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EP 15
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茶番劇(B級映画)の終焉
巨大な春太の掌(てのひら)の上で、ルナは満足げに頷いた。
「ハルタ様、凄いです! ドロちゃんがふらふらしていますわ!」
その視線の先では、春太の猫パンチを食らった泥の怪獣(ドロちゃん)が、千鳥足でよろめいていた。
『……ふむ。いい画(え)が撮れました』
地上からのネギオの声が響く。
『ですが、悪役は最後に派手に散らねばなりません。姫様、フィニッシュの指示を』
「了解よ! ドロちゃん、最後はカッコよく散るのよ!」
ルナが杖を振ると、怪獣の目がカッと赤く光った。
怪獣は天を仰ぎ、悲劇的なポーズを取る。
『グオオオオオオオ……(訳:ヤラレター)』
それはまるで、昭和の特撮映画で着ぐるみの怪獣が大げさに倒れるシーンそのものだった。
怪獣の体が内側から光り輝き始める。
「えっ、何? 自爆すんの!?」
春太が慌てて後ずさりする。
「ハルタ様、最後はビームでトドメですわ!」
「ビームなんて出ねえよ!」
「気合いです!」
「無茶言うな!」
しかし、雰囲気的に何もしないわけにはいかない。
春太はヤケクソで、右手を怪獣に向け、口で効果音を叫んだ。
「くらえ! 公務員ビーム!!(という名のただの手伸ばし)」
その瞬間。
怪獣(ドロちゃん)が空気を読みすぎた。
春太の手から何も出ていないのに、勝手に衝撃を受けたふりをして吹き飛んだのだ。
『ギャアアアアアアン!!』
カッ!! ズドオオオオオオオオオン!!
東京湾の夜空に、巨大な爆発の花が咲いた。
ただし、その爆炎は七色に輝き、星屑のようにキラキラと降り注ぐ、無駄にファンタジックで美しい爆発だった。
泥の体は光の粒子となって消滅し、環境への悪影響ゼロという、エコな最期を遂げた。
「たーまやー!」
『素晴らしい。アカデミー賞モノの爆発オチでしたね』
ルナとネギオが拍手喝采を送る。
春太は呆然と、消えゆく光を見つめていた。
「……なんだこの、三流B級映画は……」
力が抜けた。
緊張の糸が切れると同時に、春太の体を包んでいた光も収束し始める。
巨大化の効果時間が切れたのだ。
シュゥゥゥゥ……。
春太の体は急速に縮んでいく。
50メートルから、等身大へ。
東京湾の海面に、ぽちゃんと着水する。
「ふぅ……戻った……」
春太は安堵のため息をついた。
だが、ここで一つ、重大な問題が発生した。
巨大化していたスーツである。
あれはルナの魔力で無理やり引き伸ばされていたものだ。魔法が解ければどうなるか?
答えは簡単。耐久限界を超えて、塵となって消滅した。
「……あれ? なんかスースーする……」
春太は自分の体を見下ろした。
肌色。
何も着ていない。
生まれたままの姿。
「…………」
夜風が冷たい。海水が染みる。
そして、周囲には事態を見守っていた自衛隊の艦船や、報道ヘリのカメラ、野次馬たちの視線。
巨大なサーチライトが、海面に浮かぶ一人の全裸男性(春太)をパッと照らし出した。
『あっと! 巨大サラリーマンが元の姿に戻りました! しかし……これは……放送していいのでしょうか!? 全裸です! フルチンです!!』
ヘリからの実況が、無慈悲に響き渡る。
「う、うわああああああああああああ!!!」
春太は海の中で体を丸め、絶叫した。
怪獣騒ぎの英雄? 違う。
ただの東京湾全裸水泳公務員の誕生である。
岸壁で待っていたネギオが、ルナの目を手で覆いながら呟いた。
「見事なオチです、虫(ハルタ)。貴様こそ真のエンターテイナーだ」
「ハルタ様、どうして裸ん坊なの? 風邪引いちゃうわ!」
春太の社会的尊厳は、怪獣と共に爆発四散した。
