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第十四話 キマリス
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俺が繰り出す攻撃を執事の男は爪を伸ばして弾いてくる。執事と言いその能力といい、なんとなく思いついた言葉を言う。
「お前、吸血鬼か?」
クククと執事の男が答える。
「正解です。私こそが男爵吸血鬼、キマリスでございます。以後お見知りおきを」
「ここで死ぬお前の名前なんて覚えても意味ない、だろ!!」
俺の剣と相手の爪が弾きあう。SSR剣と同等の火力を持つ爪に俺は驚く。せめて同じような武器とタメをはるなら分かるが、ただの爪だろ?SSRの爪ってか。こいつ倒したらどんなドロップするんだろ。
効果が薄いと分かっていながらも、距離を取られるたびに雷魔法を使う。何回も攻防を繰り返しているうちに分かったことがある。
決して雷魔法が効いていないわけではない。一瞬相手を麻痺させることが出来るし、相手はいちいちスーツを丁寧に着なおす。そいつの矜持なのか、乱れた服装での状態をひどく嫌うようだ。
「鬱陶しいですね、効かないのが分かっているのにそんなに連発していいんですか」
「何を言ってる、いちいちその度にお前の動きが止まるじゃねーか、有効な攻撃手段だろ」
「私は心配していってあげているのに」
キマリスはそういうと右手の爪による刺突を繰り出してきた。俺はそれを盾で防ぐ、かなりの威力に少し後ずさる。
キンという甲高い音に目を向けるとキマリスの爪が折れていた。これは好機だ、。俺は無防備になった相手の右側に、振りかぶった剣で斬りつける。初撃は左手の爪で防がれてしまったが、その手に雷魔法を放つ。キマリスは麻痺したように動きを止めた。俺はその隙をついて奴の左肩から胴体にかけて剣を斬りつける。
ギギギとスーツとは思えない音を出したが、大きく相手の防御を削るような感触があった。相手は武器である爪を失い、スーツも大きく損傷した。これならいける、そう確信し相手を見るとキマリスは笑っていた。
俺は嫌な予感がして後ろに下がった。そこに左側から鋭い攻撃が繰り出され頬を掠める。傷口から血が垂れる。
「どうして……」
キマリスは右手に生えた新しい爪の先端に滴る血を、ゆっくりと舐めとった。
「爪が折れたら生やせばいいではありませんか、スーツも、新しいものに着替えればいい」
そういうとキマリスがサァーと霧のようになり、その姿を変える。そして頭の上から体が構成されるかと思うと、そこには新調したスーツに身を包む敵の姿があった。
まずいな……、SSR装備をもってしても圧倒できない相手、このまま戦い続けて装備が壊れるのが先か、俺の体力が切れるのが先か、どちらにせよ長期戦は不利だろう。何か弱点はないのか、戦いの中で見つけなければ俺はここで死ぬのだ。
死ぬ……?俺が……、こんなところで死ぬ……?
