ込み所が多すぎて処理しきれん。起きろ~!!」
優太は叫び、強引に三人を叩き起こした。
◇
朝食は、優太が【地球ショッピング】で取り寄せた食材で作った『エッグトースト』だ。
食パンの真ん中をくり抜き、フライパンで卵を落として焼いただけのシンプルな男飯だが、マヨネーズと塩コショウの味付けはこの世界では革命的だった。
「んんっ! この半熟の卵と、サクサクのパンのハーモニー! 絶品ですわ!」
「優太、おかわりだ! あと十枚!」
「私も……あと一枚だけ……」
あっという間に平らげた三人を前に、優太はコーヒーを啜りながら本題を切り出した。
「さて、これからの方針だが……。俺たちは昨日の騒動で一文無しだ。先立つ物がない。つまり、マネーが必要だ」
優太が深刻な顔で言うと、イグニスがドンとテーブルを叩いた。
「よぉっし! なら一発デカイ事をしようぜ! 竜の巣に乗り込んでお宝を奪うとかよ!」
「却下だ。死ぬわ」
優太が即答する。
続いてキャルルがおずおずと手を挙げた。
「ま、まずは手頃な事から始めませんか? 薬草採取とか……」
「そうだな。キャルルは堅実でいい子だ」
優太がうんうんと頷いていると、ルナが優雅に紅茶を飲みながら口を挟んだ。
「あら、お金なんて作れば良いんですわ。石ころなら外に沢山ありますし」
「「「それは犯罪だ!!!」」」
優太、キャルル、イグニスの三人が同時に突っ込んだ。
このエルフ、全く反省していない。
◇
結局、まともな稼ぎ口を探すために、一行は冒険者ギルドへと向かった。
掲示板の前で、優太は依頼書を吟味する。
「えっと……ゴブリン退治、ゴブリン退治……。初心者向けで、かつ数で稼げるやつがいいんだが」
「あ、有りましたよ優太さん!」
キャルルが一枚の羊皮紙を指差した。
『森の浅瀬にてゴブリンの群れ発生。討伐求む。一匹につき銅貨五枚』。
地味だが、今の彼らには丁度いいリハビリ案件だ。
「よし、これにしよう」
◇
街の外、鬱蒼とした森の中。
優太たちはゴブリンの集落を発見し、戦闘を開始していた。
「ガハハハ! ゴブリンなんざ敵じゃねぇぜ! 吹き飛べぇ!」
イグニスが人間大ほどもある両手斧を軽々と振り回す。
技術も何もない。ただの暴力的な旋風だ。
ゴブリンたちは悲鳴を上げる間もなく、ボールのように森の彼方へ吹っ飛んでいく。
「キャルルも行きます! 月華流(げっかりゅう)……『月衝撃(ムーン・インパクト)』!」
キャルルも負けていない。
華奢な身体からは想像できない踏み込みで懐に入り、闘気を纏わせたダブルトンファーを叩き込む。
ドォン! と重い音が響き、ゴブリンが地面にめり込んだ。
「皆強いなぁ……」
優太は感心しながら、少し離れた位置で長い木の棒を構えていた。
彼の役割は指揮と衛生兵だ。無理に前には出ず、近づいてきたゴブリンを棒のリーチで牽制し、追い払う。
それが、現代戦術を知る者の「死なない戦い方」だったのだが――。
後方にいたルナには、それが違って見えたらしい。
「大変! 優太さんがゴブリンに囲まれてピンチですわ!」
ただ二匹のゴブリンと対峙しているだけなのだが、ルナの目には絶体絶命に見えたようだ。
彼女は世界樹の杖を高く掲げた。
「私が助けます! 消し炭になりなさい! 極大爆炎魔法――『インフェルノ』ッ!!」
「は……?」
優太が振り返った瞬間、視界が真っ赤に染まった。
ゴブリン退治には過剰すぎる、戦略級の巨大な火球が放たれたのだ。
「待て馬鹿やめろォォォォォッ!!」
「ピンチじゃない! ゴブリン退治で出す技じゃないぃぃぃ!!」
ズドォォォォォォォォン!!
