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3, 総合的に見て……
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かなり白熱している中、王太子殿下が現れた。
「キアラ、何やら婚約破棄をされたとか、ケイラスが隣国へ戦争をふっかける勢いで怒っていたが、アレも身重故余り興奮させるな」
「ケイラス叔父上は、殿下の子をお腹に宿していたんですね?」
「ああ、やっとな」
ふふふ、と笑った。
ケイラス叔父さんは、未来のシナガワゲートウェイ国の国母になるんですよ。
今は外務大臣として外交を担っていますけど、将来は未来の王様の母になるんです。
「陛下! まだ内緒でした!
それに、兄上にもまだ言ってませんでしたし」
さっきから兄上って言ってますが、父上の弟で殿下の伴侶です。
因みに、宰相の叔父さんは伴侶の方とは死に別れたそうです。
なかなか複雑な家系図になりますね。
整理すると
国王、おじいちゃん
王太子殿下、叔父さんで母上の一番上の兄
外務大臣、一番上の叔父さんの伴侶で父上の弟、母上からしたら兄上になる
宰相、グランデは二番目の叔父さん
法務大臣、グランデ叔父さんの息子で従兄弟
ケイラス叔父さんは凄い年の差婚、です。
うちの両親の結婚式で、王太子のおじさんが一目惚れしたとか。
ちょっとした犯罪者ですが、ケイラス叔父さんは相手にしなかったそうです。
当たり前かと思います。
王太子殿下はそのため晩婚でしたが、めでたく子を授かったと今報告されました。
「婚約破棄はキアラとしてはどうしたいのだ?」
わちゃわちゃしていた執務室が一瞬で静かになった。
さすが、次期国王です。
「はて? そうですね~、正直どうでも良いのですが、やはり破棄ですから僕の釣書に傷が付く訳ですよね。
慰謝料を国際的な基準で請求して国家予算が取れたとしても、どちらに過失があったか分からないのは困ります。
婚約破棄の慰謝料ではなく、不貞による精神的苦痛での慰謝料としてください。
これは金額の大小ではありません。
その上で、国家的に我が敷地への不法侵入とゴミの不法投棄で刑罰をお願いいたします。
ちなみに、写真も録画も撮れていますし、ゴミも回収しDNA鑑定結果も出ていますので、レオナルド公爵とクリッシュ男爵のDNAであると言う検査結果も出ています。
僕からではなく、シナガワゲートウェイ国から、としてもらうのが一番効果的かと思います」
そこまで聞いて王太子殿下ドロワスが大笑いをした。
「あーっはっはっはっは!!!
うちの甥っ子は容赦ないな! よし、それをベースに公爵家と男爵家、更にはシナガワ国国王へ鉄槌を下そう!」
訴訟の嵐ですね。
まずは婚約破棄に対する相手側の過失を認めさせた上で、僕からの三行半へと変更させ、慰謝料を請求します。
相手側の不貞を公にすることが大事なので、クリッシュにも同じだけ請求しますよ、当然です。
そこで大事なのは払わせる、と言う事なので金額的には一般的な金額です。
次に、国際法とシナガワ国の刑法を使って、不法侵入と不法投棄の裁判を起こします。
刑罰なので、例え不起訴になったとしても経歴に残ります。
証拠がしっかり揃ってるので、不起訴などという事は絶対にありませんが、末端の末端とはいえ王族の一人です。
どのような策をめぐらせて来るか分かりませんから、息の根を止めるだけの証拠は揃えておかないといけませんね。
そして、同時進行で経済制裁を加えて頂く訳です。
シナガワ国の国内総生産を下げ、国に負債を負わせると国民の税金が高くなってしまいます。
それを、国王とリカルドの侯爵家とクリッシュの男爵家の責任とはっきりさせるだけで良いんです。
大したことではありません。
悪い事したら、ごめんなさいをしないさと言ってるだけですからね。
「さて、話はまとまったな。
今夜はキアラがこの国で暮らす事と、決起集会の意味も込めて、晩餐会を開くからな。
この国に貿易相手の諸外国の王侯貴族も丁度集まってるから、お披露目には良いと思うんだよな」
「ドロワス、キアラの事もだが、ケイラスの懐妊もだ。
ケイラス、体を大事にしてくれ」
おじいちゃんは感極まって、泣いてしまいました。
こんなに家族を大事にして愛してくれてるのに、こんな騒動を持ち込んでしまい申し訳なく思っていると、次だ次! と言って励ましてくれた。
「そうですね、僕、意外とレオナルドを好きだったんですね……」
その時初めて、僕は涙を流していた。
「キアラ、何やら婚約破棄をされたとか、ケイラスが隣国へ戦争をふっかける勢いで怒っていたが、アレも身重故余り興奮させるな」
「ケイラス叔父上は、殿下の子をお腹に宿していたんですね?」
「ああ、やっとな」
ふふふ、と笑った。
ケイラス叔父さんは、未来のシナガワゲートウェイ国の国母になるんですよ。
今は外務大臣として外交を担っていますけど、将来は未来の王様の母になるんです。
「陛下! まだ内緒でした!