翌日のスポーツ新聞の一面が、『内閣府職員、東京湾で奇行!?』となることは確定事項であった。
巨大な春太の掌(てのひら)の上で、ルナは満足げに頷いた。
「ハルタ様、凄いです! ドロちゃんがふらふらしていますわ!」
その視線の先では、春太の猫パンチを食らった泥の怪獣(ドロちゃん)が、千鳥足でよろめいていた。
『……ふむ。いい画(え)が撮れました』
地上からのネギオの声が響く。
『ですが、悪役は最後に派手に散らねばなりません。姫様、フィニッシュの指示を』
「了解よ! ドロちゃん、最後はカッコよく散るのよ!」
ルナが杖を振ると、怪獣の目がカッと赤く光った。
怪獣は天を仰ぎ、悲劇的なポーズを取る。
『グオオオオオオオ……(訳:ヤラレター)』
それはまるで、昭和の特撮映画で着ぐるみの怪獣が大げさに倒れるシーンそのものだった。
怪獣の体が内側から光り輝き始める。
「えっ、何? 自爆すんの!?」
春太が慌てて後ずさりする。
「ハルタ様、最後はビームでトドメですわ!」
「ビームなんて出ねえよ!」
「気合いです!」
「無茶言うな!」
しかし、雰囲気的に何もしないわけにはいかない。
春太はヤケクソで、右手を怪獣に向け、口で効果音を叫んだ。
「くらえ! 公務員ビーム!!(という名のただの手伸ばし)」
その瞬間。
怪獣(ドロちゃん)が空気を読みすぎた。
春太の手から何も出ていないのに、勝手に衝撃を受けたふりをして吹き飛んだのだ。
『ギャアアアアアアン!!』
カッ!! ズドオオオオオオオオオン!!
東京湾の夜空に、巨大な爆発の花が咲いた。
ただし、その爆炎は七色に輝き、星屑のようにキラキラと降り注ぐ、無駄にファンタジックで美しい爆発だった。
泥の体は光の粒子となって消滅し、環境への悪影響ゼロという、エコな最期を遂げた。
「たーまやー!」
『素晴らしい。アカデミー賞モノの爆発オチでしたね』
ルナとネギオが拍手喝采を送る。
春太は呆然と、消えゆく光を見つめていた。
「……なんだこの、三流B級映画は……」
力が抜けた。
緊張の糸が切れると同時に、春太の体を包んでいた光も収束し始める。
巨大化の効果時間が切れたのだ。
シュゥゥゥゥ……。
春太の体は急速に縮んでいく。
50メートルから、等身大へ。
東京湾の海面に、ぽちゃんと着水する。
「ふぅ……戻った……」
春太は安堵のため息をついた。
だが、ここで一つ、重大な問題が発生した。
巨大化していたスーツである。
あれはルナの魔力で無理やり引き伸ばされていたものだ。魔法が解ければどうなるか?
答えは簡単。耐久限界を超えて、塵となって消滅した。
「……あれ? なんかスースーする……」
春太は自分の体を見下ろした。
肌色。
何も着ていない。
生まれたままの姿。
「…………」
夜風が冷たい。海水が染みる。
そして、周囲には事態を見守っていた自衛隊の艦船や、報道ヘリのカメラ、野次馬たちの視線。
巨大なサーチライトが、海面に浮かぶ一人の全裸男性(春太)をパッと照らし出した。
『あっと! 巨大サラリーマンが元の姿に戻りました! しかし……これは……放送していいのでしょうか!? 全裸です! フルチンです!!』
ヘリからの実況が、無慈悲に響き渡る。
「う、うわああああああああああああ!!!」
春太は海の中で体を丸め、絶叫した。
怪獣騒ぎの英雄? 違う。
ただの東京湾全裸水泳公務員の誕生である。
岸壁で待っていたネギオが、ルナの目を手で覆いながら呟いた。
「見事なオチです、虫(ハルタ)。貴様こそ真のエンターテイナーだ」
「ハルタ様、どうして裸ん坊なの? 風邪引いちゃうわ!」
春太の社会的尊厳は、怪獣と共に爆発四散した。
翌日のスポーツ新聞の一面が、『内閣府職員、東京湾で奇行!?』となることは確定事項であった。
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