快楽短編集①

ぎょく大臣

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透明の使い方それでいいのか? 前編〈現代・透明人間・玩具使用〉

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「あの」
「おわあぁーー!?」
「いきなり声を掛けてすみません。透明人間です」
「い、……これはこれは、ご丁寧に…?」

自宅で伸びて着心地の良くなったスウェット姿で、スマホを弄っていた所を突然声を掛けられた。
驚きはしたものの、相手の冷静な物言いに俺もすぐ落ち着いた。
透明人間と自己紹介するだけあって、声はすぐ側からするのに部屋中探しても姿は見えない。
なかなかハスキーで男前な声をしているので、まず相手は女性ではないだろう。

「詳細は言えないのですが、私この度透明になる薬の開発に成功しまして」
「え、やばくないですか?」
「いえ、今のところその薬で私意外に透明化に成功した者はいません」
「はあ…それはまぁ、良かったというか残念でしたねと言うか」
「どうやら透明化すると物質には干渉できるようですが、生き物には干渉できないようなのです。声も届きません。それでは私のかねてよりの望みが叶わない…と嘆いていたのですが、どうやらあなた様のように稀に接触できる方がいらっしゃるようです」
「…あ、あんた、まさか…」

話の雲行きが怪しくなってきて、身を守るように自分を抱きしめる。
エロ本みたいな展開が男同士で行われるのを想像して、ぞっと身震いした。
そんな俺の目の前に、突然なにかのリモコンのようなものがいくつか現れる。

「私をめちゃくちゃにして下さい!!」
「透明な方がやられる側かあ」

なんだそのマニアックな展開は。
しかもアニメとかゲームじゃないからこっちから相手の姿は全く見えないのに、どうしろってんだ。
あとこのリモコンも何だ?ダイヤルとかスイッチとか付いてて凄く嫌な予感がする。

「どうやら私と一定時間以上触れ合ってる物質は、一緒に透明になるようでして」
「いやいらないいらない。その説明いらない」
「あなた様からは見えないでしょうけど、実はずっと身体中にえっちなオモチャを装着しているんです」
「変態…本物の変態だ……」
「透明化したら誰にも見られず、けれどこちらからは見えてる状態で、誰にも助けて貰えないまま凌辱の限りを尽くされるという願望がとうとう叶えられると思っていたのに、他の生き物に接触できないのではいつも一人でやってる凌辱ごっこと変わらない!と嘆いていたのです」

ここまで説明されて、大体透明人間が望んでいることがなんとなく解ってしまう。
現代人の創作物にどっぷり嵌ってる故の適応力が恨めしい。
しかし性癖がぶっ飛びつつも偏ってるなこいつ。
仕方ない、さっさと帰って貰えるように要望に応えてやろう。折角の休日をこんな奴構ってて潰されたくないし。
透明人間の言い分からして、俺には直接的被害も無さそうだし。
いくつかあるうちのリモコンから一つ適当に選び、ダイヤルを回してみた。

「アアアァヒイイィーーーーーッ!?いきなり強くううぅぅぅう!!」

近くでバタつくような騒音とブイイイって機械音が聞こえる。
どうやら悶えているようだ。

「ちょ、まっ…まだ話の途中で…!」
「うっせえな、めちゃくちゃにして欲しかったんだろ」
「あはあぁぁぁぁっ、胸がああっ!そんなに優しく揉んじゃイヤアーー!!」
「ああ?これ胸用?ってか胸もオモチャ付けてんのかよ…こっちは?」
「やめえええあっ!胸いじめながらお尻を突かないで下さいいいぃぃっ…!!」
「あー…尻もイケる人なの、あんた…」

相手の変態性が留まることを知らず、遠い目になる。
俺の思考が止まってる間も、すぐそばで透明人間が高音で悶えている。
取り敢えずどのリモコンがどの部分用なのか、透明人間の喘ぎから判断してメモし、テープでそれぞれに貼り付けた。
これで責めやすい。
さっさと満足して貰って可及的速やかにお帰り願おうか。

「ああっ、そんなに強くしたり弱くしたりされたら、私はっ私はっ!」
「私はなんだって?気持ち良すぎて飛びそうですってか?」
「ひいっ、ひいいんっ、いけません…!乳首もだなんてっ…!ああ!」

どこをどう責められても感じるんじゃん。
呆れながら、用のリモコンの振動をMAXにする。

「おひいいいっ!いやです嫌っ…出ちゃう出ちゃいますっ…!!」
「え、ちょっと待て」

一度リモコンのスイッチを全部オフにする。
そんなぁ、とか非難するような声が聞こえたが無視無視。

「あんたが出したやつってどうなんの。体液とか」
「…………」
「おいダンマリかよ。もうやめるぞコラ」
「……後でちゃんと掃除しますので」
「うおわああぁっ!まーじーかーよぉー!」