それに、兄上にもまだ言ってませんでしたし」
さっきから兄上って言ってますが、父上の弟で殿下の伴侶です。
因みに、宰相の叔父さんは伴侶の方とは死に別れたそうです。
なかなか複雑な家系図になりますね。
整理すると
国王、おじいちゃん
王太子殿下、叔父さんで母上の一番上の兄
外務大臣、一番上の叔父さんの伴侶で父上の弟、母上からしたら兄上になる
宰相、グランデは二番目の叔父さん
法務大臣、グランデ叔父さんの息子で従兄弟
ケイラス叔父さんは凄い年の差婚、です。
うちの両親の結婚式で、王太子のおじさんが一目惚れしたとか。
ちょっとした犯罪者ですが、ケイラス叔父さんは相手にしなかったそうです。
当たり前かと思います。
王太子殿下はそのため晩婚でしたが、めでたく子を授かったと今報告されました。
「婚約破棄はキアラとしてはどうしたいのだ?」
わちゃわちゃしていた執務室が一瞬で静かになった。
さすが、次期国王です。
「はて? そうですね~、正直どうでも良いのですが、やはり破棄ですから僕の釣書に傷が付く訳ですよね。
慰謝料を国際的な基準で請求して国家予算が取れたとしても、どちらに過失があったか分からないのは困ります。
婚約破棄の慰謝料ではなく、不貞による精神的苦痛での慰謝料としてください。
これは金額の大小ではありません。
その上で、国家的に我が敷地への不法侵入とゴミの不法投棄で刑罰をお願いいたします。
ちなみに、写真も録画も撮れていますし、ゴミも回収しDNA鑑定結果も出ていますので、レオナルド公爵とクリッシュ男爵のDNAであると言う検査結果も出ています。
僕からではなく、シナガワゲートウェイ国から、としてもらうのが一番効果的かと思います」
そこまで聞いて王太子殿下ドロワスが大笑いをした。
「あーっはっはっはっは!!!
うちの甥っ子は容赦ないな! よし、それをベースに公爵家と男爵家、更にはシナガワ国国王へ鉄槌を下そう!」
訴訟の嵐ですね。
まずは婚約破棄に対する相手側の過失を認めさせた上で、僕からの三行半へと変更させ、慰謝料を請求します。
相手側の不貞を公にすることが大事なので、クリッシュにも同じだけ請求しますよ、当然です。
そこで大事なのは払わせる、と言う事なので金額的には一般的な金額です。
次に、国際法とシナガワ国の刑法を使って、不法侵入と不法投棄の裁判を起こします。
刑罰なので、例え不起訴になったとしても経歴に残ります。
証拠がしっかり揃ってるので、不起訴などという事は絶対にありませんが、末端の末端とはいえ王族の一人です。
どのような策をめぐらせて来るか分かりませんから、息の根を止めるだけの証拠は揃えておかないといけませんね。
そして、同時進行で経済制裁を加えて頂く訳です。
シナガワ国の国内総生産を下げ、国に負債を負わせると国民の税金が高くなってしまいます。
それを、国王とリカルドの侯爵家とクリッシュの男爵家の責任とはっきりさせるだけで良いんです。
大したことではありません。
悪い事したら、ごめんなさいをしないさと言ってるだけですからね。
「さて、話はまとまったな。
今夜はキアラがこの国で暮らす事と、決起集会の意味も込めて、晩餐会を開くからな。
この国に貿易相手の諸外国の王侯貴族も丁度集まってるから、お披露目には良いと思うんだよな」
「ドロワス、キアラの事もだが、ケイラスの懐妊もだ。
ケイラス、体を大事にしてくれ」
おじいちゃんは感極まって、泣いてしまいました。
こんなに家族を大事にして愛してくれてるのに、こんな騒動を持ち込んでしまい申し訳なく思っていると、次だ次! と言って励ましてくれた。
「そうですね、僕、意外とレオナルドを好きだったんですね……」
その時初めて、僕は涙を流していた。
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