爆音と共に、ゴブリンどころか、森の一角がクレーターに変わった。
舞い上がる黒煙。燃え広がる木々。
「おほほ! やりましたわ! 優太さん、無事ですか?」
「無事なわけあるか!! 山火事になるだろ!!」
優太は涙目で【地球ショッピング】のウィンドウを開いた。
戦闘で稼ぐはずの報酬が、消火活動で消えていく未来が見えた。
「購入! 『業務用消火器』十本!! イグニス、キャルル! 戦闘中止だ! 消火作業開始ィィィ!!」
こうして、彼らの初仕事は「ゴブリン討伐」ではなく「消火活動」として幕を閉じたのであった。
(※報酬は消火器代でマイナスになった)
翌朝。
激安の宿屋の万年床で、優太はカオスな寝言の合唱で目を覚ました。
「優太さん……もう食べられませんぅ……。この人参は二人で半分こしましょう……むにゃむにゃ……」
キャルルが幸せそうな顔で、優太の腕を人参代わりに抱きしめている。それは可愛い。非常に癒やされる光景だ。
だが、反対側は地獄だった。
「う~ん……このトカゲ、お尻から食べたら脂が乗ってて美味しそうですぅ……あむっ」
「ギャッ!? や、やめろぉ……勘弁してくれぇ……ンゴゴゴ……」
ルナが寝ぼけながら、イグニスの太い尻尾に本気で噛みついている。
イグニスは悪夢にうなされながら、白目を剥いて痙攣していた。
「……朝だぞ。突っ込み所が多すぎて処理しきれん。起きろ~!!」
優太は叫び、強引に三人を叩き起こした。
◇
朝食は、優太が【地球ショッピング】で取り寄せた食材で作った『エッグトースト』だ。
食パンの真ん中をくり抜き、フライパンで卵を落として焼いただけのシンプルな男飯だが、マヨネーズと塩コショウの味付けはこの世界では革命的だった。
「んんっ! この半熟の卵と、サクサクのパンのハーモニー! 絶品ですわ!」
「優太、おかわりだ! あと十枚!」
「私も……あと一枚だけ……」
あっという間に平らげた三人を前に、優太はコーヒーを啜りながら本題を切り出した。
「さて、これからの方針だが……。俺たちは昨日の騒動で一文無しだ。先立つ物がない。つまり、マネーが必要だ」
優太が深刻な顔で言うと、イグニスがドンとテーブルを叩いた。
「よぉっし! なら一発デカイ事をしようぜ! 竜の巣に乗り込んでお宝を奪うとかよ!」
「却下だ。死ぬわ」
優太が即答する。
続いてキャルルがおずおずと手を挙げた。
「ま、まずは手頃な事から始めませんか? 薬草採取とか……」
「そうだな。キャルルは堅実でいい子だ」
優太がうんうんと頷いていると、ルナが優雅に紅茶を飲みながら口を挟んだ。
「あら、お金なんて作れば良いんですわ。石ころなら外に沢山ありますし」
「「「それは犯罪だ!!!」」」
優太、キャルル、イグニスの三人が同時に突っ込んだ。
このエルフ、全く反省していない。
◇
結局、まともな稼ぎ口を探すために、一行は冒険者ギルドへと向かった。
掲示板の前で、優太は依頼書を吟味する。
「えっと……ゴブリン退治、ゴブリン退治……。初心者向けで、かつ数で稼げるやつがいいんだが」
「あ、有りましたよ優太さん!」
キャルルが一枚の羊皮紙を指差した。
『森の浅瀬にてゴブリンの群れ発生。討伐求む。一匹につき銅貨五枚』。
地味だが、今の彼らには丁度いいリハビリ案件だ。
「よし、これにしよう」
◇
街の外、鬱蒼とした森の中。
優太たちはゴブリンの集落を発見し、戦闘を開始していた。
「ガハハハ! ゴブリンなんざ敵じゃねぇぜ! 吹き飛べぇ!」
イグニスが人間大ほどもある両手斧を軽々と振り回す。
技術も何もない。ただの暴力的な旋風だ。
ゴブリンたちは悲鳴を上げる間もなく、ボールのように森の彼方へ吹っ飛んでいく。
「キャルルも行きます! 月華流(げっかりゅう)……『月衝撃(ムーン・インパクト)』!」
キャルルも負けていない。
華奢な身体からは想像できない踏み込みで懐に入り、闘気を纏わせたダブルトンファーを叩き込む。
ドォン! と重い音が響き、ゴブリンが地面にめり込んだ。
「皆強いなぁ……」
優太は感心しながら、少し離れた位置で長い木の棒を構えていた。
彼の役割は指揮と衛生兵だ。無理に前には出ず、近づいてきたゴブリンを棒のリーチで牽制し、追い払う。
それが、現代戦術を知る者の「死なない戦い方」だったのだが――。
後方にいたルナには、それが違って見えたらしい。
「大変! 優太さんがゴブリンに囲まれてピンチですわ!」
ただ二匹のゴブリンと対峙しているだけなのだが、ルナの目には絶体絶命に見えたようだ。
彼女は世界樹の杖を高く掲げた。
「私が助けます! 消し炭になりなさい! 極大爆炎魔法――『インフェルノ』ッ!!」
「は……?」
優太が振り返った瞬間、視界が真っ赤に染まった。
ゴブリン退治には過剰すぎる、戦略級の巨大な火球が放たれたのだ。
「待て馬鹿やめろォォォォォッ!!」
「ピンチじゃない! ゴブリン退治で出す技じゃないぃぃぃ!!」
ズドォォォォォォォォン!!
爆音と共に、ゴブリンどころか、森の一角がクレーターに変わった。
舞い上がる黒煙。燃え広がる木々。
「おほほ! やりましたわ! 優太さん、無事ですか?」
「無事なわけあるか!! 山火事になるだろ!!」
優太は涙目で【地球ショッピング】のウィンドウを開いた。
戦闘で稼ぐはずの報酬が、消火活動で消えていく未来が見えた。
「購入! 『業務用消火器』十本!! イグニス、キャルル! 戦闘中止だ! 消火作業開始ィィィ!!」
こうして、彼らの初仕事は「ゴブリン討伐」ではなく「消火活動」として幕を閉じたのであった。
(※報酬は消火器代でマイナスになった)
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【キャラクター】
マヤ
・主人公(元は如月真也という名前の男)
・銀髪翠眼の少女
・魔物使い
マッシュ
・しゃべるうさぎ
・もふもふ
・高位の魔物らしい
オリガ
・ダークエルフ
・黒髪金眼で褐色肌
・魔力と魔法がすごい
【作者から】
毎日投稿を目指してがんばります。
わかりやすく面白くを心がけるのでぼーっと読みたい人にはおすすめかも?
それでは気が向いた時にでもお付き合いください〜。
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