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最果ての森・成長編
76. 告白
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朝ごはんの後は、みんな思い思いに過ごす。
ティアはリビングを歩き回ってあちこちの匂いをスンスンと嗅いでいる。
テムとファムは、念話の教え方について話し合っているようだ。
「ぼくは、届けーって思ったらみんなに伝わったんだけどなー。分かりにくいのかなー?」
「そうか?オレは分かりやすいと思うぜ!オレも念話を使うときはそんな感じだしよ!」
「だよねー。あ、そうだ!思いが足りないんだよー!もっともっと、届けー!って思ったらいいんだよー!」
「おお!それだな!強く思えば伝わるんだぜ!」
なんとも微笑ましい雰囲気だが、言っていることはなかなか心にクルものがある。
『···こやつらは、アホなのか?』
僕のところに戻って来たティアがボソッと漏らした。
そう思いたい気持ちはよく分かるよ。でもね、残念ながらアホではなくて、天才なんだ。
僕はひょいっと椅子から降りて、遠い目をしながらティアを撫でる。
よしよし。よしよし。
ああ、君は僕の癒やしだ。
食器などを片付け終わってリビングへ戻って来たジルと目が合う。
「念話は出来そうか?」
「あうあう」
出来ません、と首を振る。
「そうか···。仕方ない、ライが来るのを待つか」
『ライというのは、あの白いバケモノのことか?あやつはきちんと教えてくれるのか?』
ティアが尻尾をフリフリしながら期待に満ちた目で僕を見つめる。
ティアはライのこと、白いバケモノって呼んでたんだ。
「りゃい、おちえる、じょうじゅ」
そう、ライの説明はとても分かりやすいんだ。
『そうなのか!ご主人が言うなら、間違いないぞ!白い···ではなくて、ライに早く来てほしいぞ!』
ライの名前は割とあっさり呼べるようだ。『楽しみなのだ!』と言いながら僕にじゃれつくティアが可愛い。
ワシャワシャしていたら、ティアがごろんと仰向けになる。
『ご主人、ご主人!腹も撫でてほしいのだ!ご主人は撫で上手なのだ!』
か、可愛い···!
そんなこと言われると、僕、張り切っちゃうよ?
ワシャワシャ。ワシャワシャ。
ああ、ふわふわ、天国。
至福の時間を過ごしていると、テムとファムがこちらへやって来た。
「なあ、オレも撫でていいか?」
「ぼくもー!」
『ふふん、ワレの毛は思わず触りたくなるほどフワフワなのだ!本当はご主人だけがいいのだが、特別に許可しよう。お主達はご主人の仲間だからな!ふん、ワレの寛大な心に感謝しながら触るといいぞ!』
「てぃあ、いいよ」
ちょっと長かったので、結論だけ伝える。
「わーい!」
「よっしゃ!···おお、フワフワのサラサラじゃねーか!」
「ほんとだー!」
『あ、ちょ、くすぐったいぞ!』
ティアとテムとファムがじゃれ合っている。みんな小さいので、絵面がめちゃくちゃ可愛い。
「フワサラで、きれいだねー。ジルがクリーンの魔法をかけたからかなー?」
ふとファムがそんなことを言う。
『な、何!?そうなのか!?···そういえば、ワレの毛は昨日まではもっと汚れていた気がするぞ』
仰向けの状態でティアが驚きに固まる。
「ん?ああ、そういえばそうだったか」
ジルがなんて事のないように言う。
僕も習得したい、このさり気なさ。
『···ジル、感謝する』
「てぃあ、あいあとって」
ティアの感謝の言葉をジルに伝える。
「···そうか」
短く応えたジルがしゃがんで、ティアをサッと撫でる。ひと呼吸置いてまた撫でる。
そうやってしばらくジルに撫でられている間、ティアは仮死状態かのように固まっていた。
「ねえねえ、お外で遊ばない?今日はいい天気だよー!」
ジルに撫でられて固まるティアを見守っていると、ファムがそんな提案をする。
「お、いいな!行こうぜ!」
テムが賛同し、早速二人は外に出る。
「···俺達も行くか」
ジルが僕を抱えて立ち上がる。
『ワ、ワレは生き延びたぞ···』
僕とジルの後ろから、そんな声が聞こえた。
『おお、この家、この庭···庭は少々変わったか?こうやってまた見る日が来るとは···』
僕達の後ろからティアがトコトコ付いて来ながら言う。まるで、以前からこの家のことを知っているかのような言い方だ。
「てぃあ?」
僕が首を傾げると、ティアがピタッと立ち止まる。
『あ、ご主人···。聞こえていたのか?』
僕が頷くと、ティアが頭を下げる。うなだれているように見えるのは、気のせいだろうか。
『あの···その、だな···。実は、ワレにはこの姿で生まれる前に生きていた記憶があるのだ』
