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コンサート1
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コンサート当日
ホールの入口にはドレスコードの人達が集まっていた。
そんな中、凛音は緊張していた。
「みなさん品がありそうな人達ですね、私場違いじゃないですか?」
凛音はリサイタルコンサートは行くことがあっても、こうした大きなコンサートには来たことがなかった。
慣れていない凛音はまわりの雰囲気に飲まれそうになっていた。
「そんな固くならなくても大丈夫ですよ、皆さんピアノが好きな人達です。
僕達と何も変わりませんよ」
こういう雰囲気には慣れているのだろう、緊張している凛音を優しくエスコートしてくれる湊音が舞踏会で手を引いてくれる王子様に見えた。
凛音は自分の想像で恥ずかしくなってしまい湊音から視線をそらした。
「どうかしましたか?」
不思議そうに湊音が顔を覗き込む。
また顔をそらして凛音は
「別になんでもないです」
としか言えなかった。
ホールに入ると想像を越える広さに凛音は感動した。
「うわー広いですね」
周りに気を使いながら小さい声で感嘆の言葉を漏らした。
湊音からしたら見慣れた景色だ、そんな中新しい景色を観て感嘆している凛音の様子はどこか微笑ましく思えた。
席に着くと意外と狭い。
収客人数を確保するためなのだろう。
湊音と肩が僅かに触れて凛音はちょっと照れくさかった。
暫くしてホールの照明が落とされた。
そして舞台だけが照らされて、そこに観客の視線が注がれる。
舞台脇から進行役が出てきて挨拶を始めた。
終えた後、ピアニストか二人出てきた。
今日のテーマは連弾で奏でる名曲クラシックだ。
舞台には2台のグランドピアノが向かい合うように置かれている。
ピアニストの挨拶もそこそこに二人はピアノの椅子に着席した。
この着席してから演奏が始まるまでの間はとてもワクワクする。
早く演奏を聴きたい、ピアノの音色を浴びせてほしいという気持ちが高まる瞬間でもある。
そして二人のピアニストはアイコンタクトを取り、演奏をはじめた。
出だしはかなり重たい音から始まり強い負の感情みたいな物を感じることができる。
大きな闇が世界を包むようなそんな雰囲気の中、僅かな希望を感じさせる音色が弱々しく流れる。
もう世界は救いようがな位程に追い詰められている。
そして、人々は嘆き悲しむ。
しかし、一人の男が立ち上がる、まだ負けたわけではないと、そして闇に立ち向かっていくような曲調へと変わっていく。
そして、闇との激しい戦いが始まる。
その姿に他の人々も立ち上がり、戦いは激しさを増していく。
そして、激闘はやがて終盤へと進んでいく。
人々は倒れ、最初に立ち向かった男一人となってしまう。
そして、闇の根源である者と、男の戦いが始まってそのまま終わってしまう。
凛音はこの曲にはそんなストーリーを感じた。
一曲目ショスタコーヴィチ「コンチェルティーノ」
が終わった。
ホールの入口にはドレスコードの人達が集まっていた。
そんな中、凛音は緊張していた。
「みなさん品がありそうな人達ですね、私場違いじゃないですか?」
凛音はリサイタルコンサートは行くことがあっても、こうした大きなコンサートには来たことがなかった。
慣れていない凛音はまわりの雰囲気に飲まれそうになっていた。
「そんな固くならなくても大丈夫ですよ、皆さんピアノが好きな人達です。
僕達と何も変わりませんよ」
こういう雰囲気には慣れているのだろう、緊張している凛音を優しくエスコートしてくれる湊音が舞踏会で手を引いてくれる王子様に見えた。
凛音は自分の想像で恥ずかしくなってしまい湊音から視線をそらした。
「どうかしましたか?」
不思議そうに湊音が顔を覗き込む。
また顔をそらして凛音は
「別になんでもないです」
としか言えなかった。
ホールに入ると想像を越える広さに凛音は感動した。
「うわー広いですね」
周りに気を使いながら小さい声で感嘆の言葉を漏らした。
湊音からしたら見慣れた景色だ、そんな中新しい景色を観て感嘆している凛音の様子はどこか微笑ましく思えた。
席に着くと意外と狭い。
収客人数を確保するためなのだろう。
湊音と肩が僅かに触れて凛音はちょっと照れくさかった。
暫くしてホールの照明が落とされた。
そして舞台だけが照らされて、そこに観客の視線が注がれる。
舞台脇から進行役が出てきて挨拶を始めた。
終えた後、ピアニストか二人出てきた。
今日のテーマは連弾で奏でる名曲クラシックだ。
舞台には2台のグランドピアノが向かい合うように置かれている。
ピアニストの挨拶もそこそこに二人はピアノの椅子に着席した。
この着席してから演奏が始まるまでの間はとてもワクワクする。
早く演奏を聴きたい、ピアノの音色を浴びせてほしいという気持ちが高まる瞬間でもある。
そして二人のピアニストはアイコンタクトを取り、演奏をはじめた。
出だしはかなり重たい音から始まり強い負の感情みたいな物を感じることができる。
大きな闇が世界を包むようなそんな雰囲気の中、僅かな希望を感じさせる音色が弱々しく流れる。
もう世界は救いようがな位程に追い詰められている。
そして、人々は嘆き悲しむ。
しかし、一人の男が立ち上がる、まだ負けたわけではないと、そして闇に立ち向かっていくような曲調へと変わっていく。
そして、闇との激しい戦いが始まる。
その姿に他の人々も立ち上がり、戦いは激しさを増していく。
そして、激闘はやがて終盤へと進んでいく。
人々は倒れ、最初に立ち向かった男一人となってしまう。
そして、闇の根源である者と、男の戦いが始まってそのまま終わってしまう。
凛音はこの曲にはそんなストーリーを感じた。
一曲目ショスタコーヴィチ「コンチェルティーノ」
が終わった。
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