急に実感した死の気配、今まで感じたことのない恐怖が俺を襲う。
「おや、どうしたのですか、そんな顔をして、真っ青ですよ」
キマリスの言葉が頭に入ってこない。何かしゃべっているうちに打開策を、何か思いつかなければ、そう思う心とは裏腹に気づけばトンと背中に何かがぶつかる。
後ずさっていた。気づけば部屋の端まで来ていたのだ。
「うわああああああああああ」
俺は震えている全身を鼓舞するかのように叫んだ。剣から魔法を放ち相手の目を遮る。
「無駄だと言ったはずでは?」
駆け出した俺に呟くようにキマリスが左横にきた。
グサリ、尖った爪が足を貫く。
「ぐぅ!」
俺は左手に持った盾で乱暴に相手を払う。ひらりとキマリスは躱してくる。俺はずきずきと痛む足にポーションを振りかける。SSR雷の具足はまだ壊れていない、しかしその防御力をもってしても貫通する相手の攻撃、何回も受けれるものではない。
こういう時こそ冷静にならなければ、痛みを代償に血の気が引き頭が冴えてくる。
宝箱だ、どうにかしてあいつの相手をしつつ宝箱を開ける。そこに起死回生の何かがあると信じて。
俺に戦意が戻ったことを喜ぶかのようにキマリスがニヤリと微笑む。その口からは鋭い牙が生えている。
「そうですよ、戦いこそ、闘争こそが命が最も輝く瞬間、そう思いませんか?」
「同感だね、ただそれは命綱があってのことだって思うぜ」
SSR装備があるから、キングレッドリザードマンを相手にした時も、危機ではあったがどうにかすれば解決できただろう。
今その装備で通用するか分からない相手をしている。俺の心は興奮と絶望がない混ざったぐちゃぐちゃなものになっていた。
「それではいきますよ」
キマリスが距離を詰めてくる。後ろには下がれない、俺はじっと相手を見つめる。
諦めたのではない、その動きを見続け攻撃の予想を立てる。
「そこだ!」
俺は顔面を狙った相手の突きをすんでのところで躱し、下に潜り込んで相手の太ももあたりを切りつける。俺の腕に返り血が付着する。
そしてそのままキマリスを無視して宝箱のほうに向かって駆け出す。
「待ちなさい!」
キマリスが叫びながら飛んでくる。背中から大きな翼を出して一気に距離を詰めてくる。俺は剣を上に掲げ雷を落とす。俺より上にいた相手に直撃する。
「ぐッ…」
雷の攻撃を受けた相手がふらふらと落ちていく。よくわからないが雷を上から落とすと効いたらしい。しかしこちらにも体の異変が起こる。
「何だ…眩暈か…?視界がぼけやる」
「だから忠告してあげたでしょう、魔法をそんなに使ってもいいのかと」
「何を言って…」
俺はぼんやりする頭を振る。あれか、精神的な何かを使いすぎたっていうのか。頭が熱い脳が熱い、この原因はここにあると思い、ポーションを取り出し頭へとぶっかける。虚ろだった意識が戻り、体の動きを確認する。
そうしている間に相手は霧化を開始し、回復を計っている。俺はその隙を見逃さずに宝箱へとたどり着く。
俺は宝箱に手をかけ開いた。ガチャと同じように光を発して宝箱にアイテムがドロップした。
LR幸運のネックレス
俺は勝利を確信した。
「お前、吸血鬼か?」
クククと執事の男が答える。
「正解です。私こそが男爵吸血鬼、キマリスでございます。以後お見知りおきを」
「ここで死ぬお前の名前なんて覚えても意味ない、だろ!!」
俺の剣と相手の爪が弾きあう。SSR剣と同等の火力を持つ爪に俺は驚く。せめて同じような武器とタメをはるなら分かるが、ただの爪だろ?SSRの爪ってか。こいつ倒したらどんなドロップするんだろ。
効果が薄いと分かっていながらも、距離を取られるたびに雷魔法を使う。何回も攻防を繰り返しているうちに分かったことがある。
決して雷魔法が効いていないわけではない。一瞬相手を麻痺させることが出来るし、相手はいちいちスーツを丁寧に着なおす。そいつの矜持なのか、乱れた服装での状態をひどく嫌うようだ。
「鬱陶しいですね、効かないのが分かっているのにそんなに連発していいんですか」
「何を言ってる、いちいちその度にお前の動きが止まるじゃねーか、有効な攻撃手段だろ」
「私は心配していってあげているのに」
キマリスはそういうと右手の爪による刺突を繰り出してきた。俺はそれを盾で防ぐ、かなりの威力に少し後ずさる。
キンという甲高い音に目を向けるとキマリスの爪が折れていた。これは好機だ、。俺は無防備になった相手の右側に、振りかぶった剣で斬りつける。初撃は左手の爪で防がれてしまったが、その手に雷魔法を放つ。キマリスは麻痺したように動きを止めた。俺はその隙をついて奴の左肩から胴体にかけて剣を斬りつける。
ギギギとスーツとは思えない音を出したが、大きく相手の防御を削るような感触があった。相手は武器である爪を失い、スーツも大きく損傷した。これならいける、そう確信し相手を見るとキマリスは笑っていた。
俺は嫌な予感がして後ろに下がった。そこに左側から鋭い攻撃が繰り出され頬を掠める。傷口から血が垂れる。
「どうして……」
キマリスは右手に生えた新しい爪の先端に滴る血を、ゆっくりと舐めとった。
「爪が折れたら生やせばいいではありませんか、スーツも、新しいものに着替えればいい」
そういうとキマリスがサァーと霧のようになり、その姿を変える。そして頭の上から体が構成されるかと思うと、そこには新調したスーツに身を包む敵の姿があった。
まずいな……、SSR装備をもってしても圧倒できない相手、このまま戦い続けて装備が壊れるのが先か、俺の体力が切れるのが先か、どちらにせよ長期戦は不利だろう。何か弱点はないのか、戦いの中で見つけなければ俺はここで死ぬのだ。
死ぬ……?俺が……、こんなところで死ぬ……?