予想だにしないその告白に、僕は衝撃を受けた。
ティアはリビングを歩き回ってあちこちの匂いをスンスンと嗅いでいる。
テムとファムは、念話の教え方について話し合っているようだ。
「ぼくは、届けーって思ったらみんなに伝わったんだけどなー。分かりにくいのかなー?」
「そうか?オレは分かりやすいと思うぜ!オレも念話を使うときはそんな感じだしよ!」
「だよねー。あ、そうだ!思いが足りないんだよー!もっともっと、届けー!って思ったらいいんだよー!」
「おお!それだな!強く思えば伝わるんだぜ!」
なんとも微笑ましい雰囲気だが、言っていることはなかなか心にクルものがある。
『···こやつらは、アホなのか?』
僕のところに戻って来たティアがボソッと漏らした。
そう思いたい気持ちはよく分かるよ。でもね、残念ながらアホではなくて、天才なんだ。
僕はひょいっと椅子から降りて、遠い目をしながらティアを撫でる。
よしよし。よしよし。
ああ、君は僕の癒やしだ。
食器などを片付け終わってリビングへ戻って来たジルと目が合う。
「念話は出来そうか?」
「あうあう」
出来ません、と首を振る。
「そうか···。仕方ない、ライが来るのを待つか」
『ライというのは、あの白いバケモノのことか?あやつはきちんと教えてくれるのか?』
ティアが尻尾をフリフリしながら期待に満ちた目で僕を見つめる。
ティアはライのこと、白いバケモノって呼んでたんだ。
「りゃい、おちえる、じょうじゅ」
そう、ライの説明はとても分かりやすいんだ。
『そうなのか!ご主人が言うなら、間違いないぞ!白い···ではなくて、ライに早く来てほしいぞ!』
ライの名前は割とあっさり呼べるようだ。『楽しみなのだ!』と言いながら僕にじゃれつくティアが可愛い。
ワシャワシャしていたら、ティアがごろんと仰向けになる。
『ご主人、ご主人!腹も撫でてほしいのだ!ご主人は撫で上手なのだ!』
か、可愛い···!
そんなこと言われると、僕、張り切っちゃうよ?
ワシャワシャ。ワシャワシャ。
ああ、ふわふわ、天国。
至福の時間を過ごしていると、テムとファムがこちらへやって来た。
「なあ、オレも撫でていいか?」
「ぼくもー!」
『ふふん、ワレの毛は思わず触りたくなるほどフワフワなのだ!本当はご主人だけがいいのだが、特別に許可しよう。お主達はご主人の仲間だからな!ふん、ワレの寛大な心に感謝しながら触るといいぞ!』
「てぃあ、いいよ」
ちょっと長かったので、結論だけ伝える。
「わーい!」
「よっしゃ!···おお、フワフワのサラサラじゃねーか!」
「ほんとだー!」
『あ、ちょ、くすぐったいぞ!』
ティアとテムとファムがじゃれ合っている。みんな小さいので、絵面がめちゃくちゃ可愛い。
「フワサラで、きれいだねー。ジルがクリーンの魔法をかけたからかなー?」
ふとファムがそんなことを言う。
『な、何!?そうなのか!?···そういえば、ワレの毛は昨日まではもっと汚れていた気がするぞ』
仰向けの状態でティアが驚きに固まる。
「ん?ああ、そういえばそうだったか」
ジルがなんて事のないように言う。
僕も習得したい、このさり気なさ。
『···ジル、感謝する』
「てぃあ、あいあとって」
ティアの感謝の言葉をジルに伝える。
「···そうか」
短く応えたジルがしゃがんで、ティアをサッと撫でる。ひと呼吸置いてまた撫でる。
そうやってしばらくジルに撫でられている間、ティアは仮死状態かのように固まっていた。
「ねえねえ、お外で遊ばない?今日はいい天気だよー!」
ジルに撫でられて固まるティアを見守っていると、ファムがそんな提案をする。
「お、いいな!行こうぜ!」
テムが賛同し、早速二人は外に出る。
「···俺達も行くか」
ジルが僕を抱えて立ち上がる。
『ワ、ワレは生き延びたぞ···』
僕とジルの後ろから、そんな声が聞こえた。
『おお、この家、この庭···庭は少々変わったか?こうやってまた見る日が来るとは···』
僕達の後ろからティアがトコトコ付いて来ながら言う。まるで、以前からこの家のことを知っているかのような言い方だ。
「てぃあ?」
僕が首を傾げると、ティアがピタッと立ち止まる。
『あ、ご主人···。聞こえていたのか?』
僕が頷くと、ティアが頭を下げる。うなだれているように見えるのは、気のせいだろうか。
『あの···その、だな···。実は、ワレにはこの姿で生まれる前に生きていた記憶があるのだ』
予想だにしないその告白に、僕は衝撃を受けた。
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