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●8月_一夏のご褒美2
しおりを挟む湊さんと温泉旅行を約束した日がいよいよやってきた。
待ち合わせに指定した駅に30分前に着いてしまったが、そこにはもう湊さんが来ていた。
「すみません、お待たせしましたか」
「いや、俺もちょうど来た…」
少し予定より早い電車に乗って、温泉地へ向かった。
窓の風景は建物の高さがだんだん減っていき、やがて畑や山ばかりになった。
夏休み何してたとか、観光ここ回ってみたいとか、
駅で買ったお弁当を食べながら湊さんとたくさんおしゃべりできた。
最初は緊張気味で言葉数も少なかったが、着く頃には湊さんの方から話題を振ることも増えた。
宿に入るにはまだ少し早かったので、
地図を見ながら近場の観光名所を散策した。
「海斗!みてみて!魚いる」
「えっ、どこですか」
「あの岩の近く」
「あ、いた」
学校と違って山間にある温泉地のため、とても自然豊かだった。
綺麗な川も、魚や小動物も、湊さんは珍しそうにはしゃいでいた。
宿の近くに戻って来た頃ほど良い時間だったので、チェックインを済ませて部屋に上がった。
さすが、懸賞で当たったものだけあって、露天風呂付きの見晴らしの良い広い部屋だった。
「大浴場もあるので、夕飯前に入りにいきますか」
「そうだね!そうしようか」
お風呂も気持ちよく、夕食も絶品だった。
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