床を確認したが、特に何かが飛び散ってるようには見えない。
ということは、こいつから分泌されてる液も透明なのだ。
目には見えないだけで確実に部屋を汚されてる事実に、どっと疲労感が来た。
せっかくの休日に透明人間に、しかも男に部屋を体液で汚される辛さよ。
あまりに腹が立って、相手を掴もうと辺りに手を彷徨わせる。

「お、いやがったなてめぇ!!」
「ひいっ!!」

視界には何も映ってないが、がっと何かが手に当たる感触があった。
この野郎好き勝手な願望押し付けやがって。
害が無ければいいかと思ったが、部屋のことは絶対に許さん。
どこを掴んだのかは解らないが、妙に凸凹した、恐らく関節?の部分を掴み、威嚇するように強く揺さぶる。

「はうっ、あううぅっ!そんな乱暴に出し入れされると、ひうぅん、か、感じてしまいますっ…!!」
「出し入れって…これ穴に入ってるバイブかよ!」
「ひぎいいぃぃいっ!おくまでくるうううぅぅぅーー!!」

ムカついてる相手を喜ばせてしまった腹いせに、バイブを叩きつけるように押し返す。えらいもん掴んでしまった。くそ。
本当に何しても感じやがって、どんだけ淫乱なんだよ。
苛々に任せてずぽずぽとバイブを出し入れすれば、透明人間は腰を振っているようで、掴んでいるモノがぐわんぐわんと上下する感覚があった。

「あふっ!お‟んっお‟んっお‟んっ、お‟んお‟んっ!すごぉっ…!」
「ちっ、動き回んな。透明で解りづらいんだよ」

これがバイブということは、この柔らかくも硬いのは尻か?
取り敢えず足のっぽい部分を押さえつけ、馬乗りになる。
押さえつけながら片手で尻を掴み、片手でバイブを動かす。

「アーーーッ!いけませんっ、そんなにしたらあっ!お、お尻でイッってしまう!!」
「っせえよ。さっさとイけ」
「ひどいいぃっ!いくっ!いくいくいくっいぐ!いくっ!いくっいっっくぅぅ!!」

びっくんびっくんと跳ね回る振動が伝わって来る。
傍から見たら空気椅子だな俺。
バイブを単調な出し入れからねじる様な入れ方に変え、尻の中を責め続ける。
イッてる最中を無慈悲に犯されている透明人間が、堪らないのか足をバタつかせた。

「いってるのにされるのしゅごいのおおぉっ!」
「これでもイイのかよ!腹立つな…!」
「あはあん!お尻イキ止まらないんですっ!こんなのっ、こんな凄いのされたらっ!私のお尻オマンコになってしまううぅぅっ!!」
「…なんか余裕あるなこいつ」

どうにかもうやめてと泣かせたくて、リモコンのスイッチを全部強に入れた。
それから手に持ってるバイブを、女を責めるように緩急つけて突き入れる。

「あ‟あーーーーーっ!!!」

暴れまわる身体を抑え付け、チンコらしき棒も弄ってやる。

「この変態が!これでも気持ちいいか!!」
「あうぅ~~おぉぉ~~~イイッイイッ!ああ~~~っ!!!」
「淫乱野郎め、こうしてやる!」
「あひゅぅうんっ!!全部されてるっ!奥まで犯されてるっ!!いいっ、こんなの初めてえっ!!も、もっとぐちゃぐちゃにして下さいぃぃー!!」
「こうか?これでも嬉しいのか!?」
「お‟ほおおぉんっ!うれしいですっ!またオマンコいっちゃうううぅっ!!いくいくいくいくっぅ!!」

また絶頂したらしい。
掴んでる尻がびくびくと痙攣している。
だがここで手は緩めない。
スマホで前立腺、位置と検索し、出てきた画像を元に透明人間のイイところを探る。

「はうう!?そこぉっ!!!」
「おし、ここか」

一際反応のあった場所、おそらく前立腺の場所をがんがんに突く。
アナルで感じることができる男は奥でも感じる奴が多いという情報も書いてあったので、前立腺を擦り上げるように突き入れ、奥も苛めまくる。

「ああん!あひいああーっ!ゆるしてっ、そこばっかりゆるしてくださいぃ!お、おかしくなってしまう!」
「最初っからおかしいだろお前は!この!この!」
「おおんっおん!お‟んっ!!そんな、またい、いぐっ!!すごいのがくるっ!!アヒイイイィィィイイーー!!」

ガクンと、透明人間が脱力するのがわかった。
それと同時にはっと正気に戻る。
やべぇよ、俺ちょっと乗り気で責めちゃってた。
身体中をがくがくさせながら肉欲を貪ってる透明人間から、そっと離れる。

「おい」

声を掛けたが反応なし。
嫌な予感がしてもう一度呼びかけるが、やはり反応なし。

「これ、気絶しちまったのかな…」

もういいや。
気が付くまでソシャゲの続きやろ。もちろんオモチャのスイッチは切らない。
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