急に実感した死の気配、今まで感じたことのない恐怖が俺を襲う。
「おや、どうしたのですか、そんな顔をして、真っ青ですよ」
キマリスの言葉が頭に入ってこない。何かしゃべっているうちに打開策を、何か思いつかなければ、そう思う心とは裏腹に気づけばトンと背中に何かがぶつかる。
後ずさっていた。気づけば部屋の端まで来ていたのだ。
「うわああああああああああ」
俺は震えている全身を鼓舞するかのように叫んだ。剣から魔法を放ち相手の目を遮る。
「無駄だと言ったはずでは?」
駆け出した俺に呟くようにキマリスが左横にきた。
グサリ、尖った爪が足を貫く。
「ぐぅ!」
俺は左手に持った盾で乱暴に相手を払う。ひらりとキマリスは躱してくる。俺はずきずきと痛む足にポーションを振りかける。SSR雷の具足はまだ壊れていない、しかしその防御力をもってしても貫通する相手の攻撃、何回も受けれるものではない。
こういう時こそ冷静にならなければ、痛みを代償に血の気が引き頭が冴えてくる。
宝箱だ、どうにかしてあいつの相手をしつつ宝箱を開ける。そこに起死回生の何かがあると信じて。
俺に戦意が戻ったことを喜ぶかのようにキマリスがニヤリと微笑む。その口からは鋭い牙が生えている。
「そうですよ、戦いこそ、闘争こそが命が最も輝く瞬間、そう思いませんか?」
「同感だね、ただそれは命綱があってのことだって思うぜ」
SSR装備があるから、キングレッドリザードマンを相手にした時も、危機ではあったがどうにかすれば解決できただろう。
今その装備で通用するか分からない相手をしている。俺の心は興奮と絶望がない混ざったぐちゃぐちゃなものになっていた。
「それではいきますよ」
キマリスが距離を詰めてくる。後ろには下がれない、俺はじっと相手を見つめる。
諦めたのではない、その動きを見続け攻撃の予想を立てる。
「そこだ!」
俺は顔面を狙った相手の突きをすんでのところで躱し、下に潜り込んで相手の太ももあたりを切りつける。俺の腕に返り血が付着する。
そしてそのままキマリスを無視して宝箱のほうに向かって駆け出す。
「待ちなさい!」
キマリスが叫びながら飛んでくる。背中から大きな翼を出して一気に距離を詰めてくる。俺は剣を上に掲げ雷を落とす。俺より上にいた相手に直撃する。
「ぐッ…」
雷の攻撃を受けた相手がふらふらと落ちていく。よくわからないが雷を上から落とすと効いたらしい。しかしこちらにも体の異変が起こる。
「何だ…眩暈か…?視界がぼけやる」
「だから忠告してあげたでしょう、魔法をそんなに使ってもいいのかと」
「何を言って…」
俺はぼんやりする頭を振る。あれか、精神的な何かを使いすぎたっていうのか。頭が熱い脳が熱い、この原因はここにあると思い、ポーションを取り出し頭へとぶっかける。虚ろだった意識が戻り、体の動きを確認する。
そうしている間に相手は霧化を開始し、回復を計っている。俺はその隙を見逃さずに宝箱へとたどり着く。
俺は宝箱に手をかけ開いた。ガチャと同じように光を発して宝箱にアイテムがドロップした。
LR幸運のネックレス
俺は勝利を確信した。
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