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2章 新生活と義兄の真意

とある男の話その2っ!−sideM−

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義妹に初めてあったとき
モテそうな可愛らしい女の子だなぁ、と思った

長めの黒髪がサラリと揺れ、大き目の瞳が俺を写す

まぁ、普通に彼氏いそうな子だな、と思った

声を聞く前に彼女は倒れた

「ちょ!父さん!これ!大丈夫なの!?」

俺は慌てて彼女を抱き起こす

彼女が意識を手放す前に小さな声が聞こえた

「なん、で…イケ、男…」

えっと、俺の妹頭大丈夫なのか?
まぁ、とりあえず……

「えっと、すみませんお義母さん、彼女の部屋はどこですか?」

「に、二階よ、すぐ横の部屋」

「ありがとうございます、部屋につれていきますね」

「大丈夫かしら、雪愛くん」

「はい、このくらい任せてください」


ヒョイッと彼女を抱き上げ、部屋まで運ぶ

女の子らしいピンク色をメインとした部屋だった
彼女を布団に寝かせ、床に座り、携帯をつつく

「んー……次は、かなら、ず…」

寝言だろうか?
海愛サンの方を向けば彼女は涙を流していた

「は…?」

なんで泣いてんの?そんなに再婚されるのやだったのか?

慌てて彼女の涙を服の裾でぬぐってやる

するとふにゃあ、と嬉しそうに笑う

なんだろうか、この笑顔を見てると落ち着く…
父さんたちの、幸せも大切にしたいけれど、彼女も笑わせてやりたい

そう思った


彼女が起きたあと、話し合いをし
彼女の様子をみるが、やはり少し悲しそうだった

そうだ、父さんに相談しよう…

俺が悪い奴になっても良い
海愛さんを守ってやろう、兄として…

他の兄がどんなもんかわからないし、知りたくもないけど
妹のことこんなに大切に思うのが兄なんだよ、な?

よくわかんない感覚を庇護欲だと考え、彼女を守る生活を始めた

手始めに転校か…
と、書類を集めはじめた……

まぁ、やりすぎくらいがちょうどいいのか……?
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