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やりたい事
今できること 5
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家族はじいちゃんとばあちゃんと3人で囲んでたけど、人数が増えるとその分 ご飯も美味しく感じる。それも自分の家族だと思えば尚更だ。
母さんは先に自宅に戻ったと昨日アルに聞いてる。自宅に戻ったなら スープの冷める距離になってしまった お母さんのあの涙もなんとなく分かる。
一足早く戻ったお母さんは、色々な方の茶会に参加して色々としないといけないらしい。女性には女性の戦い方のマナーが有るんだってぇ、アルが 遠くを見つめながら語ったけど、瞬時に想像したのは、、、オホホ なんて言いながら情報交換とかするの?実直に、怖ーよ 超ド市民の俺には お貴族の世界も複雑だと思った。
俺は昨日引っ越して来たけど、今日は解読のために城に行く。
解読をしてると もしかしたらと思える事がチラリと書かれてた。今日はその続きを読みたくてお城に行くことをアルに伝言で頼んどいた。
「行ってらっしゃいませ」
ノットさんとルーシーさんに見送られてお城の真正面から入るの初めてだなぁ~。と、ポケェ~としてたらシッカリと止められてしまった。身分証の提示を言われて細いチェーンを引っ張り ズボンのポケットから王様に手渡された海中時計型の身分証とアルから渡されたコインを一つに纏めて出した。
「こっコレは 失礼しました!!どうぞお入り下さい」
「ありがとうございます」
海中時計型を開くと、俺の名前と王家の紋章と王様の言葉が書かれてる。
アルからのコインは、困った事が有れば、このコインを近くの騎士に見せれば直ぐに動いてくれるから持っておいて欲しいと手渡された。コインはアルの名前と紋章入りの銀色のコイン。金よりも高価なんだろうなきっと。無くしたくないからとアルに頼んだら、王様から貰った海中時計型身分証と一つの鎖で繋いでくれた。それを 俺はズボンのベルトの穴に通してる。首にはアルから貰ったペンダントをちゃんとしてる。
『コレを見せればひれ伏すとか、水戸光〇公の印籠だよな』
『なんだ?インロウとは?」
『俺がいた所にも階級があった時代があって、どこの誰なのか分かるように印籠と言って、アルから貰ったコインと一緒で身分証みたいなもの。でも、俺がいた所で使われてた印籠は薬を入れにしてたんだ』
『面白いな。だが、大事な身分証が薬入れか。薬は高価なものが多いから どちらも大事な物だな』
『そうだね』
そんな事を話してるとウルさんが迎えに着てくれた。
「おはようございますイオリさん 桔梗さん」
桔梗大好きウルさんは桔梗に飛びっきりの笑顔を見せる。
「おはようございます。お世話になります」
「いえいえ、お気になさらずに。では 参りましょうか」
初めは怖々入っていた地下室も今ではすんなりと入って定位置になった椅子に座る。
最初に入って来て違うのは 少し家具が増えた。ソファーにローテーブル、お茶を入れる器具とテーブル、俺が黙々と解読してる間は桔梗はいつもお気に入りになってるフカフカのクッションに埋もれてる。
書かれた期日がバラバラの巻物や日記を順番に並べながら 読み進める。
神の不手際によりは迷い込んだ一人の男の日記は 前任者の宿命の様に書き残されてるかと思えば、戸惑い、吐き出せない想い、培って来た常識との齟齬、苦しい事、楽し事、悩んだ事、残して来た者の思い、所々 文章にもなってないが コレを書いてきた一人の人物像の一部が垣間見れる。
そして、同じ日本人として思い出の味は一緒なんだろう。俺も、もう一度食べれるならと聞かれたら、迷わずコレだと胸を張って言える物はある。
その味を人生の最後に 再現したかった男。その為に、いろんな地方に旅をして歩いてる。
「そろそろお昼ですが 手を休まれてはいかがですか?」
「あ!そうなんですね」
ウルさんにお昼と言われて手を休めて桔梗を見ると、埋もれてる身体をピョコンと出してグッと身体を伸ばす。
「桔梗さんのお肉は、いつも通り半焼きにしておりますよ」
そうなのだ。桔梗のお肉はレアで焼かれて食べやすい大きさで出される。
『半焼きは中々美味いからな』
ペロと舌を出して唇を舐める姿に、ウルさんは「沢山食べてくださいね」と、ニコニコして声をかける。
『半焼きも当たってるけど、その焼き方はレアって言うんだ』
『ほぉー、そうなのか』
軽い動きでクッションの中から出て来ると軽く体をぶるぶると振る桔梗のシルバーの被毛が揺れる様は綺麗だ。
「桔梗ってそうやって 毛を揺らすとキラキラして綺麗だよね」
「ええ、ホントに、毛の一本一本が美しい絹糸でございます。こんなに美しいお姿を拝見出来る私は幸せ者です」
ぉぉー、さすが桔梗の大ファンなだけあって賛美もカンペキ。・・・そして、満更でもない桔梗は御すまし顔って、人の言葉が聞こえてます。どころか 理解出来てます。って態度はバレるよ。
そのままお昼を食べてまた解読して 夕方には少し早い時間に帰る。
スープの冷めない距離だけど 暗くなる前に帰る様にアルから何度もしつこくいわれて約束したから守るしかない。
