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人間でも魔獣でも協力してくれる者がいるなら幸せ
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よし・・・とりあえず落ち着こう。まずは状況の確認だ。
灰色の兵士達・・・もとい、不完全な死者蘇生で蘇った兵士達の数はざっと50人ほど。おそらくいくつかの部隊に分けて森を破壊しているのだろう。
そして一番の問題は
「出てこい!卑怯者のファリン族め!」
そういきり立ちながら雷魔法を放つあの転生者。森の外にいるグランドさんに挑んでいた転生者は15~16人。少なくとも4人はこの森に入っているはずだ。彼はその内の一人だろう。それに、私の持っているスマホの転生者ファイルにあった顔写真と一致しているからまず間違いないだろう
確か、彼の名前は滝 隆二。この世界では珍しい日本名だ。おそらく私のいた世界からそのまま召喚されてきたのだろう。日本人らしい顔立ちをしている。それに言動や行動が・・・何というか幼い。おそらく高校生くらいなんだろう。
確か彼の能力は雷を自在に操ることの出来る能力だが、それはあくまで副次的なものに過ぎない。かれの本領は雷を身に纏うことにより、身体能力を底上げし、行なう超高速戦闘にある。
光のような速さで行なう戦闘は、音を置き去りにし、相手は自分が倒されたと感じる時間すら与えないという。まさに雷撃のごとし一撃と、転生者ファイルに書いてあった。
彼が本気を出したら、この辺り一帯の木々は雷によって焼かれ、私達も無事では済まないだろう。ではなぜ彼が、そんなことをしないかというと・・・
「ちっ!魔力切れか。お前らは作業を続けろ。俺は魔力を回復する。」
転生者、隆二は灰色の兵士達に声を掛け、自分は近くにあった岩に腰を掛けた。
そう、彼の魔力量は常人よりは多いが、他の転生者と比べるとかなり少ないと、転生者ファイルに書いてあったのだ。その上、高速戦闘中は常に魔力を消費して雷を体内に駆け巡らせているため、数分しか持たない諸刃の剣らしい。つまり、かなり燃費の悪い転生者なのだ。だから調子に乗ってバカスカ魔法を撃っているとすぐにガス欠になってしまう。
・・・よし、滝 隆二の対処法は考えついた。後は周りにいる灰色の兵士達だ。
私達じゃあの兵士達を押さえることは出来ない。どうにかしてあの兵士達を押さえる方法を考えないと・・・
ポコッ
ん?何の音?
何か穴が空いたような音が聞こえて、音のした方を見てみると
「クロロ」
「ヴォフ・・・」
穴から顔だけ出したサラマンダーがいた。どうやら助けに来てくれたらしい。それに、穴の中からヘル・ウルフらしき鳴き声が複数聞こえる。
その時、私の頭の中にある妙案が浮かんだ。
幸いにも滝 隆二と灰色の兵士達の距離は少々離れているし、灰色の兵士達は固まって魔法を放ちながら森の木々をなぎ倒している。
「ねえ、皆私の言う作戦に乗ってくれる?」
灰色の兵士達・・・もとい、不完全な死者蘇生で蘇った兵士達の数はざっと50人ほど。おそらくいくつかの部隊に分けて森を破壊しているのだろう。
そして一番の問題は
「出てこい!卑怯者のファリン族め!」
そういきり立ちながら雷魔法を放つあの転生者。森の外にいるグランドさんに挑んでいた転生者は15~16人。少なくとも4人はこの森に入っているはずだ。彼はその内の一人だろう。それに、私の持っているスマホの転生者ファイルにあった顔写真と一致しているからまず間違いないだろう
確か、彼の名前は滝 隆二。この世界では珍しい日本名だ。おそらく私のいた世界からそのまま召喚されてきたのだろう。日本人らしい顔立ちをしている。それに言動や行動が・・・何というか幼い。おそらく高校生くらいなんだろう。
確か彼の能力は雷を自在に操ることの出来る能力だが、それはあくまで副次的なものに過ぎない。かれの本領は雷を身に纏うことにより、身体能力を底上げし、行なう超高速戦闘にある。
光のような速さで行なう戦闘は、音を置き去りにし、相手は自分が倒されたと感じる時間すら与えないという。まさに雷撃のごとし一撃と、転生者ファイルに書いてあった。
彼が本気を出したら、この辺り一帯の木々は雷によって焼かれ、私達も無事では済まないだろう。ではなぜ彼が、そんなことをしないかというと・・・
「ちっ!魔力切れか。お前らは作業を続けろ。俺は魔力を回復する。」
転生者、隆二は灰色の兵士達に声を掛け、自分は近くにあった岩に腰を掛けた。
そう、彼の魔力量は常人よりは多いが、他の転生者と比べるとかなり少ないと、転生者ファイルに書いてあったのだ。その上、高速戦闘中は常に魔力を消費して雷を体内に駆け巡らせているため、数分しか持たない諸刃の剣らしい。つまり、かなり燃費の悪い転生者なのだ。だから調子に乗ってバカスカ魔法を撃っているとすぐにガス欠になってしまう。
・・・よし、滝 隆二の対処法は考えついた。後は周りにいる灰色の兵士達だ。
私達じゃあの兵士達を押さえることは出来ない。どうにかしてあの兵士達を押さえる方法を考えないと・・・
ポコッ
ん?何の音?
何か穴が空いたような音が聞こえて、音のした方を見てみると
「クロロ」
「ヴォフ・・・」
穴から顔だけ出したサラマンダーがいた。どうやら助けに来てくれたらしい。それに、穴の中からヘル・ウルフらしき鳴き声が複数聞こえる。
その時、私の頭の中にある妙案が浮かんだ。
幸いにも滝 隆二と灰色の兵士達の距離は少々離れているし、灰色の兵士達は固まって魔法を放ちながら森の木々をなぎ倒している。
「ねえ、皆私の言う作戦に乗ってくれる?」
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