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●11月_僕だけのメイドさん

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はぁはぁと絶頂を迎えた後、湊さんは呼吸が整っていくと同時に顔を青ざめさせ始めた。


そしてその原因になってしまった僕はコッテリと怒られた。


メイド服も、鏡も床も、湊さんとか僕のもので結構な大惨事になったからだ。


たしかに、湊さんのメイド姿はすごく似合っていた。

いや、少し色気がありすぎた。

白い太もものに作られた絶対領域の魅了は言うまでもないし、
襟付き長袖で清楚なはずのワンピースはスカート丈のせいで、違う色を出していた。

金髪に黒目と、整った中性的な顔立ちによく似合うリボンがついた髪飾りは女の子と見間違うほど似合っていた。



結局、
責任を取ってちゃんと洗っておくと取り上げたメイド服は、きちんと証拠を隠滅した後、くるぶしが隠れるくらいの丈に調整させて当日を迎えた。

教室の掃除もちゃんと僕が1人でした。


文化祭初日、
生徒会の朝の集まりが終わった後、
一般解放される前に、湊さんの教室まで様子を見に行った。

ちょうど着替え終えたらしい、湊さんが準備の手伝いをしていた。


スカート丈が直されたせいか、色気よりは清楚が増したが、これはこれで、一部の人の好みに刺さりそうな見た目にはなってしまっていた。

仕方ない、湊さんは何を着ても似合ってしまうらしい。


目があったので、ニコッと微笑んでみたら、
プイッと目線を逸らされて無視された。


ちょうど僕も準備でクラスのやつに連れ戻されたので、
また後で来ることにした。

湊さんのクラスのシフトと、
きっちりした根回しのおかげか、
文化祭両日とも、湊さんと周り時間ができた。

最初は渋々着いてくる感じなのに、
諦めがつくと、楽しみ始める。

他の人と楽しそうに話してる笑顔にいつもは仄暗い感情で揺れる心も、
今日はその隣で一緒にいるのが自分だと思うだけで、湊さんの笑顔を増やしたそいつらに優しく出来た。


執事姿の華園先輩はすごく似合ってたし、
いつもツンツン男らしい風を吹かせてる一之瀬先輩のメイド服は何回会っても湊さんのツボに入っていたらしい。

椿先輩のとこのお化け屋敷も面白かったし、たこ焼きを焼いていた優先輩はおまけで2個たこ焼きを増やしてくれた。

クラスの仕事や生徒会の仕事の合間を縫いながら、あっという間に文化祭は終わってしまった。


後夜祭の花火は、本当は2人で見たかったけど、今年は生徒会の仕事をしなければいけないから、難しそうだった。

来年こそは湊さんと一緒に見れたらいいな。
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