夕飯前まで お母さんのストールを編み時間を潰し、夕飯後も編み物をしながらアルを待った。
母さんは先に自宅に戻ったと昨日アルに聞いてる。自宅に戻ったなら スープの冷める距離になってしまった お母さんのあの涙もなんとなく分かる。
一足早く戻ったお母さんは、色々な方の茶会に参加して色々としないといけないらしい。女性には女性の戦い方のマナーが有るんだってぇ、アルが 遠くを見つめながら語ったけど、瞬時に想像したのは、、、オホホ なんて言いながら情報交換とかするの?実直に、怖ーよ 超ド市民の俺には お貴族の世界も複雑だと思った。
俺は昨日引っ越して来たけど、今日は解読のために城に行く。
解読をしてると もしかしたらと思える事がチラリと書かれてた。今日はその続きを読みたくてお城に行くことをアルに伝言で頼んどいた。
「行ってらっしゃいませ」
ノットさんとルーシーさんに見送られてお城の真正面から入るの初めてだなぁ~。と、ポケェ~としてたらシッカリと止められてしまった。身分証の提示を言われて細いチェーンを引っ張り ズボンのポケットから王様に手渡された海中時計型の身分証とアルから渡されたコインを一つに纏めて出した。
「こっコレは 失礼しました!!どうぞお入り下さい」
「ありがとうございます」
海中時計型を開くと、俺の名前と王家の紋章と王様の言葉が書かれてる。
アルからのコインは、困った事が有れば、このコインを近くの騎士に見せれば直ぐに動いてくれるから持っておいて欲しいと手渡された。コインはアルの名前と紋章入りの銀色のコイン。金よりも高価なんだろうなきっと。無くしたくないからとアルに頼んだら、王様から貰った海中時計型身分証と一つの鎖で繋いでくれた。それを 俺はズボンのベルトの穴に通してる。首にはアルから貰ったペンダントをちゃんとしてる。
『コレを見せればひれ伏すとか、水戸光〇公の印籠だよな』
『なんだ?インロウとは?」
『俺がいた所にも階級があった時代があって、どこの誰なのか分かるように印籠と言って、アルから貰ったコインと一緒で身分証みたいなもの。でも、俺がいた所で使われてた印籠は薬を入れにしてたんだ』
『面白いな。だが、大事な身分証が薬入れか。薬は高価なものが多いから どちらも大事な物だな』
『そうだね』
そんな事を話してるとウルさんが迎えに着てくれた。
「おはようございますイオリさん 桔梗さん」
桔梗大好きウルさんは桔梗に飛びっきりの笑顔を見せる。
「おはようございます。お世話になります」
「いえいえ、お気になさらずに。では 参りましょうか」
初めは怖々入っていた地下室も今ではすんなりと入って定位置になった椅子に座る。
最初に入って来て違うのは 少し家具が増えた。ソファーにローテーブル、お茶を入れる器具とテーブル、俺が黙々と解読してる間は桔梗はいつもお気に入りになってるフカフカのクッションに埋もれてる。
書かれた期日がバラバラの巻物や日記を順番に並べながら 読み進める。
神の不手際によりは迷い込んだ一人の男の日記は 前任者の宿命の様に書き残されてるかと思えば、戸惑い、吐き出せない想い、培って来た常識との齟齬、苦しい事、楽し事、悩んだ事、残して来た者の思い、所々 文章にもなってないが コレを書いてきた一人の人物像の一部が垣間見れる。
そして、同じ日本人として思い出の味は一緒なんだろう。俺も、もう一度食べれるならと聞かれたら、迷わずコレだと胸を張って言える物はある。
その味を人生の最後に 再現したかった男。その為に、いろんな地方に旅をして歩いてる。
「そろそろお昼ですが 手を休まれてはいかがですか?」
「あ!そうなんですね」
ウルさんにお昼と言われて手を休めて桔梗を見ると、埋もれてる身体をピョコンと出してグッと身体を伸ばす。
「桔梗さんのお肉は、いつも通り半焼きにしておりますよ」
そうなのだ。桔梗のお肉はレアで焼かれて食べやすい大きさで出される。
『半焼きは中々美味いからな』
ペロと舌を出して唇を舐める姿に、ウルさんは「沢山食べてくださいね」と、ニコニコして声をかける。
『半焼きも当たってるけど、その焼き方はレアって言うんだ』
『ほぉー、そうなのか』
軽い動きでクッションの中から出て来ると軽く体をぶるぶると振る桔梗のシルバーの被毛が揺れる様は綺麗だ。
「桔梗ってそうやって 毛を揺らすとキラキラして綺麗だよね」
「ええ、ホントに、毛の一本一本が美しい絹糸でございます。こんなに美しいお姿を拝見出来る私は幸せ者です」
ぉぉー、さすが桔梗の大ファンなだけあって賛美もカンペキ。・・・そして、満更でもない桔梗は御すまし顔って、人の言葉が聞こえてます。どころか 理解出来てます。って態度はバレるよ。
そのままお昼を食べてまた解読して 夕方には少し早い時間に帰る。
スープの冷めない距離だけど 暗くなる前に帰る様にアルから何度もしつこくいわれて約束したから守るしかない。
夕飯前まで お母さんのストールを編み時間を潰し、夕飯後も編み物をしながらアルを待った。
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