そんなにホイホイ転生させんじゃねえ!転生者達のチートスキルを奪う旅〜好き勝手する転生者に四苦八苦する私〜

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タケルの決意

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「…………という訳でして、何とか私たちは戦いに勝利することが出来ました。」

「そうだったかい。まさか女神様が降臨なされるとは……それだけの事態だったという訳かい。」

おばさん(妖精)と、先程までの戦い。そしてどのような結末を迎えたのかを話す。おばさん(妖精)は時々私の話に相槌を入れながら聞いてくれた。

「まあでも良かったよ。お前さんが無事に戻ってきてくれて。」

・・・・・

・・・

おばさん(妖精)と談笑していると、私たちの部屋に、フラフラになりながら、包帯を巻いた男が入ってきた。タケルだ。

「だ、大丈夫なんですか?」

慌てて声をかける。タケルの身体に巻かれている包帯には血が滲んでいる。

「あ、ああ……問題……ない……」

そうは言うが、息も荒いし問題大ありにしか見えない。

慌てて駆け寄り、近くにあった椅子にタケルさんを座らせる。

「どうしてこんな無茶したんだい?あんたの傷はまだ塞がっていないのに」

「すまない。だが話さねばならんことがある。悪いが席を外してくれないか?」

おばさん(妖精)がタケルさんを責めるように言う。タケルはそんな説教を他所に、おばさん(妖精)を部屋から追い出した。

そして、部屋に二人きりになったところで私にこう言ってきた。

「お前、転生者。いや、転移者だろ。」

その言葉に思わず身構える。

私の事を転移者だと見破ったのは幼女(妖精)に続き二人目だ。

「そう身構えるな。俺はお前をどうこうしようとは考えていない。ただ、女神をこの地に召喚するならもう少し考えた方がいいぞ。どこで誰が見てるか分からないからな。」

怪しげに輝くタケルの目。それを見て私は無言で頷く。

「で、本題だ。運命の女神の元で働くお前にしか頼めん。」


タケルはそう言って、息をつき、こう言った。

「無限の魔力。あれは危険なスキルだ。だからアレの存在を抹消して欲しい。」

え?

ど、どういうこと?あのスキルを抹消して欲しいって。木崎は捕まえて、アトロポスさんのところに送ってある。そして木崎の奪ったスキルは大幅に弱体化して元の持ち主のところに送り返す予定になっている。

「言った通りだ。あのスキルは抹消しろ。」

「あ、あの、木崎に奪われたスキルは全て持ち主のところに返すことになっているんですが……」

そう言うが、タケルは首を振り

「いらん」

と、ただ一言のみ。

仕方がないから理由を聞くことにする。

「……あのスキルが原因で今回の争いが起きた。魔神まで復活しかけた。今回は何とか被害も少なく済んだが、また起こらないとは限らない。だから、あのスキルは抹消してくれ」

タケルの目は真っ直ぐと私を射抜いていた。
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