無能だと言われ続けた聖女は、自らを封印することにしました

天宮有

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第14話

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リカルド視点

 私がフィーレ様と共に城を出てから、数ヶ月が経過していた。
 森で暮らして何も問題は起きず、今は森から一番近い街に1人で向かっている。

 フィーレ様が封印されているクリスタルには、モンスターを寄せ付けない力がある。
 クロは護衛である私の契約獣だからか、その影響を受けなかった。

 それでも不安になり、契約したクロを護衛につけて鍛え、ようやく街に向かうことができていた。
 私の傍にフィーレ様がいないのは不安で、早く用事を済ませて戻ろうと考えている。

 私は冒険者ギルドに向かい、森で倒したモンスター達の部位を買い取ってもらう。
 最近森でのモンスター討伐依頼が減った理由がわかったと言われたけど、まさか住んでいるとは思うまい。

 その後、買取を終えてた私は、生活に必要な物を購入していく。
 生活を更に豊かにする魔法道具は高値になるため、もう少し余裕があってからにしたい。

 買物をしている最中――冒険者ギルド、そして街並みでの会話を聞いて、私は呆れながら呟く。 
 
「……新たな聖女がアビリコとは、何も考えていないようですね」
 
 いや、陛下や王子達は自分達のことだけを考えていそうだと、私は1人で納得していた。

 街の噂話から……新たな聖女が公爵令嬢のアビリコに決まったことを知る。
 アビリコは聖女の候補者として噂は耳にしているも、魔法の成績が悪いことだけは知っていた。

 そんなアビリコを新たな聖女にしている辺り……聖女は、誰でもいいと考えたのだろう。
 あまりにも愚かな行動で、どうやら新たな聖女を祝う式典も行ったらしい。
 
「式典を行ったのなら、もう取り消すことはできないでしょう」

 ――フィーレ様はリカルドと駆け落ちして、聖女の役目を放棄した。
 そんな噂を嬉しく感じてしまうのはどうかと思いながらも、街で他の噂に聞き耳を立てている。

「新たな聖女様が公爵家のアビリコ様な辺り、前の聖女様は排除されたんだろうな」

「フィーレ様はモンスターの襲撃が発生すると、怪我人の治療をしてくださった」

「平民が余計なことをするなと城の兵士が言ってたが……陛下や殿下にとっては、民を治すのが余計なことらしい」

 城の兵士達に見下されて行動を咎められたとしても、この国の人達の為に動こうとしたフィーレ様の行動。
 そして……新たな聖女がマリウス様の婚約者候補だった公爵令嬢な辺り、ローノック国の信頼は落ちつつある。

 噂を聞きながら――冒険者ギルド内で耳にした話を、私は思い返す。

『――最近、この国を拠点にしていた高位冒険者達が、ローノック国を出始めてるらしい』

『思い当たる理由は聖女様が代わったことか……聖女様の力について、何か知ってそうだ』

 高位冒険者が拠点にしているのは、ローノック国が平和だったから。
 それでも聖女様が代わった瞬間に国を出る辺り、何かが起ころうとしているのかもしれない。

「気になりますけど……早く要件を澄まし、フィーレ様の元に戻りましょう」

 噂を聞き続けていたくなるけれど、私は急いでフィーレ様の待つ森に戻ろうとしていた。
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