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恩師と母
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喫茶店に入ると珈琲の匂い、そして控えめに流れているジャズがいい雰囲気を出していた。
個人経営の小さな店で四人がけテーブルが2つとカンウターが5席あるだけだった。
凛音達は入ってすぐ、左側のテーブル席へと腰を下ろしメニューを開いた、どれもこだわりがあるようで何にしようか迷った結果二人はおまかせブレンドを注文した。
「さっきは申し訳ない、つい話に火がついてしまって」
「いえ、私こそ急に誘ってしまって・・・・」
「気にしないで、それにあなたの演奏のルーツも聞かせてほしいと思ってたんです。
あ、その前にお名前お聞きしてもいいですか?」
そう言われて凛音はまだ名乗っていなかった事に気がついた。
「あ、申し遅れました、私藤宮凛音といいます」
すると湊音は何か引っかかる表情で少し俯き、右手を顎に添えて
「藤宮・・・」
と呟いていた。
そんな湊音を不思議に思った凛音は聞いてみた。
「あの、どうかされましたか?」
聞かれた湊音はぱっと顔を上げて笑顔で返した。
「いや、たいしたことではないんですけど、僕の恩師が藤宮という名前でしてね、そしてこの間聴いたあなたの演奏が恩師の演奏に似ていたものですから、もしやと思ったんですよ」
凛音も湊音の話を聞きもしやと思った。
凛音の母はプロのピアニスト養成の講師を務めていたから接点がある可能性は高いと思った。
「私の母親はピアニスト養成講師を務めているんですけど、もしかしたら湊音さんの恩師って・・・・」
湊音はまさかといった表情になって問う。
「もしかして藤宮 千早希(ふじみや ちさき)という名前ではないですか?」
その名前を聞いた凛音も驚きを隠せなかった。
間違いなく母親の名前だ、しかし母親から湊音の講師をしていた事など聞いたこともなかった。
「そうです!お母さんの名前!」
「これは驚きましたね、人の縁ってのは奇妙なものですね。
こうして恩師との繋がりが間接的にですが、また繋がるとは思いもしませんでした。
どうりであなたの演奏に懐かしさを感じたわけだ」
二人は奇妙な出会に顔を合わせて笑った。
個人経営の小さな店で四人がけテーブルが2つとカンウターが5席あるだけだった。
凛音達は入ってすぐ、左側のテーブル席へと腰を下ろしメニューを開いた、どれもこだわりがあるようで何にしようか迷った結果二人はおまかせブレンドを注文した。
「さっきは申し訳ない、つい話に火がついてしまって」
「いえ、私こそ急に誘ってしまって・・・・」
「気にしないで、それにあなたの演奏のルーツも聞かせてほしいと思ってたんです。
あ、その前にお名前お聞きしてもいいですか?」
そう言われて凛音はまだ名乗っていなかった事に気がついた。
「あ、申し遅れました、私藤宮凛音といいます」
すると湊音は何か引っかかる表情で少し俯き、右手を顎に添えて
「藤宮・・・」
と呟いていた。
そんな湊音を不思議に思った凛音は聞いてみた。
「あの、どうかされましたか?」
聞かれた湊音はぱっと顔を上げて笑顔で返した。
「いや、たいしたことではないんですけど、僕の恩師が藤宮という名前でしてね、そしてこの間聴いたあなたの演奏が恩師の演奏に似ていたものですから、もしやと思ったんですよ」
凛音も湊音の話を聞きもしやと思った。
凛音の母はプロのピアニスト養成の講師を務めていたから接点がある可能性は高いと思った。
「私の母親はピアニスト養成講師を務めているんですけど、もしかしたら湊音さんの恩師って・・・・」
湊音はまさかといった表情になって問う。
「もしかして藤宮 千早希(ふじみや ちさき)という名前ではないですか?」
その名前を聞いた凛音も驚きを隠せなかった。
間違いなく母親の名前だ、しかし母親から湊音の講師をしていた事など聞いたこともなかった。
「そうです!お母さんの名前!」
「これは驚きましたね、人の縁ってのは奇妙なものですね。
こうして恩師との繋がりが間接的にですが、また繋がるとは思いもしませんでした。
どうりであなたの演奏に懐かしさを感じたわけだ」
二人は奇妙な出会に顔を合わせて笑った。
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