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湊音の誘い
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コンサートが終わり、二人はそのまま夜ご飯を食べる事になった。
高層ビルの上層部にあるおしゃれなフレンチレストランだ。
カウンターテーブルからは夜景を見る事ができる。
そして、店内に置いてあるピアノの生演奏を聴きながら食事ができる。
二人はワインと料理をいくつか頼み、夜景を観ながら今日の感想を話し合っていた。
「今日の演奏すごかったですね、あんなに惹き込まれたのは初めてです。
演奏の先に世界が見えました」
凛音は夜景をみつめながらそう言った。
そんな凛音が話している様子を湊音は見つめながら話を聞く。
「僕も今まで、こんな事はなかったです。
イメージの中で誰かと連弾をした事はありません」
夜景を見ていた凛音は微笑んで言った。
「そうですね」
暫く二人は景色に見とれて無口になる。
そこへ注目していたワインが運ばれてきた。
湊音はワインを一口飲み、思っていたことを話した。
「今日、最後の曲の世界で凛音さんと連弾をしていたんです。
僕の演奏に合わせてくれていて、とても心地よかった。
それで思ったんですけど、二人で連弾をしてみませんか?」
凛音は景色を眺めたまま耳を傾けている。
「今日、凛音さんとなら、連弾をうまくやれると確信したんです。
二人でならきっと、やっていけるんじゃないかなと思いました。
君は僕の演奏を昔から聴いてくれていたから僕に合わせれた。
僕も君の先生に指導を受けていたから先生の演奏に似ている君に合わせることもできる。
だから、その、僕と連弾のピアニストを目指してくれませんか?」
凛音は湊音の誘いが嬉しかった。
自分の力を認めてくれている。
そして一緒に演奏したいと思ってくれている。
心の底から嬉しかった。
けど、迷いがあった。
ピアニストとして演奏するのは気が進まなかった。
「ありがとう、私も最後の曲の世界で湊音さんと連弾していました。
湊音さんの言う通り、私達は相性が良いかもと思いました。
けど、私はピアニストとしてよりも自由な演奏を続けたい。
だから、少し考えさせて欲しい」
「もちろんです、急な誘いだったから今すぐ決めて欲しいと言う事ではありません。
ゆっくり考えてくれたらありがたいです」
凛音は昔を思い出していた。
あの日から自由な演奏を求めていたんだと。
高層ビルの上層部にあるおしゃれなフレンチレストランだ。
カウンターテーブルからは夜景を見る事ができる。
そして、店内に置いてあるピアノの生演奏を聴きながら食事ができる。
二人はワインと料理をいくつか頼み、夜景を観ながら今日の感想を話し合っていた。
「今日の演奏すごかったですね、あんなに惹き込まれたのは初めてです。
演奏の先に世界が見えました」
凛音は夜景をみつめながらそう言った。
そんな凛音が話している様子を湊音は見つめながら話を聞く。
「僕も今まで、こんな事はなかったです。
イメージの中で誰かと連弾をした事はありません」
夜景を見ていた凛音は微笑んで言った。
「そうですね」
暫く二人は景色に見とれて無口になる。
そこへ注目していたワインが運ばれてきた。
湊音はワインを一口飲み、思っていたことを話した。
「今日、最後の曲の世界で凛音さんと連弾をしていたんです。
僕の演奏に合わせてくれていて、とても心地よかった。
それで思ったんですけど、二人で連弾をしてみませんか?」
凛音は景色を眺めたまま耳を傾けている。
「今日、凛音さんとなら、連弾をうまくやれると確信したんです。
二人でならきっと、やっていけるんじゃないかなと思いました。
君は僕の演奏を昔から聴いてくれていたから僕に合わせれた。
僕も君の先生に指導を受けていたから先生の演奏に似ている君に合わせることもできる。
だから、その、僕と連弾のピアニストを目指してくれませんか?」
凛音は湊音の誘いが嬉しかった。
自分の力を認めてくれている。
そして一緒に演奏したいと思ってくれている。
心の底から嬉しかった。
けど、迷いがあった。
ピアニストとして演奏するのは気が進まなかった。
「ありがとう、私も最後の曲の世界で湊音さんと連弾していました。
湊音さんの言う通り、私達は相性が良いかもと思いました。
けど、私はピアニストとしてよりも自由な演奏を続けたい。
だから、少し考えさせて欲しい」
「もちろんです、急な誘いだったから今すぐ決めて欲しいと言う事ではありません。
ゆっくり考えてくれたらありがたいです」
凛音は昔を思い出していた。
あの日から自由な演奏を求めていたんだと。
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