かわいいクリオネだって生きるために必死なの
保育園を卒園したばかりの6歳の大河は、ある事情で、母の実歩に連れられて古い平屋建ての借家に引っこすことになった。
借家のとなりには同じような家があり、同い年の少女、香葉来(かはら)と、母の香織が住んでいた。
両家は母子家庭で家庭環境も似ていたから、母同士はすぐなかよしになったが、香葉来は極度の人見知りだったので、大河に心を開かなかった。大河はもんもんとした気持ちだった。
ある日、香葉来の楽しげな声が聞こえてきたと思えば、彼女は知らない女の子と、きゃっきゃと遊んでいた。
その女の子は、真鈴(まりん)。借家の大家である里璃子の娘、真鈴だ。
真鈴は大河にほほえみかけた。友達になろうよ、と。
真鈴に巻きこまれるかたちだったけど、香葉来も少しずつ大河に心を開くようになった。
大河、香葉来、真鈴。3人は同じ小学校に入り、クラスも同じになった。
3人の絆は日に日に深くなっていく……。
けれど。成長していく中で、それぞれ、得意不得意、障害、コンプレックス……さまざまな個性がきわ立ちはじめ、とまどい、苦悩し、葛藤する。
それでも。3人はお互いを「特別な友達」と思い、支えあってすごしていく――が、あるとき。
3人に大きな歪みができた。
歪みは深まった。
姿を変えていき、やがて……
――中学2年のとき。大河は……。
取り返しがつかない、ひどいいじめを犯す人間になってしまった。
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